需給調整市場検討小委員会資料説明
資料の目的・背景
本資料は、第40回需給調整市場検討小委員会および第50回調整力の細分化と広域調達に関する作業会の内容をまとめたものであり、調整力必要量の考え方および効率的な調達方法に関する検討を行っている。
- 日付: 2023年6月29日
- 事務局: 電力広域的運営推進機構 (OCCTO)
検討内容
概要
- 調整力必要量の考え方について、2023年4月26日に開催された第38回本小委員会での確認事項を踏まえて検討を実施。
- 一次から三次の各段階における「調達量」や「追加調達方法」を整理し、特に三次②では効率的な調達方法の検討を主軸として意見を集約。
論点整理
以下に検討課題と各論点の整理を示す。
一次の論点
| 番号 | 課題 | これまでの整理事項 | 小委における論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 1-1 | 必要量の検討 | 残余需要データの整理 | 必要量の精査 | 必要量はまず一次二次を3、三次を1とする方針を確認 |
| 1-2 | オフライン枠の上限値 | 発動指令電源の上限の参考 | 上限値拡大の方向性 | 応動時間を30秒に設定し追加基準を設ける方針を確認 |
| 1-3 | 新リソースの活用 | 新規市場への適応など | 調整力に関する影響評価 | 実効的な運用方法を検討する方針を確認 |
| 1-4 | 広域調達開始時期 | 2024年度から広域調達開始予定 | 取引実績を踏まえた方向性 | 2027年度以降の拡張性を考慮した議論を行う |
二次の論点
| 課題 | これまでの整理事項 | 小委での論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 必要量の検討および効率的な調達方法 | 残余需要の30分間期分の差分の整理 | 必要量の精査 | 追加調達方法の明確な基準を示すことを確認 |
三次の論点
| 課題 | これまでの整理事項 | 小委での論点 | 小委での議論における方向性 |
|---|
| 必要量の検討および効率的な調達方法 | 残余需要予測差の整理 | 必要量の精査と調達方法の検証 | 複合的なアプローチで調達を進めることを推奨 |
今後の予定
- 2024年度以降の具体的な調達方針について早期に意見を集め、実務検討を進める。
- 調整力の不足に対しては、前日段階での追加調達を考慮し、各関係者との合意形成を図る。
重要な数値
各エリアにおける広域予備率の下限として**12%**を設定することが提案されている。
各エリアの広域予備率
| エリア | 広域予備率(%) |
|---|
| 北海道 | 11.4 |
| 東北 | 11.3 |
| 東京 | 10.7 |
| 中部 | 12.1 |
| 北陸 | 12.1 |
| 関西 | 12.1 |
| 中国 | 12.4 |
| 四国 | 12.6 |
| 九州 | 13.3 |
課題・リスク
- 調整力市場における価格の高騰や調達不足の懸念。
- 追加調達が実際に可能かどうかの具体的検討が必要であること。
まとめ
- 今後の需給調整市場においては、効率的な調達と広域調達の制度設計に向けた議論が進むことが期待される。
- 提示された課題解決に向けて、具体的なアクションを取ることが重要である。
データ分析における使用データ
使用データの概要
- 2022年度の週間断面最小予備率および当日断面最小予備率を基にデータ分析を行った。
- 線形回帰の式:
y = 0.2722x + 0.5482
R² = 0.9294
使用したデータ
- 週間広域予備率: 週間断面の公表値に基づく。
- 当日広域予備率: 当日断面の広域ブロック別の広域予備率の中の日別最小値。
データの粒度と対象期間
- データ粒度: 1日単位
- データ対象期間: 2022年4月〜2023年3月
- 対象エリア: 9エリア(沖縄を除く)
不足インバランスとその対応
不足インバランスの発生
- 2022年度には、不足インバランスが発生した。対応として、三次②・三次①・電源Ⅰが用いられ、実際には電源Ⅱの余力に頼る必要があった。
不足インバランスの確認画像
| 月 | 不足インバランス延べ個数 | A > B+C+D(延べ個数) | 割合 |
|---|
| 4月 | 1,434 | 17 | 1.2% |
| 5月 | 1,563 | 8 | 0.5% |
| 6月 | 2,488 | 20 | 1.0% |
| 7月 | 1,852 | 19 | 1.0% |
| 8月 | 1,237 | 11 | 0.9% |
| 9月 | 1,477 | 3 | 0.2% |
| 10月 | 1,502 | 7 | 0.5% |
| 11月 | 1,780 | 4 | 0.5% |
| 12月 | 1,323 | 7 | 1.9% |
| 1月 | 1,244 | 23 | 0.2% |
| 2月 | 1,185 | 2 | 0.9% |
| 3月 | 1,243 | 11 | 0.9% |
データ諸元
- 対象期間: 2022年4月〜2023年3月
- インバランス量: 48点の公募値に基づく。
予備率と不足インバランスの関係性
閾値算出の結果
- 週間断面の広域予備率が12%程度であることが確認され、安定供給への影響評価が行われた。
追加調達の判断基準
- 2024年度初めに、広域予備率が12%を下回っているかを確認。
- 広域予備率が3%を下回る可能性がある場合、追加調達を行う必要がある。
調整力の調達方法の変更
- 2024年度以降は、実績に応じて判断基準の見直しを行う方針である。
追加調達の実施方法と効率的な調達
現行の取り組み
| 項目 | 内容 |
|---|
| 効率的な調達方法 | 不足時に追加調達を行う方式 |
| 判断基準閾値 | 最新の広域予備率が12%を下回る場合に追加調達 |
| 調達量 | 予見性に応じたσ相当値を用いる |
| 対応時期 | 準備が整い次第実施 |
今後の進め方
- 一次〜三次①に関しては取引が開始され、2024年度以降の実績を踏まえて見直しを行う予定である。
三次②の検討項目
| 検討項目 | 内容 | 今後の課題 |
|---|
| 追加調達可否 | 時間前市場からの調達は可能と考えられる | 運用上の課題を整理 |
| 安定供給への影響 | 通常の運用と変わらず、影響なしと予測 | 追加調達分が確保できない場合の対処方法 |
| 追加調達費用の取扱 | 国と連携して検討を進める | 価格規律に関する詳細な検討 |
まとめ
一次〜三次①のまとめ
- 2024年度の追加調達判断基準の見直しを行い、必要に応じて速やかに対応することが重要である。
- 効率的な調達により全エリアの複合必要量を約**40%**減少させることを期待している。
三次②のまとめ
- 効率的な調達方法の実現と時間前市場からの追加調達が可能であるが、さらなる運用検討が必要である。