電力・エネルギー分野の料金制度に関する資料
資料の目的・背景
この資料は、第6回料金制度WGにおける議論の一部を示しており、主に電力・ガスの料金制度に関連する意見や議論の振り返りが行われている。参加者の意見を交えながら、料金制度の改善に向けた検討を深めることを目的としている。
前回(第5回)料金制度WGの議論の振り返り
収入上限の算定方法に関する意見
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エスカレーション方法
- 松村委員は、賃金の大幅上昇に対する原価算入の必要性について合理的な整理がされていると評価。
- II合委員は、現状ではエスカレーションを入れないことが妥当であるとしつつ、将来的な状況変化への留意を指摘。
- 白銀オブザーバーは、インフレ等による費用変動の影響を事後的に確認し調整を提言。
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OPEX・CAPEXに関する意見
- 白銀オブザーバーは、高額案件の単価適正性について外部の知見を取り入れることの重要性を強調。
- 資源エネルギー庁の郷原オブザーバー代理は、OPEXの扱いを含む費用の評価と今後の検討の必要性を述べている。
利益(損失)の扱いに関する意見
- 案1(全額留保、翌規制期間に全額還元)がインセンティブになるとの意見がある一方で、案2(全額留保、半額持越・半額還元)がより効果的との意見も。
- 岩船委員と松村委員は事業者のインセンティブの充実を強調し、効率化施策に対するインセンティブの必要性を訴えた。
料金制度WGにおける検討の全体像
料金制度WGでは、以下の重要な論点について議論されている。
- 目標とインセンティブの設定
- 事業計画
- 収入上限の算定方法
- 実績収入と収入上限の乖離
- 利益(損失の扱い)
- 料金算定に係るルール
- その他
本日ご議論いただく論点
本日は、以下の論点についての検討が行われる予定である。
- 目標とインセンティブの設定
- 事業計画
- 収入上限の算定方法
- 実績収入と収入上限の乖離
- 利益(損失の扱い)
- 料金算定に係るルール
- その他
目標とインセンティブの設定
料金制度専門会合における議論を基に、以下のとおり目標とインセンティブが設定されることが妥当とされている。
| 分野 | 項目 | 目標 | インセンティブ |
|---|
| 安定供給 | 停電対応 | 実際の停電量が一定水準を上回らないこと | 収入上限の引き上げ引き下げ |
| 再エネ導入拡大 | 新規再エネ電源の早期かつ着実な連系 | 接続検討契約申込回答期限超過件数をゼロにすること | 収入上限の引き上げ引き下げ |
| 顧客満足度 | 顧客満足度の向上 | ステークホルダーとの協議を通じて目標設定し達成すること | リピュテーショナルインセンティブ |
目標設定の考え方
- 社会的便益を考慮した目標達成状況に基づいて、収入上限の引き上げ・引き下げを行うことが提案されている。
- 特定の設備拡充や保全に関する目標に未達成の場合は、翌規制期間の収入上限から減額する方法が検討されている。
参考: 停電対応における目標設定
停電対応については、以下のような目標の設定が提案されている。
- 実際の停電量が一定水準を上回らないこと。
- 停電要因の分類を考慮し、内生要因による事故停電のみを評価対象とすること。
各事業者の実績に基づいて評価が行われる。
新規再エネ電源の早期かつ着実な連系(目標設定)
目標設定の方針
新規再生可能エネルギー電源の早期かつ着実な連系について、以下の3項目を目標として設定する方向で議論されている。
- 目標①: 接続検討の回答期限超過件数をゼロにすること
- 目標②: 契約申込の回答期限超過件数をゼロにすること
- 目標③: 再エネ電源と合意した受電予定日からの遅延件数をゼロにすること(目標として設定しない方針)
目標③の議論
