電力・ガス取引監視等委員会による経過措置料金解除後の事後監視に関する資料
資料の目的・背景
本資料は、電力・ガス取引監視等委員会の「経過措置料金解除後の事後監視」に関連する議論をまとめたものである。特に、経過措置料金が廃止された後の市場動向とその監視体制の必要性に焦点を当てている。
主要な検討内容・論点
経過措置料金廃止後の監視の必要性
- 経過措置料金が廃止された後、独占状態や寡占状態の再発が懸念される。
- 標準的な家庭での電気料金の過重な値上げの調査が必要であり、不当または合理的でない値上げの概念を事前に定義することが重要である。
委員の意見
- 大内委員: 不当な値上げの基準を事前に設定すべきと主張。
- 陶山様: 新電力事業者の成長阻害や競争の減少を防ぐため、法律や制度に予防策を盛り込むべきと提案。
- 斉藤オブザーバー: 事後監視をリアルタイムで行う必要性を訴えた。
- 竹内委員: 自由化に伴い、規制料金の残存は不適切であり、監視を行う自由化が望ましいと述べた。
- 草薙委員: 監視に必要なデータの明示と手続の迅速化の重要性を指摘。
諸外国の関連制度
EUにおける規制
- 市場支配的地位の濫用に関する規制が存在し、不公正な取引条件の禁止が定められている。
| 市場支配的地位 | 濫用行為 |
|---|
| 事業者が競争者及び消費者から独立して行動する力を持つ | 1. 不公正な価格の課し 2. 競合他社に対する差別的扱い 3. 取引先への不当な取引条件 |
イギリスの規制
- 1998年競争法に基づく規制が導入され、2018年には消費者保護のための価格上限が設定された。
ドイツの規制
- 1958年制定の競争制限禁止法に基づき市場支配力を有する事業者の規制が行われている。
| 概要 | 記述 |
|---|
| 市場支配的事業者 | 不当な価格要求を禁止 |
| 競争が不十分な場合 | 対価の相違の正当性を事業者が立証する責任 |
決定事項・制度変更
- 規制解除後も、独占または寡占の状況が生じないよう、旧一般電気事業者の地位濫用行為の禁止が提案された。
今後の予定・スケジュール
- 電気料金の不当な値上げが生じないよう、事後監視を行い必要な情報収集を行う。
- 監視期間は経過措置解除後約3年間とし、合理的でない価格の値上げが認められた場合はさらに延長される可能性がある。
その他の重要事項
- 新たに施行される改正民法(平成32年4月施行)に基づく、定型約款の変更に関して特別な配慮が必要とされる。
電気料金等の事後監視に関する基本的な考え方
目的
- 電気料金自由化に伴い、消費者の利益を保護し、電気事業の健全な発達を図ることを目的とする。
監視対象
- 旧一般電気事業者を対象とし、市場における有力な地位を利用した不当な行為を監視する。
監視内容
- 監視すべき行為は以下の通り:
- 他の事業者に比べて著しく不利な料金を求める行為
- コストを不当に上回る対価を要求する行為
情報収集方法
- 行政が旧一般電気事業者に対して報告徴収を行い、以下の情報を定期的に収集する:
監視対象の契約
- 事後監視の対象は、最も利用者の多い契約(例:従量電灯Bに相当する契約)を考慮する。
課題
- 料金メニューの多様化により、全てのメニューについて事後監視を行うのは困難である。
参考: イギリス、ドイツの運用実務
イギリスの事例
- Ofgemによる競争状況調査の観点があり、自由料金との価格差や市場の競争状況が評価されている。
ドイツの事例
- ドイツ競争制限禁止法に基づく市場支配地位の評価が行われており、現在の市場では競争が有効に機能しているとされている。