2025年6月3日開催の需要調整市場に関する資料
概要
本資料は、2025年6月3日に開催された第56回需要調整市場検討小委員会及び第73回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討作業会の資料である。主な議論の焦点は「市場外調整力の控除」についてであり、特に自然体余力の要因分析と控除の具体的な検討が行われている。
はじめに
- 第55回本小委員会で応札不足対策の一環として「市場外調整力の控除」が検討された。
- 実需給データを使用し、全9エリアで一定の自然体余力が確認され、控除の可否を含む要因調査が実施された。
- 今回の資料は、中部エリア以外の8エリアの要因分析を基に控除の考え方や適用開始時期を整理している。
検討課題の整理
需給調整市場における論点は以下の通りである:
| 課題 | これまでの整理事項 | 小委における論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 8-1 揚水発電所の市場活用における課題整理 | 揚水公募量の控除方法や原資の確保方法の対応案 | 契約価格の在り方、水位管理の在り方 | 技術面の検討完了 |
| 8-2 制度的措置に係る残論点の整理 | 制度的措置に関する基本的な考え方や個別点を整理 | 誘導的措置の検討漏れ確認、将来シナリオ想定 | |
| 8-3 市場外調整力の実態整理および控除検討 | 自然余力領域は現状ほぼゼロ | 控除できる蓄積性 | |
検討状況の振り返り
- 需給調整市場の全商品は2024年4月に取引開始して以来、調達未達が続いており、その解消に向けた各取り組みが行われている。
- 調査結果では、全9エリアで一定の自然体余力が確認された。
自然体余力の要因分析
自然体余力は以下の要因に基づいて分析された:
| 調整機能 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 |
|---|
| 有 | 市場売れ残り | 市場売れ残り | 市場売れ残り | 契約要因 | 市場売れ残り | 市場売れ残り | 市場売れ残り | 市場売れ残り | 市場売れ残り |
| 無 | | | | | | | | 燃料制約 | |
自然体余力の発生要因
- 市場売れ残り分
市場に応札できなかった余力
- 需給変動リスク
小売需要の変動による余力
- 契約要因
特定の契約期限が影響し応札できない余力
- 燃料制約
燃料消費計画に基づく余力で控除対象外
市場外調整力控除の具体的な検討
- 自然体余力は「調整力としての機能があり」かつ「GC時点で存在する」ことが求められる。
- 控除考え方として、市場応札できなかった要因を考慮し、控除量は適切に設定する必要がある。
控除の不合理と課題
- 控除量が過少: 調達未達が続くことで高コストに
- 控除量が過剰: 追加起動にかかる費用が発生し逆にコストが増す可能性
まとめ
市場外調整力の控除に関する検討が進行中であり、自然体余力の実態把握やエリアごとの要因分析が重要である。合理的な関係を築くために、需給調整市場の効率的な運営を支える考え方が求められる。今後も自然体余力の調査に基づく具体的な検討が進められる必要がある。
自然体余力の発生要因の考察
- 自然体余力は出力変化率の制約により市場応札できない余力であり、控除対象外とすることが適切であるとされている。特に、中部エリアにおける調査結果も確認されている。
控除量の試算結果
自然体余力を控除するための計算は過去の取引実績に基づいて試算されている。以下の各エリアの控除状況を示す。
| エリア | 控除前必要量 (MW) | 控除量 (MW) 平均値 | 控除後募集量 (MW) | 控除率 (%) |
|---|
| 北海道 | 120 | 33 | 87 | 27% |
| 東北 | 243 | 105 | 138 | 43% |
| 東京 | 652 | 253 | 399 | 39% |
| 中部 | 332 | 332 | 0 | 100% |
控除適用の時期
自然体余力の状況は全商品の前日取引化後の変化が予見されるため、控除量の試算は2025年度限定とするのが望ましい。控除開始は準備が整ったエリアから順次導入し、控除期限は2026年3月と設定されている。
今後の検討方向性
今後はヒアリングを通じて、自然体余力の要因を深掘りし、控除対象や控除量算定方法について具体的な検討を進める必要がある。