本資料は、日本の市場環境や制度を踏まえたDR(ディマンドリスポンス)の在り方および具体的なDRメニューを検討するため、海外における電気料金型DRの取組事例を調査したものである。
検討は、以下の流れで進められている。
DRとは、需要家側のエネルギーリソースを制御し、電力需要のパターンを変化させる取組である。電力需要を増加または減少させることで、次のような場面での活用が期待されている。
これまで資源エネルギー庁は、節電プログラム促進事業などを通じて、特に**インセンティブ型DR(ネガワット取引)**を促進してきた。
今後は、需要を減少させる下げDRに加えて、需要を増加させる上げDRも含め、DR全体をさらに推進することが検討課題となっている。
今後は、日本の市場環境や制度に適したDRの仕組みや、具体的なDRメニューの在り方を検討する必要がある。
特に、以下のような電気料金型DRが日本で有効かどうかが検討対象となる。
検討の方向性は、次のとおりである。
| 検討項目 | 内容 |
|---|---|
| 海外事例の調査 | 電気料金型DRが普及している国の取組事例を調査する |
| 日本への適用可能性 | 日本の市場環境・制度を踏まえ、電気料金型DRが適しているか検討する |
| DR全体の推進 | 下げDRだけでなく、上げDRを含めたDRの在り方を検討する |
DRに関連する考え方は、省エネ法およびERABガイドラインで整理されている。
季節や時間帯によって電力の需給状況が変動することに応じて、電力需要量を増加または減少させることである。
需要家側のエネルギーリソースを制御し、電力需要のパターンを変化させることである。
このため、DRは需要を減らす節電だけを意味するものではなく、電力需給の状況に応じて需要を増加させる取組も含む概念である。
米国電力研究所(EPRI)は、DR readyについて、DRに対応する機器・製品が備える技術的能力や、製品としての普及段階を示す概念として整理している。
DR対応能力は、後付け機器による対応から、通信・遠隔制御・DR信号への応答を経て、DR機能が機器に組み込まれた状態まで、段階的に整理されている。
| 段階 | 用語 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | Retrofitable | 通信機能を持つ後付け機器などにより、機器への電力供給を制御してDR対応できる |
| 2 | Connective | 電子的な通信が可能である |
| 3 | Remotely Operable | 通信に加え、外部からの指令を受けて遠隔制御できる |
| 4 | DR Addressable | DR信号に応答できる |
| 5 | Specified Mode | DR信号に対して予測可能な応答を行うため、一般的なDR応答モードが定められている |
| 6 | Tested | 初期モデルが、定められた試験手順に基づいて評価されている |
| 7 | Bring-Your-Own | 電力会社などの流通経路に限らず、消費者が自ら購入できる |
| 8 | DR-Ready | 外部コントローラーや後付け技術に依存せず、DR対応機能が機器に組み込まれている |
この整理では、DR-Readyが技術的能力の最終段階である。
例えば、外部コントローラーを取り付けることでDRに対応するプールポンプは後付け対応に当たる。一方、DR対応機能があらかじめ機器に組み込まれたプールポンプがDR-Readyに該当する。
DR readyに関連する概念として、IEAおよびRTPIはSmart Readyを示している。Smart Readyでは、機器や設備が外部と接続・通信し、外部信号に応じて制御されることが重視されている。
IEAは、スマートグリッドに対応するヒートポンプシステムについて、Smart Readyに必要な主な要素を以下の3点としている。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| Connectivity | インターネットを介して接続できること |
| Communication | ヒートポンプの現在の状態を詳細に計測して外部と通信し、動的な制御信号を受け取って自動的に応答できること |
| Control | 通信されたデータをもとに、ヒートポンプを最適に運転するための高度なアルゴリズムを備えること |
RTPIは、電気自動車の充電設備について、Smart Readyを次のように説明している。
また、2018年のAutomated and Electric Vehicles Actに基づく政策支援として、充電設備について以下の方向性が示されている。
本資料では、DRを電力需給ひっ迫時だけでなく、再生可能エネルギーの余剰時や小売電気事業者の調達コスト削減にも活用できるものとして整理している。
これまで日本では、インセンティブ型DRであるネガワット取引が特に促進されてきた。今後は、上げDRを含むDR全体の推進に加え、以下のような電気料金型DRが日本の市場環境・制度に適しているかを検討することが課題である。
また、DRを実現する機器・設備については、通信や遠隔制御、DR信号への応答といった機能を段階的に備え、最終的にDR対応機能が組み込まれたDR-Readyへと整理されている。さらに、Smart Readyでは、接続性、双方向通信、外部信号への応答、制御機能が重要な要素とされている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「海外の電気料金型DRの取組事例について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/jisedai_bunsan/index.html)をもとに当社作成
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