文書の位置づけ・対象
本資料は、電力広域的運営推進機関が業務規程第32条の5に基づき作成した「容量市場業務マニュアル 実効性テスト編」の一部で、対象実需給年度は2028年度、発行日は2026年1月29日です。発動指令電源を登録する事業者向けに、電源等リストの登録・変更、実効性テスト、発動実績の報告、期待容量の変更申込と審査後の対応を説明しています。
対象事業者は、2028年度向けメインオークションで容量確保契約書を締結済みの発動指令電源提供者、メインオークション非落札で追加オークションへの参加を予定する事業者、追加オークションから参加する予定の事業者です。後二者は提供可能容量の事前評価のため、2026年度の実効性テストに参加する必要があると記載されています。追加オークションの開催有無は、需給状況を踏まえて2027年4月頃に判断される予定です。
1. 電源等リストの登録・審査(2.1)
電源等リスト提出依頼は2026年1月下旬から2月中旬に対象事業者へメールで送付され、リストと指定書類は原則2026年2月末日までに提出します。参加予定事業者は、先に容量市場システムで事業者情報・電源等情報・期待容量の参加登録を行います。リストは2028年度時点で想定される発動指令電源の内訳を1計量単位ごとに所定のExcel様式へ記載します。ファイルが4MBを超える場合、または内訳が10,000件を超える場合は分割します。
指定書類は原則写しで、CD-R等の電磁的記録媒体で郵送します。本機関が内容を確認できると判断した場合は指定書類以外で代替でき、必要に応じ追加書類を求められることがあります。合理的理由を本機関が認めた場合、提出期限が延長される可能性があります。
システムでは、対象電源の詳細画面から「電源等リスト登録」を選び、Excelをアップロードして変更理由に「電源等リストの提出」と入力します。「実行」後は仮申込の状態であり、審査画面で内容を確認して「申込完了」を行う必要があります。登録完了は登録メールアドレスに通知されます。
本機関はリストを審査し、登録申込に不備がなければ2026年4月末日までに合格通知を送付します。不備がある場合は同月末日の10営業日前までに不合格通知があり、再申込を希望する場合は不備を解消して速やかに再申込します。審査終了までに解消されない電源等はアグリゲートリソースとして認められず、リストから除外されます。他事業者のリストとの重複が不合格理由の場合、再申込時に契約期間が記載された合意済みエビデンス(様式自由)を提出します。登録が完了しない場合、契約書締結済みの発動指令電源は全量市場退出となり、未締結の場合は実効性テスト、調達オークション参加、差替契約締結ができません。不合格となったリストの修正登録期限は2026年4月末日です。
2. オンライン指令の性能確認とリスト変更(2.1.2、2.2)
発動指令電源提供者は簡易指令システムまたは専用線オンラインを具備し、通信対向試験を実施したうえで、属地一般送配電事業者とのオンライン指令による性能確認試験結果を提出します。原則期限は2026年2月13日です。容量市場への参加予定事業者は、実効性テストが夏季の場合2026年6月末日、冬季の場合同年11月末日が期限です。既にオンライン機能を具備し、最新のサイバーセキュリティガイドラインへの準拠書類を提出した場合は、試験結果の提出が不要となることがあります。前年度までに提出済みで内容に変更がない試験結果や、改定がない場合の準拠書類は再提出不要ですが、ガイドライン改定時は最新ガイドラインへの準拠書類を改めて提出します。
通信対向試験の結果、オンライン機能が未設置と本機関が判断した場合、または機能具備の求めに応じない場合、当該事業者が登録した発動指令電源は全量市場退出となります。ただし、一般的な工期を踏まえ適切な時期に設置を依頼していたにもかかわらず工事が遅延している場合に限り、締切日後でも実効性テスト前までの通信対向試験完了が認められます。
登録申込期日後からテスト後の変更受付開始までは、原則リスト記載リソースを変更できません。例外として、新設電源の地点特定番号・BGコード等が確定した場合、または既設電源の地点特定番号・BGコードが変わった場合は、テスト前に更新します。期限は夏季テストなら2026年5月末日、冬季なら同年10月末日です。更新されない地点はテストの発動実績が評価されません。一般送配電事業者の都合等で地点特定番号の変更通知が期限後となった場合は、発動実績報告時に所定の新旧番号読替表と証憑を提出します。期限までに更新できなかったやむを得ない理由が認められる場合に限りアセスメントで考慮され、変更も読替表提出もない場合は当該リソースの発動実績が零と算定されます。計量値を取得できない地点や容量市場へ不参加となる地点は、発動実績報告前に速やかにリストから削除します。
