ガス導管事業者の平成29年度収支状況に関する報告書
資料の目的・背景
本資料は、一般ガス導管事業者及び特定ガス導管事業者における効率化と託送料金の低廉化、さらに高品質なガス安定供給の両立を促進することを目的としている。特に、平成29年度のガス導管事業者の収支状況の事後評価とその結果を報告している。
趣旨
- ガス導管事業者の収支状況を評価
- 経済産業大臣及び経済産業局長への回答に関する審議を行う
主要な検討内容・論点
1. 平成29年度収支状況の事後評価
- 電力・ガス取引監視等委員会の料金審査専門委員会によって収支状況が評価された。
- 収支状況の詳細は資料5-1および資料5-2に記載。
2. 経済産業大臣及び経済産業局長への回答
- 対象事業者6社(仙南ガス、のしろエネルギーサービス、東部液化石油、下仁田町、魚沼市、筑後ガス圧送)について、平成29年度終了時点での超過利潤累積額が基準を超過したことを報告。
- これら事業者について、2020年4月1日までに託送供給料金の改定届出が行われない場合は、経済産業局長から変更認可申請命令を行うべきとされた。
重要な数値・データ
平成29年度の収支状況分析
- 対象事業者数: 224社
- 評価対象事業者: 143社
- 超過利潤が一定水準を超過した事業者: 6社
収益状況
| 収益状況 | 事業者数 |
|---|
| 収益が想定収益を上回った | 50社 |
| 収益が想定収益を下回った | 31社 |
課題・リスク
- 一部の事業者で想定以上の利益が上がっていることが問題視されており、今後の料金改定に影響を及ぼす可能性がある。
- 収支の評価は制度改正に伴う複雑な要因に影響を受けるため、透明性と公平性が求められる。
今後の予定・取り組み
- 各ガス導管事業者の料金改定に向けた準備状況をフォローアップし、持続可能な収支管理と効率化を推進する。
- ガス導管事業者の効率化を促進するための体制の検討及び改善策の実施が重要とされる。
提言
- 効率化の取り組みを全社で横展開し、成功事例を他の事業者に広めることが求められる。
- 精緻な収支管理が不可欠であり、次年度以降も引き続き分析を行い、ガス導管事業者への質の高いサービス提供を目指す。
料金審査専門会合の開催実績
電力・ガス取引監視委員会の料金審査専門会合の開催実績は以下の通りである。
| 回数 | 日付 | 主な内容 |
|---|
| 第1回 | 2018年10月25日 | 事務局説明①(評価の進め方案、収支状況) |
| 第2回 | 2018年12月12日 | 事務局説明②(収支状況、内管工事) |
| 第3回 | 2019年1月15日 | 事務局説明③(制度改正、効率化)、事業者説明 |
| 第4回 | 2019年2月18日 | 事務局説明④(収支状況、安定供給、内管工事) |
| 第5回 | 2019年3月15日 | 事後評価とりまとめ案の検討 |
委員名簿
座長
委員
- 北本 佳永子(EY 新日本有限責任監査法人 シニアパートナー)
- 園尾 雅則(SMBC 日興証券株式会社 マネージング・ディレクター)
専門委員
- 男澤 江利子(有限責任監査法人 トーマツ パートナー)
- 梶川 融(太陽有限責任監査法人 代表社員・会長)
- 辰巳 菊子(公益社団法人 日本消費生活アドバイザー協会 代表)
常任顧問
- 東條 吉純(教授、立教大学法学部)
- 華葉 良介(シニア・パートナー&マネージング・ディレクター、ボストンコンサルティンググループ)
- 松村 敏弘(教授、東京大学社会科学研究所)
- 南 賢一(パートナー、西村あさひ法律事務所)
オブザーバー
- 河野 康子(前事務局長、一社 全国消費者団体連絡会)
- 大内 博(主席調査役、日本商工会議所)
- 太田 哲生(課長、消費者庁消費者調査課)
- 下村 貴裕(室長、資源エネルギー庁 電力・ガス事業部政策課)
ガス導管事業者の収支状況等の事後評価
背景
- 2018年9月26日に経済産業大臣から意見が求められ、2018年9月27日に評価が決定された。
評価の趣旨
- ガス導管事業者の効率化・託送料金の低廉化と質の高いガス安定供給の両立を目指す公開評価が行われ、内管工事の効率化も評価対象。