目標③に関して、過去5年間のデータでは訴訟等に発展したケースは無く、合意の上で供給予定日を変更するのが通例であるため、目標としては設定しないことが提案されている。
今後の検討事項
今後は「当初合意した受電予定日を変更した件数」など、より実態を把握できるデータの採録に向けた検討を進める方向が示されている。
| 目標 | 内容 |
|---|
| 目標① | 接続検討の回答期限超過件数をゼロにすること |
| 目標② | 契約申込の回答期限超過件数をゼロにすること |
| 目標③ | 再エネ電源と合意した受電予定日からの遅延件数をゼロにすること<br>(目標として設定しないこととする方針) |
接続検討・契約申込の回答期限超過件数(超過理由)
接続検討および契約申込の回答期限超過理由のうち、受付者都合(一般送配電事業者都合)の超過を以下の3区分に分類する。
-
受付者都合(申込集中):
- 同一地点や同一時期に申込が集中した結果、検討に時間を要した場合。
-
受付者都合(特殊検討・検討量大):
- 特殊検討が必要となるなど、検討量が多く時間を要した場合。
-
受付者都合(受付・検討不備):
新規再エネ電源の早期かつ着実な連系(具体的な評価方法)
評価方法の方針
目標の達成状況を踏まえたインセンティブ付与の評価を行う上では、横比較と縦比較の組み合わせが重要である。具体的には以下の方針が提案されている。
-
横比較:
- 事業者によって接続検討および契約申込の件数が異なるため、精緻な横比較は困難。
-
縦比較:
インセンティブ設定の提案
- ペナルティのみを設定し、ボーナスは設定しないことが提案されている。合理的理由により目標の未達成があった場合は評価に考慮する。
| 縦比較 | 横比較 | インセンティブ |
|---|
| 自社過去の実績を上回る場合 | 10社中4位以下 | ペナルティを付与 |
| 自社過去の実績を上回る場合 | 10社中3位以内 | インセンティブを付与しない |
| 自社過去の実績を上回らない場合 | 10社中4位以下 | インセンティブを付与しない |
事業計画の具体的な記載内容
本資料では、事業計画におけるOPEXやCAPEX、その他の費用に関する情報提供が求められている。具体的には以下の内容が含まれる。
1. OPEX(運営費用)の査定
- OPEXには、人件費、委託費などが含まれる:
- OPEX査定対象費用全体の見通し額
- 各費用の見通し額(年度毎)
- 見通し額の算定根拠(算定方法)
- 各費用の過去実績の推移
- 要員計画(要員数の見通し、人件費の見通し)
2. CAPEX(設備投資費用)の査定
- CAPEX費用で提出を求める事項:
- 減価償却費:
- 減価償却費の5年間の見通し額(送電、変電、配電等)
- 減価償却費の算定根拠
- 過去実績の推移
- 取替修繕費:
3. その他費用の妥当性確認
- その他費用について以下の详细事項の提出が求められる:
- その他費用全体の見通し額
- 各費用の見通し額(年度毎)
- 見通し額の算定根拠
- 各費用の過去実績の推移
- 修繕費については以下の追加情報が要求される:
- 査定分類ごとの修繕費見通し額(年度毎)
- 見通し額の算定根拠
- 過去実績の推移
4. 制御不能費用
- 制御不能費用の妥当性確認には以下の情報が求められる:
- 制御不能費用全体の見通し額
- 各費目ごとの見通し額(年度毎)
- 見通し額の算定根拠
- 各費目ごとの過去実績の推移
5. 投資計画の具体的な内容
- 設備拡充計画については、以下の事項が求められる:
- 拡充方針
- 工事の内容(件名一覧、工事目的、工事の計画概要、工期、投資金額の詳細)
今後の検討事項
- 各費用に関する査定方法や必要な資料については、今後の会議で具体的に検討し、議論する予定である。
まとめ
料金制度WGでは、料金制度の健全化に向けて多岐にわたる意見が交わされ、収入上限の算定方法やインセンティブの設定など、今後の制度設計に重要な論点が提起されている。この資料は、それらの議論の進展と方向性を示す重要な資料である。