変動性再生可能エネルギーの調整機能に関する資料の説明
資料の目的・背景
本資料は、第50回需給調整市場検討小委員会および第66回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会に基づき、変動性再生可能エネルギー(以下「変動性再エネ」という。)の調整機能の活用について議論するために作成されたものである。将来的な再エネの大容量導入に向けて、必要な調整力の要求量とその供給について検討することを目的としている。
主要な検討内容・論点
1. 背景
- 変動性再エネには、FIT電源やFIP電源が存在し、市場統合の度合いは異なる。
- 再エネの増加により、出力の変動や予測誤差が増加し、調整力の必要量も増加する見込みである。
- 調整機能として変動性再エネを活用するためには、技術的および制度的な課題を整理する必要がある。
2. 調整機能の現状と課題
技術面
- 変動性再エネは、発電計画値から天候の影響を受けて出力が変動するため、調整力の供出量が不確実である。
- インバータ制御により、精緻な応動や出力調整が可能である。
| リソース種別 | 調整力供出量 | 応動機能 |
|---|
| 安定電源(火力・水力等) | 発電計画値に基づき安定供出 | 遅延や誤差が発生することがある |
| 変動性再エネ(太陽光・風力) | 天候により出力が変動 | インバータによる精緻な制御が可能 |
| 蓄電池を併設した変動性再エネ | 天候の影響を蓄電池で補完することで安定供出 | インバータによる精緻な制御が可能 |
制度面
- 現行制度では、FIT電源による調整力の需給調整市場への参入は認められない。
- FIP電源や非FIT電源は需給調整市場で利用可能であり、その制度についての検討が進められている。
重要な数値・データ
- 2030年までに再生可能エネルギーの電源構成比を**36〜38%**とする目標が設定されている。
- 中長期的に調整力必要量が増加することが予想され、新たなリソースの活用が検討されている。
需給調整市場の概要
2024年度から開始される需給調整市場では、以下の5種類の商品が取引される予定である。
| 英字称 | 一次調整力 | 二次調整力① | 二次調整力② | 三次調整力① | 三次調整力② |
|---|
| 指令制御 | オフライン自端制御 | オンラインLFC信号 | オンラインEDC信号 | オンラインEDC信号 | オンライン |
| 応答時間 | 10秒以内 | 5分以内 | 5分以内 | 15分以内 | 45分以内 |
| 継続時間 | 5分以上 | 30分以上 | 30分以上 | 3時間 | 3時間 |
調整機能の分類
需給調整市場における調整機能とその要件を整理した表は以下の通りである。
| 指令 | GF一次 | LFC二次① | EDC二次② | 三次① | 三次② | 市場外での調整機能 |
|---|
| オフライン自端周波数計測 | | | | | | オンラインオフラインBGバランス |
| オンラインLFC信号 | | | | | | オンラインオフラインBGバランス |
| オンラインEDC信号 | | | | | | オンラインオフラインBGバランス |
| 応動時間 | 10秒以内 | 5分以内 | 5分 | 45分 | | |
| 上げ調整 | ① | ② | ③ | ④ | | |
| 下げ調整 | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | | |
決定事項・制度変更
- 需給調整市場での商品には異なる要件が定められ、アセスメントを実施して調整力の品質を担保することが決定された。
- アセスメントの不適合にはペナルティがあり、特に月3回以上の不適合で市場退出となる場合もある。
課題・リスク
課題の整理
-
応札スケジュール
- 実需給時の予測誤差が大きくなるため、予測が難しい。
-
入札ブロック時間
- ブロック時間が長いため、出力下振れに対応しづらい。
-
アセスメント・ペナルティ
- 変動性再エネは他リソースに比べてアセスメントⅡの達成が難しく、ペナルティのリスクが高い。
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再エネ出力制御時の調整力供出
- 出力制御のタイミングによる不確実性が影響し、調整力提供者が需給調整市場に応札する際の判断が難しい。
今後の予定・方針
- 優先給電ルールとの整合性を保ちながら、調整力供出の方針を引き続き検討する必要がある。
- アセスメント・ペナルティの条件緩和や技術面のサポートを行いつつ、慎重に議論を進めることが求められる。
まとめ
変動性再エネの調整機能の活用は、将来的な電力供給の安定に寄与するため重要である。調整力の活用に伴う制度面・技術面の課題を解決するため、国との連携が必要である。また、出力予測精度の向上や蓄電池の併設が重要なポイントとなる。今後の市場整備が期待される。