中部電力パワーグリッドは、揚水発電所の一部運用権を借り、需給状況に応じて運転モードを使い分けることで調整能力を活用する揚水随意契約を実施している。2025年度の4~11月実績では、揚水随契は調整力確保量の約42%を担い、単価は0.74円/ΔkW・hであった。市場調達単価6.19円/ΔkW・hを下回り、余力活用も組み合わせた総合単価は1.86円/ΔkW・hとなり、RC承認単価2.25円/ΔkW・hを下回った。
| 2025年度4~11月の指標 | 実績 |
|---|---|
| 揚水随契の調整力確保量割合 | 41.7% |
| 揚水随契単価 | 0.74円/ΔkW・h |
| 総合単価(市場・揚水随契・余力) | 1.86円/ΔkW・h |
| RC承認単価 | 2.25円/ΔkW・h |
稼働率は6.5%で、電源Ⅰ契約時代の2023年度の概ね3倍であった。季節別には春季に再エネ余剰対応、夏季に供給力対応で稼働率が高く、kWh市場と調整力確保の双方で運用されている。揚水随契の精算は、貸与に伴う発電事業者の逸失利益等を、非貸与ユニットの実績を基に事後精算する「ミラー精算」である。
2024年度1Qには需給調整市場の応札が大幅未達となり、2024年7月から揚水随契を導入した。2025年度6月以降は自然体余力控除の導入により複合商品で充足率が改善した一方、一次調整力では未達が残り、市場価格にも応札状況によるばらつきが見られた。揚水随契は年間を通じて市場より安価で、春季は昼夜間のkWh価格差により支払額が膨らむ傾向があり、重負荷期に高くなりやすい市場調達を補完している。
2026年度は自然体余力控除が行われず、その分の募集量が増える見込みである。資料では、揚水随契が同規模で継続しても、市場に一定の取引機会が残るとの見通しを示している。
需給調整市場では、前日取引化や上限価格の段階的引下げなどの制度見直しが検討されており、資料は価格低減を期待している。そのうえで中部電力パワーグリッドは、揚水随契を2026年度以降も継続し、余力活用と組み合わせる「ポートフォリオ調達」により社会コストを抑える方針を示した。これは資料上の事業者方針であり、制度変更の確定や審議会による決定を示すものではない。
試算では、2025年度のポートフォリオ調達費用は157億円、確保量87億ΔkW・h、総合単価1.86円/ΔkW・hである。RC時点の市場100%調達想定は362億円、161億ΔkW・h、単価2.25円/ΔkW・hであり、必要量実績換算でRC承認額比34億円/年、市場調達単価との比較で150億円/年の削減見通しを示す。後者は揚水随契の確保量を市場調達した場合との差額試算である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「中部エリアにおける揚水随意契約について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_systemsurveillance.html)をもとに当社作成
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