調整力公募調達に関する資料の説明
資料の目的・背景
本資料は、経済産業省が調整力の公募調達に関する実施状況や問題点を明らかにし、改善策についての議論を促進することを目的としている。特に、発電業者、小売業者、および需要応答(DR)事業者に対するアンケート調査の結果に基づき、調整力公募に関する課題と今後の運用について検討する。
主要な検討内容・論点
調整力公募の現状
- 公募調達においては、旧一電(発電・小売部門)以外からの応札・落札が少ない傾向にある。
- アンケート調査を実施し、以下の点について意見を収集した。
- 現在の公募調達における課題
- 電源I揚水の運用に関する議論
公募調達の経緯
以下の表に、公募調達に関連する主要な出来事を示す。
| 年月 | 主要な出来事 |
|---|
| 平成28年7月 | 公募調達に対する考え方を策定 |
| 平成29年10月 | 第1回公募調達の実施(平成29年度向け) |
| 平成30年10月 | 第2回公募調達の実施(平成30年度向け) |
調整力の公募調達の概要
-
電源I
- 一般送配電事業者が必要量を明示し、落札事業者に対して契約容量に応じたkW価格を支払う。
- 調整指令に基づいて発電を行った場合、発電量に応じたkWh価格を支払う。
-
電源II
- 小売電源のゲートクローズ後に余力を利用し、必要量は明示せず契約する。
- 調整指令による発電量に応じたkWh価格のみ支払われ、kW価格は支払われない。
平成30年度向け調整力公募の概要
募集区分
公募における電源の種類と条件は以下の通りである。
-
電源 I
- I - a: 発動時間5分以内、周波数制御機能あり、最低容量10,000kW
- I - b: 発動時間15分以内、周波数制御機能なし、最低容量10,000kW
- I’: 発動時間3時間以内、周波数制御機能なし、最低容量1,000kW
-
電源 II
- II - a: 発動時間5分以内、周波数制御機能あり、最低容量10,000kW
- II - b: 発動時間15分以内、周波数制御機能なし、最低容量10,000kW
- II’: 発動時間1時間未満、周波数制御機能なし、最低容量10,000kW
募集量
公募において各電源のニーズに基づき必要量を設定し、その具体的な募集量は以下の通りである。
| 電源 | 北海道 | 東北 | 東京 | 中部 | 北陸 | 関西 | 中国 | 四国 | 九州 | 沖縄 |
|---|
| 電源 I-a | 36.0 | 93.9 | 320.0 | 156.3 | 33.0 | 152.0 | 73.5 | 31.7 | 102.4 | 5.7 |
| 電源 I-b | - | 53.0 | 14.7 | 2.0 | 26.0 | - | - | 3.6 | - | 24.4 |
| 電源 I | - | 8.2 | 34.0 | 31.2 | - | 27.0 | - | - | 31.8 | - |
アンケート調査結果と改善要望
アンケート概要
- アンケートの目的は、調整力公募における新規参入促進のための課題を明らかにすることである。
- 調査対象は、小売電気事業者64社、発電事業者72社、DR事業者29社。
主な調査結果
- 応札が少ない理由として、以下の意見が多かった。
- 発電・小売業者が応札しない理由は、電源用途に決定権がないこと。
- 専用線オンライン設備がネックとの意見が多く見られた。
改善要望事項
以下の表に、寄せられた改善要望の内容を示す。
| 意見内容 | 詳細 |
|---|
| 募集要件 | 必要機能毎に電源区分を細分化すること |
| ペナルティ | 未達によるペナルティが厳しすぎるとの意見 |
| スケジュール | 公募スケジュールを前倒しすべきとの意見 |
| DRの需要家確保 | 応札後の需要家の重複が判明した場合の通知システム構築が必要 |
課題・リスク
- 旧一電以外の発電や小売の多くは、応札可能な電源が少なかったり、小売向けの供給を優先している。
- 専用線オンライン設備が応募の大きな障壁となっている。
今後の対応方向性
- 中長期的な視点で設備要件や応募要件を改善していくことが求められる。
- 旧一電以外の事業者が電源の活用について決定権を持つことを促進する政策が必要である。
本資料は、調整力公募に関する現状の把握と今後の改善方向性について重要な参考資料である。