2040・2050年の電力需給シナリオは、将来の需給状況を関係者で共有する材料として委員会や事業者に参照されている。制度設計WGでは、共通認識を形成する重要性が確認され、エリア別シナリオの検討とデータセンター等の需給動向の定期観測を進める方向が示された。これは今後の対応案であり、実施済みの決定ではない。
広域系統整備委員会では、長期展望レビューの需要・ロードカーブ設定にシナリオを活用する提案がなされている。年間電力量は、現行長期展望の状況変化反映値(12,447億kWh)に近い2050年12,500億kWhモデルを今回のレビューに用いる案である。ほかの委員会でも、火力新設、容量調達、原子力、再エネ導入見通し等にシナリオや関連データが引用されている。
発電・小売事業者13社へのアンケートでは、需要・供給力の設定は多くの設問で「概ね違和感ない」が最多であった。一方、上限値や実現条件への留保が示された。全体需要は12社が概ね妥当とし、1社は上限が過大となる可能性を指摘。民生需要は全13社が概ね妥当とした。産業需要は11社が概ね妥当、2社がIIPの足元の減少傾向等から上限を懸念した。DX需要は12社が概ね妥当としつつ、技術進展やデータセンター立地の不確実性から継続的な観測を求めた。GX需要も概ね妥当との回答が中心だが、水素還元製鉄等の技術・導入条件には不確実性がある。
供給力では、原子力は10社が概ね妥当、2社が過大と回答し、再稼働・審査・事業者判断等への依存が指摘された。再エネは9社が概ね妥当、3社が過大とし、適地制約や導入実績、技術革新の見通しが論点となった。CCS貯留量は9社が概ね妥当、2社が過大、2社がその他と回答し、適地・コスト・技術等の不確実性を踏まえ幅広い想定を求める意見があった。
| 論点 | 主な結果・留意点 |
|---|---|
| 供給力不足 | 2040年は4シナリオ中3、2050年は16中13で不足。事業者12社が危機感または国全体での対応の必要性を選択した。 |
| LNG火力の夏季出力 | 全国一律12%減は、対象設備保有10社中6社が概ね妥当。エリア別検討でも一律12%減とする方針が資料に示された。 |
| 電源ミックス・火力利用率 | 電源ミックスは10社が概ね妥当。火力利用率33~43%については7社が投資回収困難と回答し、固定費回収や調整力価値を支える制度の必要性が挙がった。 |
電源開発等への活用について、2社は投資を後押しすると回答し、4社は今後後押し材料として活用したいとした。参考にしている、または今後活用予定の6社を含めると、12社が何らかの活用を見込む。用途は社内説明が中心で、金融機関や地元への説明にも利用する意向がある。全国シナリオだけでは具体的な投資判断に限界があるとの声もあった。
国・広域機関への期待は、電源投資を促す政策措置が12社、需要・供給力のエリア偏在への対応が10社、長期的な調整力確保が9社である。自由意見では、エリア別の需給・調整力の定量化、系統計画等との整合、需要・技術動向の更新に加え、シナリオの含意やデータの提示、経済性・脱炭素面の評価拡充も求められた。
資料は、当面の対応として需給両面の定期観測とエリア別シナリオ策定の検討を具体化し、シナリオを共通認識として深めることを提案する。電源建設を促す政策措置や調整力確保等についても、事業者の要望を踏まえ、関係先と連携して活用可能性を検討する方針案である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「シナリオ活用調査の報告について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/shorai_jukyu/)をもとに当社作成
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