本資料は、次世代の分散型電力システムに関する検討会における、2023年度の検討方針を示すものである。
2022年度の中間とりまとめを踏まえ、EV、DR対応機器、太陽光発電、蓄電池などの分散型リソースを電力システムで活用するため、以下の3つの検討軸に沿って、既存の論点と新たに追加された論点を検討する。
| 検討軸 | 主な内容 |
|---|---|
| 1. 分散型リソースの価値発掘 | EVやDR対応機器などが電力システムに提供できる価値を明らかにする |
| 2. 分散型リソースの価値評価 | 分散型リソースの系統への貢献を定量化・評価する方法を検討する |
| 3. 分散型システム構築 | 既存の電力系統と分散型システムを補完・共存させる仕組みを検討する |
電力業界、自動車業界などが共同で検討する場として、EVグリッドワーキンググループを新設した。第1回会合は2023年5月29日に開催され、26社が参加している。
参加者には、自動車メーカー、充電器メーカー、電力会社、商社、アグリゲーターなどが含まれる。
具体的には、以下の事項を検討する。
2024年度から省エネ法で運用開始予定の、高度なDR実績、すなわちDR実施量の評価方法を検討する。
昨年度に整理した評価方法を試行し、その結果と、関連審議会で対象業界にヒアリングした結果を踏まえて、本検討会で評価方法を精査する。その後、関連審議会に具申する方針である。
主な検討事項は以下のとおりである。
DRは、次のような場面で活用できると整理されている。
これまで資源エネルギー庁は、節電プログラム促進事業などを通じて、特に**インセンティブ型DR(ネガワット取引)**を促進してきた。
2023年度は、上げDRも含めてDRをさらに推進するため、日本の市場環境・制度に適したDRの在り方や、具体的なDRメニューを検討する。
| DRの類型 | 仕組み |
|---|---|
| 電気料金型DR | ピーク時などの電気料金を高くすることで、需要家に電力需要の抑制を促す |
| インセンティブ型DR | あらかじめ節電契約を結び、電力会社の依頼に応じて節電した場合に対価を支払う |
海外では電気料金型DRが普及している国もあるため、以下を調査・検討する。
2026年度からの低圧リソースの需給調整市場への参入開始に向け、詳細な制度設計を進める。
低圧リソースは数万以上に及ぶ可能性があるため、複数のリソースをまとめて一つのリソース群として扱う群管理手法が重要となる。
現在の需給調整市場は、高圧以上の大規模リソースの参加を前提としており、登録数にも上限がある。
| 登録対象 | 現行の登録上限 |
|---|---|
| ポジ | 999件 |
| ネガ | 9,999件 |
| リスト・パターン | 20パターン |
このため、低圧リソースを大量に扱うための具体的なシステムや業務フローを、今後さらに検討する。
これらを整理することで、需給調整市場に参入できるリソースのさらなる増加につなげるとしている。また、不正対策方法などを踏まえ、低圧リソースへの機器個別計測の適用可否も検討する。
資源エネルギー庁は、分散型リソースを束ね、供給力や調整力として活用する事業の普及を目的として、以下のガイドラインを策定している。
| ガイドライン | 策定年 | 主な内容 |
|---|---|---|
| ERABガイドライン | 2015年 | 制御量の評価方法、ベースラインの計算方法等 |
| ERABサイバーセキュリティガイドライン | 2017年 | サイバーセキュリティ対策 |
これらは、アグリゲーター等が分散型リソースを活用して電力取引を行う際の基本的な指針であり、取引実態を踏まえて随時改正されてきた。
今後、低圧リソースの市場参入が拡大することを踏まえ、現在の取引ルールが適切かを改めて精査する。
2025年度から導入予定の次世代スマートメーターでは、EV充電器や太陽光発電のパワーコンディショナーなど、需要家側の個別リソースのデータを収集できるようになる。
これにより、需要家の電力使用量を機器ごとに測り分けることが可能となる。想定されるサービスには、以下がある。
これらの新たな取引を実現するため、以下の制度を整理する。
2020年の電気事業法改正により、一定のルールの下で、パワーコンディショナーやEV充電器などを特例計量器として電力取引等に活用できる「特定計量制度」が盛り込まれた。
届出を行った事業者には、以下が求められる。
一方、届出を行った取引等については、計量法の規定が一部適用除外となる。これにより、計量法に基づく検定付きメーターを設置しなくても、特例計量器を用いた電力量の取引が可能となる。
資料では、次のような取引への活用が示されている。
2022年度の検討会では、再生可能エネルギーの増加などに伴う配電系統の混雑を解決する選択肢の一つとして、分散型リソースの活用を整理した。
その基礎となる取組として、NEDOがDERフレキシビリティ技術の開発・実証を進めている。2024年度のフィールド実証、すなわち先行的な取引の実施を目指し、要素技術の開発・検証を行っている。
本検討会では、実証のフォローアップを行いながら、着実な実施を促す。また、必要に応じて関連制度も検討する。
これらの情報を活用し、DERによる系統潮流の制御を通じて、設備増強の回避・延期と再生可能エネルギーの増加を目指す。
本検討会では、課題解決を第一に掲げ、各論点について詳細な議論を進める方針である。
2023年度は、以下の7論点について、6月、8月頃、秋頃、冬頃に検討を進める予定である。
| 論点 | 2023年度の進め方 |
|---|---|
| EVとグリッドの統合 | 年度を通じて検討 |
| 省エネ法におけるDR評価 | 年度を通じて検討 |
| DR促進策 | 年度を通じて検討 |
| 低圧リソース・機器個別計測 | 年度を通じて検討 |
| ERABガイドライン等の見直し | 年度を通じて検討 |
| 次世代スマートメーターの取引ルール | 年度を通じて検討 |
| DERフレキシビリティ | 年度を通じて検討 |
検討会は年間4~5回程度開催し、電力・ガス基本政策小委員会やEVグリッドワーキンググループ等と連携して議論を進めるとしている。
本資料では、分散型リソースの活用を、単一の制度や技術ではなく、相互に関連する複数の取組として整理している。
2023年度は、これらの取組を並行して検討し、分散型リソースの価値を発掘・評価するとともに、既存の電力系統と分散型システムを補完・共存させるための制度や運用の具体化を進める方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「今年度の進め方について:(次世代の分散型電力システムに関する検討会)」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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