平成29年度は、超過利潤累積額によるストック管理、想定単価と実績単価の乖離によるフロー管理のいずれも、値下げ命令の発動基準に達した事業者はなかった。東京電力PGにも廃炉等負担金を踏まえた厳格基準が適用されたが、基準未達であり、託送供給約款の変更認可申請を命ずる必要はないとの回答案が示された。経済産業大臣への回答は委員会で審議する段階である。
実績収入は需要減少などにより6社で想定原価を下回り、実績費用は人件費・委託費等の増加を主因に7社で想定原価を上回った。結果として、中部・九州を除く8社が当期欠損となった。人件費・委託費等は東京以外の9社で想定超過し、うち6社は10%以上上回った一方、設備関連費は東北・沖縄以外の8社で想定を下回った。東京・九州では修繕費減少などにより設備関連費が10%以上低かったが、一部では修繕・更新の繰延べも確認された。
各社は他社の取組導入や新規施策を進めており、一定の費用削減努力が確認された。一方、東京電力PG以外では、効率化の実績・目標・見通しの説明が具体性や定量性に欠ける点が課題とされた。東京電力PGは2018年度に2016年度比500億円、2025年度に同1,500億円の託送原価削減目標を掲げ、中部電力との情報共有で作業工数を75%短縮した実績を示した。
調達面では、競争発注比率は全体として上昇傾向にあるが、直近は70%超の事業者群と30~50%程度の群に分かれ、北海道・中部・中国・四国・九州では配電工事の比率が低い。仕様統一では、全10社の作業会設置、架空送電線の線種集約、154kV地中ケーブルの標準規格案などが進行中である。単位当たりコスト分析では、中部の鉄塔・コンクリート柱、東北・沖縄の架空送電線などで相対的に高い可能性が示されたが、工事条件等の差を考慮した分析であり、海外比較も法規制・設備条件の違いから単純比較はできない。
平成29年度の設備更新は概ね計画どおりだったが、計画と実績に10%以上の差がある設備もあり、巡視・点検結果、工事調整、再エネ連系工事の増加、収支状況を踏まえた時期変更などが要因として挙げられた。委員会は、グループ全体の収支に左右されず必要な修繕・投資を行い、劣化診断、工事平準化、延伸化やIoT・AIを使った資産管理を通じて、安定供給と料金抑制を両立するよう求めた。
停電回数・時間は大規模災害を除き低水準で安定していた。接続検討の標準処理期間超過率は全10社平均23%で、東京・東北・北海道・九州は平均を上回った。託送量の通知遅延・誤通知はいずれも平均0.02%、託送料金の請求遅延は2.74%、誤請求は0.05%であり、システム改修等の改善が進められている。
一般送配電事業者には、需要家・系統利用者に対して効率化の姿勢と成果を具体的・定量的に説明する責任がある。来年度以降、サービス水準を多角的に測る指標と情報開示の枠組みを検討する方針である。また、必要投資の促進と効率化を両立する託送料金制度について、本評価の知見を料金審査・事後評価の見直しに活用して検討する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「[平成29(2017)年度 一般送配電事業者の収支状況等の事後評価 とりまとめ]」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_emsc.html)をもとに当社作成
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