中国電力株式会社の料金値上げ申請に関する資料説明
本資料は、中国電力株式会社が2022年12月7日に提出した「電気特定小売供給約款料金の値上げ申請」に関するものであり、その内容と背景を詳細に説明する。
1. 資料概要
- 提出者: 中国電力株式会社
- 提出日: 2022年12月7日
- 申請内容: 電気特定小売供給約款料金の値上げ
2. 収支・財務の状況
2.1 経済環境の影響
- 原子力発電所の長期稼働停止や電力小売全面自由化に伴う競争の影響
- 燃料価格や市場価格の高騰を受け、2022年度は過去最大の赤字が見込まれる
- 自己資本比率の低下が続き、電力供給のための燃料調達や設備の更新・修繕に支障が出る可能性あり
2.2 経常利益と自己資本比率の推移
- 経常利益が赤字であり、自己資本比率の推移が特に重要な指標となる
3. 燃料費調整の状況
3.1 燃料費調整の限界超過
- 2022年12月分の料金において燃料費調整の上限を約10円/kWhで超過
- お客様が負担する料金の約3割に相当する見込み
- 2023年度における負担は450億円程度となる見通し
3.2 燃料費調整単価の推移
| 月 | 単価 (円/kWh) |
|---|
| 3月 | 2.98 |
| 4月 | 3.32 |
| 5月 | 3.55 |
| 6月 | 3.83 |
| 7月 | 4.96 |
| 8月 | 6.39 |
| 9月 | 8.57 |
| 10月 | 10.51 |
| 11月 | 11.92 |
| 12月 | 13.05 |
4. 値上げ申請の概要
4.1 総原価
- 2023~2025年度の原価を算定し、635億円のコスト削減効果を反映
- しかし、燃料価格上昇により、申請原価の総額は現行原価と比べて2,963億円増加
申請原価と現行原価の比較
| 項目 | 申請原価 (A) | 現行原価 (B) | 差引 (A-B) |
|---|
| 人件費 | 291 | 457 | 166 |
| 燃料費 | 5,468 | 2,910 | 2,558 |
| 修繕費 | 488 | 438 | 51 |
| 資本費 | 1,228 | 793 | 435 |
| 減価償却費 | 701 | 525 | 176 |
| 事業報酬 | 527 | 268 | 259 |
| 購入電力料 | 4,868 | 1,710 | 3,158 |
| 公租公課 | 308 | 255 | 53 |
| 原子力バックエンド費用 | 114 | 102 | 12 |
| その他経費 | 783 | 661 | 122 |
| 販売電力料 | 2,248 | 263 | 1,985 |
| 控除収益 | 282 | 92 | 190 |
| 送配電関連費 | 2,169 | 3,253 | 1,084 |
| 合計 | 13,187 | 10,224 | 2,963 |
4.2 規制部門の原価
- 規制部門の原価は3か年平均で1,365億円に達し、1,039億円の収入見込みと比べて326億円の不足が発生する見込み
- そのため、2023年4月から平均**8.61円/kWh(31.33%)**の値上げ申請を行う
5. 原価算定の概要
5.1 前提諸元と発受電力量
- 販売電力量は161億kWh減少
- 原油、天然ガス、石炭の価格上昇及び為替レートの影響を受けている
原価算定の前提諸元
| 指標 | 申請原価A | 現行原価B | 差引AB |
|---|
| 販売電力量 (億kWh) | 468 | 629 | 161 |
| 原油CIF ($/b) | 113.1 | 93.0 | 20.1 |
| LNGCIF ($/t) | 1,041.9 | 543.3 | 498.6 |
| 石炭CIF ($/t) | 378.5 | 82.7 | 295.8 |
| 為替レート (円/ $) | 137.1 | 107.0 | 30.1 |
6. その他の要素
6.1 経営効率化の取り組み
- 635億円のコスト削減を計上。入手コストの低減や業務の見直しを行った
- 人件費の抑制を目的として、役員報酬の削減や人員の調整を実施し、291億円に抑制
6.2 設備投資
- 現行原価と比べ625億円の増加が見込まれるが、安全対策や再生可能エネルギーの拡充に向けて進められる
7. 原価の内訳
7.1 公租公課
- 公租公課は現行原価と比較して53億円増加し、308億円となった
公租公課の内訳 (億円)
| 項目 | 申請原価 (A) | 現行原価 (B) | 差引 (A-B) |
|---|
| 水利使用料 | 13 | 12 | 0 |
| 固定資産税 | 112 | 78 | 34 |
| 事業税 | 95 | 84 | 11 |
| 法人税等 | 70 | 65 | 5 |
| 雑税 | 19 | 17 | 2 |
| 合計 | 308 | 255 | 53 |
7.2 原子力バックエンド費用
- 原子力バックエンド費用は12億円増加し、114億円となった
原子力バックエンド費用の内訳
| 項目 | 申請原価 (A) | 現行原価 (B) | 差引 (A-B) | 備考 |
|---|
| 使用済燃料再処理等拠出金発電費 | 68 | | 68 | 制度見直し |
| 特定放射性廃棄物処分費 | 19 | 25 | 5 | |
| 当期発電分 | 19 | 12 | 8 | |
| 原子力発電施設解体費 | 26 | 26 | 0 | 制度見直し計上ルール変更 |
| 合計 | 114 | 102 | 12 | |
7.3 その他経費と控除収益
- その他経費は122億円増加し、783億円になり、主な要因は原子力の安全対策に関する委託費や支援機構負担金
- 控除収益は190億円増加し、282億円となった
その他経費の内訳 (億円)
| 項目 | 申請原価 (A) | 現行原価 (B) | 差引 (A-B) |
|---|
| 廃棄物処理費 | 137 | 97 | 40 |
| 消耗品費 | 22 | 19 | 4 |
| 委託費 | 299 | 175 | 124 |
| その他 | 18 | 3 | 21 |
| 合計 | 783 | 661 | 122 |
控除収益の内訳 (億円)
| 項目 | 申請原価 (A) | 現行原価 (B) | 差引 (A-B) |
|---|
| 電気事業雑収益 | 258 | 78 | 180 |
| 合計 | 282 | 92 | 190 |
8. 効率化施策
- 調達コストの低減や業務効率化を通じた原価削減の取り組みを進めている
9. 原価不算入項目
- 販売促進やイメージ広告等に係る普及開発関係費:▲45億円
- 寄付金・団体費等の諸費:▲15億円
本資料は、電気特定小売供給約款の料金についての詳細を示し、料金値上げの背景や必要性を理解するための情報を提供するものである。