資料の説明: ガスの卸調達・適正取引の在り方
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が提供した「ガスの卸調達・適正取引の在り方」についての検討をまとめたものであり、第31回制度設計専門会合において重要な論点が議論された。特に、LNG基地の第三者利用制度の利用促進に関する議論が含まれており、これまでの議論の振り返りや本日の論点、リスク容量および基地利用料金に関する内容が網羅されている。
主要な検討内容・論点
本日の論点
リスク容量に関する議論
- 第29回制度設計専門会合における議論の概要:
- タンク余力の判定に関わるリスク容量の標準化の要否が検討された。
- 基地利用者の利便性向上を目指し、事後検証を行い、製造事業者の自主的改善を促すことが決定された。
リスク容量の標準化に関する意見
草薙委員: 標準化に時間がかかるため、個別事情を考慮した検討が必要。
園尾委員: 正しい標準化を行うには慎重な検討が求められる。
押尾オブ: 実績との比較を通じて妥当性を評価すべき。
自主的改善の事例
- 2019年度の設備余力見通しを公表した事業者が、物理的利用不可上限を見直し、利用可能容量を**14%**に増加させた事例がある。
決定事項・制度変更
リスク容量の設定方法
- 事後検証の実施:
- 既存利用者の自社利用計画に基づく余力判定の合理性を検証し、異常な違いがないかを確認する。
自社利用計画の範囲
- 製造事業者が利用実績に基づく定量的なプランニングが重要であり、実績に基づかない計画の更新は改善が求められている。
基地利用料金に関する事項
- 基地利用料金の考え方:
- 料金の算定基準や情報開示についての議論が進行中である。
貯蔵料金の算定に用いる課金標準
| 課金標準 | 説明 |
|---|
| 最大貯蔵量 | 利用期間中の最大容量に基づく |
| 平均貯蔵量 | 利用期間中の平均容量に基づく |
| 払出量 | 実際に払い出した量に基づく |
具体的な影響事例
- ルームレント方式とルームシェア方式による料金の違いが、利用条件や権利に影響を与える。
今後の予定
- 次回の会合や専門委員会で具体的なリスク容量の設定方法や基地利用料金の詳細について議論が予定されている。また、事業者からのフィードバックをもとに必要な政策変更や調整が行われる見込みである。
課題・リスク
- 一部の製造事業者が定量的な自社利用計画範囲を適切に設定しないことで、余力見通しの公表に疑義が生じる可能性がある。このため、適切な改善策が求められている。
貯蔵料金変動の要因
- 配船調整: LNGの不足が生じた場合、不足する期間・量が同一でも、貸借する期間・量が異なることで課金標準が変わる可能性がある。
- 最適配船時との比較: 配船調整により貯蔵料金が増減することがある。
具体的な事例
- 1船単位(約6万t)のLNG貸借:
- 事業者と2カ月間6万tの貸借が発生する場合
- 最大貯蔵量/平均貯蔵量が増加
- 結果: 貯蔵料金が増加
- 不足分のみのLNG貸借:
- 事業者と1カ月間2万tの貸借が発生する場合
- 最大貯蔵量/平均貯蔵量が減少
- 結果: 貯蔵料金が減少
配船調整の論点
- 貯蔵料金の変動が製造事業者の裁量に起因する場合は、イコールフッティングの観点から問題視される可能性がある。
- 配船調整によるLNG貸借で貯蔵料金が減少することは、新規参入を促進する上で望ましい。
提案されたガイドライン
- 望ましくない行為: 配船調整によって生じた貯蔵量の増加分を貯蔵料金に反映させること。
- 望ましい行為: 貯蔵量の減少分を貯蔵料金に反映させること。
配船日が前倒しになった場合の影響
- 配船日変更後の指定入船日や貯蔵量が最小になるタイミングに注意が必要である。
- 最適配船との比較において、貯蔵量の減少分を料金に反映させることが望ましい。
配船日変更によるスケジュール
| 時期 | 貯蔵量 |
|---|
| N年3月 | 変更前の貯蔵量 |
| N年4月 | 変更後の貯蔵量 |
| N+1年3月 | 今後の貯蔵量 |
LNG貸借に関する記載事項
- 各製造事業者は受託製造約款においてLNG貸借に言及しており、現在では貸借に対する協議の拒否や不成立は発生していない。LNG貸借は適正なガス取引の指針に従い、適切な基地利用を促進することが重要である。
受託製造約款の抜粋
- 東京ガス: LNG貸借に関する特殊な取引は都度協議
- 大阪ガス: 不足解消のための基本契約の締結が必要
- 関西電力: LNG在庫の貸借や売買に関する事項の協議が必要
まとめ
本資料では、LNGに関する貯蔵料金の変動、リスク容量の設定、および基地利用料金の透明性向上に向けた重要な議論が包括的に示されている。これにより業界全体の適正な運用と透明性向上が図られることを目指している。