沖縄電力の電気料金値上げ申請について
1. 資料の背景
本資料は、沖縄電力株式会社が2022年12月7日に作成した電気料金の値上げ申請に関するものである。沖縄電力は地域社会の成長発展を支えることを使命としており、低廉な電気を安定的に提供することに努めている。
2. 値上げの理由
沖縄電力は、以下の理由により電気料金の値上げを申請する決定に至った。
- 資源価格の高騰: ウクライナ情勢による燃料価格の上昇
- 為替の円安進行: 燃料費や他社購入電力料が急激に増加
- 財務状況の悪化: 燃料費調整額の算定に用いる平均燃料価格が調整の上限を超過
この状況に対処するために、沖縄電力は「緊急経営対策委員会」を設置し、規制料金を含む値上げを検討した。その結果、経営合理化を徹底する前提で値上げをお願いすることに至った。
「苦渋の決断ではありますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。」
3. 値上げの概要
沖縄電力は、以下の通り値上げを予定している。
- 施行日: 2023年4月1日
- 規制部門の値上げ率:
- 自由化部門の値上げ率: 37.91%
この値上げにより、平均して622億円の収入不足を解消する見込みである。
4. 経営状況
2022年度の個別業績見積は485億円の経常損失が予想されており、これは直近9年間の経常利益累計に相当する。
収支の推移(億円)
| 年度 | 経常収益 | 経常費用 |
|---|
| 計画 | 2,134 | 2,619 |
| 見積 | 1,548 | - |
| 赤字 | - | -485 |
財務状況
2022年度以降、現行の料金水準を維持した場合、純資産が資本金を下回る見通しであり、資金調達にも支障をきたす恐れがある。
| 年度 | 純資産(億円) | 有利子負債(億円) | 自己資本比率 |
|---|
| 2020年度実績 | 1,421 | 1,805 | 36% |
| 2021年度実績 | 1,389 | 1,972 | 34% |
| 2022年度見通し | 793 | 2,817 | 21%程度 |
5. 原価算定の前提
原価算定にあたっては、以下の前提が考慮されている。
- 販売電力量の減少
- 燃料価格と為替レートの上昇
- 発受電電力量の変化
原価算定の比較
| 比較項目 | 2023〜2025平均 | 前回改定時(2008年) | 差異 |
|---|
| 想定電力量 (百万kWh) | 6,042 | 6,381 | -339 |
| 為替レート (円/$) | 137.1 | 107.0 | +30.1 |
| 原油 ($/bbl) | 113.1 | 93.0 | +20.1 |
| 石炭 ($/t) | 378.5 | 82.7 | +295.8 |
| LNG ($/t) | 1,041.9 | - | +1,041.9 |
6. 規制部門・自由化部門の原価および収入
6.1 規制部門
- 規制部門の原価は3年平均で約830億円
- 現行の料金による収入は約577億円
- 最大限の経営効率化を織り込んだ場合、年平均不足額は約253億円
- 規制部門では**43.81%**の値上げが提案されている。
収入と原価の比較(規制部門)
| 項目 | 金額 (億円) |
|---|
| 燃調上限超過分 | 265 |
| 不足額 | 253 |
| 低減額 | 12 |
| 発電および販売に係る原価 | 830 |
| 現行 諸送料金相当 | 193 |
6.2 自由化部門
- 自由化部門の原価は3年平均で約1,340億円
- 現行の料金による収入は約971億円
- 最大限の経営効率化を織り込んだ場合、年平均不足額は約369億円
- 自由化部門では**37.91%**の値上げが提案されている。
収入と原価の比較(自由化部門)
| 項目 | 金額 (億円) |
|---|
| 燃調上限超過分 | 396 |
| 不足額 | 369 |
| 低減額 | 27 |
| 発電および販売に係る原価 | 1,340 |
| 現行 設送料金相当 | 245 |
7. 値上げの影響
7.1 低圧
- 従量電灯に契約している平均的なお客様の使用量260kWhでの値上げ率は約39%
- 低圧電力の平均的使用量は**約33%**の値上げが見込まれる。
値上げ影響(低圧電力)
| 契約種別 | 契約電力 | 1か月の使用量 | 現在月額 | 値上げ後月額 | 値上げ額月額 | 値上げ率 |
|---|
| 従量電灯 | | 260kWh | 8,847円 | 12,320円 | 3,473円 | 39.3% |
| 低圧電力 | 8kW | 560kWh | 22,738円 | 30,219円 | 7,481円 | 32.9% |
7.2 高圧
- 高圧の主な契約メニューでの値上げ影響は以下の通りである。
値上げ影響(高圧電力)
| 契約種別 | 契約電力 | 1か月の使用量 | 現在月額 | 値上げ後月額 | 値上げ額月額 | 値上げ率 |
|---|
| 500kW未満の業務用電力 | 90kW | 約16,200kWh | 約51万円 | 約72万円 | 約21万円 | 40.7% |
| 500kW以上の業務用電力 | 700kW | 約150,500kWh | 約456万円 | 約650万円 | 約194万円 | 42.6% |
8. 規制部門に係る供給条件の主な変更
供給条件については、一部変更を予定している主な項目は以下の通りである。
| 項目 | 概要 |
|---|
| 託送供給に係る供給条件の明確化 | 託送供給等約款の規定を参照して明確化 |
| 離島ユニバーサルサービス調整の導入 | 沖縄本島と離島を区分して算定 |
| 臨時電力における力率決定方法の変更 | 力率の決定方法を協議から平均力率へ変更 |
| 保証金利息の廃止 | 保証金に対する利息を廃止 |
| 従量電灯の特別措置の廃止 | 共同住宅における特別措置を廃止 |
| 事務所掲示の廃止 | 再生可能エネルギー賦課金単価等の掲示を廃止 |
この資料では、規制部門および自由化部門の原価と収入の概要、および電気料金改定に関する詳細情報が示されており、値上げが実施される背景や具体的な影響についても説明されている。今後の対応が求められている。