対象事業者と評価内容
- 対象事業者: 143社(一般ガス導管事業者126社、特定ガス導管事業者17社)
- 評価項目:
- 託送収支の状況
- 効率化に向けた取組状況
- 安定供給確保への取組状況
- 内管工事の取組状況
超過利潤とその要因分析
超過利潤の状況
平成29年度において営業収益の5%以上の超過利潤が発生した事業者は22社。
| 事業者名 | 超過利潤の比率 | 収益増の要因 | 費用減の要因 |
|---|
| 魚沼市 | 37.8% | 大口への供給量の増加 | 費用見積もり誤差 |
| 下仁田町 | 32.8% | - | 労務費等の減少 |
| 長南町 | 30.7% | - | 労務費等の減少 |
超過利潤の今後の見通し
- 超過利潤が継続的に発生する可能性のある事業者に対して、料金改定が求められている。
各社の費用状況(平成29年度)
1. 全体的な費用状況
- 平成29年度の実績費用が想定原価を上回った事業者は50社、下回った事業者は31社であった。
平成29年度実績費用と想定原価のずれ(率)
| 実績費用 \ 想定原価 | 社数 |
|---|
| 20%以上 | 5社 |
| 10%〜20% | 8社 |
| 5%〜10% | 9社 |
| 0%〜5% | 28社 |
2. 比較査定対象ネットワーク費用
- 労務費等の比較査定対象ネットワーク費用は、想定原価より上振れした事業者が多数存在している。
| 実績費用 > 想定原価 | 社数 |
|---|
| 20%以上 | 12社 |
| 10%〜20% | 10社 |
| 5%〜10% | 13社 |
| 0%〜5% | 4社 |
| 計 | 44社 |
3. 個別査定対象ネットワーク費用
- 設備投資関連費用等の個別査定対象費用は、想定原価より下振れした事業者が多かった。
| 区分 | ずれ | 社数 | 合計 |
|---|
| 実績費用 > 想定原価 | 20%以上 | 3社 | 22社 |
| 10〜20% | 4社 | |
| 5〜10% | 6社 | |
| 0〜5% | 9社 | |
| 実績費用 < 想定原価 | 50 | 16社 | 48社 |
4. 事業者間精算費の状況
- 平成29年度より、複数事業者の導管を通過する場合のガス導管事業者間精算費が新たに導入された。
| 区分 | 内訳 | 件数 | 計 |
|---|
| 実績費用 > 想定原価 | 100以上 | 2社 | 28社 |
| 20100 | 5社 | |
| 1020 | 5社 | |
| 510 | 4社 | |
| 5 | 12社 | |
5. 今後の評価と課題
- 制度導入初年度であることから、今後の評価には次年度以降の実績を踏まえた分析が必要である。
効率化取組の横展開の促進に向けた方策
目的
中小事業者を含めた各ガス導管事業者の効率化を促進するため、電力・ガス取引監視等委員会事務局が実施すべき方策について記述する。
主要な取組内容
-
効率的取組の情報共有
- 大手3社の先進的で効率の高い取り組みを具体的にまとめ、公表することで他事業者が自主的に取り入れるよう促す。
-
技術的サポートの依頼
- 技術的サポートを日本ガス協会に依頼し、横展開を促進する。
横展開が期待される取組の例
- 計測機器等の点検・部品交換頻度の見直し
- 工法の工夫
- 業務効率化の取組
- 行政との交渉
ガス導管事業者の評価と効率化促進に関する検討内容
1. ガス導管事業者の事業実施状況の評価
料金審査専門会合における主な指摘事項
- 導管投資に関する評価指標の整理
- 天然ガス利用拡大を踏まえた導管投資の見直し
2. ガス導管事業者の効率化を促進する仕組みの検討
- 日本ガス協会への技術的サポートを依頼。
- セミナー及び情報交換会の開催。
3. 各社の効率化取り組み
- 業界全体の効率化を図るため、日本ガス協会が中心役を果たす。
まとめ
この資料は、ガス導管事業者の平成29年度の収支状況および評価内容を詳細に示している。特に、超過利潤が発生している事業者とその対応が求められる現状が強調されている。また、効率化のための取り組みの横展開が必要であり、全体の収支改善が期待されている。