資料の概要
本資料は、送配電網の維持・運用費用の負担の在り方について検討するものであり、第10回送配電網維持・運用費用の負担に関する検討WG(ワーキンググループ)での議論を基にしている。主に、経済産業省が定義する「送配電関連設備に係る費用の利用者間の負担」に関連する課題と検討すべき論点を整理している。
資料の構成
- 送配電関連設備に係る費用の利用者間の負担に関する課題と論点
- 参考資料
検討内容
課題と論点
- 送配電関連設備の利用: 一般送配電事業者は、小売事業者に対して托送供給を、発電事業者に対して電力量調整供給を行っている。
- 費用の負担構造:
- 通常、送配電関連設備費用は、加入的小売事業者が一律に基本料金や従量料金で負担する。
- 発電事業者が負担する特定負担は除かれる。
具体的な課題:
- 基幹系統に係る送配電関連費用が、発電事業者の電源開発によって上昇する可能性。
- 特定発電設備設置者が受益する場合に、特定負担が自然変動電源に対して大きくなり、再生可能エネルギーの促進を阻害する可能性。
具体的な検討すべき論点
- A)発電事業者の特定負担軽減の適切性、およびその場合の「負担を誰が負うか」の整理。
- B)一般負担による基幹系統等の増強に対する発電事業者による特定負担(発電側課金)の追加。
制度設計の選択肢
第6回WGで整理した「検討すべき論点」を踏まえ、以下の要素に基づいて制度設計の選択肢が検討されている。
費用負担構造の考え方
- 送配電関連設備の利用類型: 小売事業者から発電所へ受電し、需要家に供給する託送供給の構造。
- 発電者が負担する費用の範囲の考え方。
費用と受益の関係性
| 提案する案 | 説明 |
|---|
| 案1 | アンシラリー関連 |
| 案2 | 案1 + 基幹系のコスト |
| 案3 | 案1 + 送電費および受電用変電サービス費の一定割合 |
| 案4 | 発電事業者へのインセンティブを考慮 |
電力需要の動向に応じた固定費回収方法
課題と基本的な考え方
-
固定費の基本料金回収率の向上に向けた具体的な方法の検討が必要である。
-
現状と課題:
- 送配電網関連費用の約**80%**は固定費が占めている。
- 現行の託送料金では、基本料金回収は約**30%**であり、残りは需要に基づく従量料金で回収されている。
-
今後の懸念事項:
- 需要減少や自家発電の普及によって、固定費の回収不足や不公平が生じる可能性がある。
インセンティブの検討
- 需要家に対して、効率的なネットワーク利用を促すインセンティブの導入が必要である。
- 発電事業者に対しては、kWに応じた発電基本料金の設定が提案されている。
- 小売事業者からの回収率向上を通じて、送配電事業者の収入変動リスクを緩和することが期待される。
小売料金への影響
- 小売料金の従量料金が低減すると、以下の影響が考えられる。
- 需要家の省エネインセンティブが損なわれる。
- 基本料金の上昇により負荷平準化のインセンティブが働く可能性もある。
基本料金での固定費回収率の向上に関する提案
以下の方法について慎重に検討する必要がある。
-
発電事業者:
- 発電側基本料金を導入する場合、送配電関連費の一部を発電側で負担する。
-
小売事業者:
- 基本料金回収率を引き上げる場合、固定費率を踏まえた検討が必要である。
統合イメージ
以下の料金設定が提案されている。
| 現行料金 | 検討の方向性 |
|---|
| 託送料金 | 利用量(kWh)ベースの課金中心 | 利用量(kWh)ベースの課金中心 |
| 発電側基本料金 | なし | kWベースの課金 |
| 需要家の負担 | 既存の負担 | 発電側基本料金導入後の負担 |
このように、固定費の回収方法の改善は電力供給の安定性を確保するためには不可欠な施策である。
まとめ
本資料では、送配電関連設備に係る費用の利用者間の負担についての課題や論点を整理しており、特に発電事業者の負担適正化と再生可能エネルギーの促進に関する議論が中心である。今後は、具体的な制度設計の選択肢を基に、更なる検討を進める必要がある。