実効性テスト後の変更申込対象は、発動実績を登録し期待容量が評価済みの事業者です。変更受付期間は2027年10月から2028年2月10日までで、2027年9月末日までは変更できません。変更後のリストをシステムへ再提出します。実需給期間中の変更期限は、対象年度の実需給期間中リクワイアメント対応マニュアルを参照します。
3. テスト時期の調整・実施(3.1、3.2)
テスト時期は希望に沿って夏季または冬季で調整されますが、具体的な月日・時間帯は指定できません。2026年4月10日までに登録申込をした事業者へ調整開始依頼が送付され、対象事業者は2026年4月末日までに属地一般送配電事業者へ希望時期をメール連絡します。確定時期は2026年6月10日までに通知され、通知後速やかに、かつ2026年6月19日までに容量市場システムへ登録します。登録時に「実効性テスト以外の発動実績の利用希望」を「無」とする場合は季節を選択し、変更理由に「実効性テストの実施時期の登録」と入力します。「有」とする場合は時期欄を空欄とし、「実効性テスト以外の発動実績を利用するため」と入力します。仮申込後、申込完了操作が必要ですが、時期登録に審査はなく、申込完了と同時に反映されます。期限までに登録できない場合は本機関へ申し出ます。
テスト期間は夏季が2026年7月1日~9月30日、冬季が2026年12月1日~2027年2月末日です。属地一般送配電事業者から特定の6コマについて、3時間前までにオンライン機能で実施指令を受けます。指令設定時間は9時~20時(土日祝日を除く)で、2日連続の場合があります。実需給での発動実績を代替利用する等によりテストを受けない場合は、一般送配電事業者へ速やかに連絡し、調整結果を本機関へ申し出ます。指令を受けた事業者はリスト内リソースから供給力を提供し、発電販売計画または需要抑制計画に反映します。供給力は一般送配電事業者とのインバランス精算の対象です。
算定では、地点ごとの30分値を用います。電源のベースラインは原則0ですが、1地点複数応札の電源は安定電源の状態や停止計画にかかわらず、当該安定電源のアセスメント対象容量をベースラインとします。需要抑制は、DR実施日を含まない直近5日間のうち、実施時間帯の平均需要量が大きい4日(high 4 of 5)を使って仮ベースラインを算出し、指令時間前の当日調整値を加えます。負のベースラインは0です。候補日から土日祝日、一般送配電事業者の指示による過去のDR実施日、所定の需要基準を満たさない日を除外し、4日確保できない場合の選定は本文の注記に従います。需給ひっ迫注意報・警報期間中や広域予備率低下に伴う供給力提供通知日に経済DRを実施した場合、事業者の申出と証憑確認により当該日を除外する等の扱いを受けることがあります。申出期限は発動実績報告までです。
地点・コマごとの電源実績は発電量調整受電電力量からベースラインを減じ、需要抑制実績は送電端換算したベースラインから接続対象電力量を減じて算定し、地点間で合算します。全体実績とアセスメント対象容量(契約未締結の場合は期待容量)から達成率・未達成量を算出し、6コマ分の未達成量合計を3で除してテスト未達成量[kW]とします。未達成量が0なら6コマの実績合計÷3がテスト後期待容量となり、正の場合は契約済みならアセスメント対象容量、未契約ならテスト前期待容量から未達成量を差し引きます。2日連続の場合は1日目、2日目、または2日平均を選べます。1地点複数応札電源の地点全体実績が安定電源のベースラインを下回る場合、その電源の発動実績は0とします。
4. 再テスト(3.2.3)
夏季・冬季それぞれ再テストは1回までです。同時期の再テストを希望する場合は実効性テストの1週間後、別時期の場合は実効性テスト(夏季再テスト実施時は当該再テスト)の2か月後を期限に、一般送配電事業者へ希望時期を連絡します。調整後、システムへ希望を登録し、対象季節を「有」、変更理由を「再テスト希望の登録」として申込完了します。希望を取り下げる場合も同様に対象季節を「無」とし、「再テスト希望の取下げ」として申請します。
5. 発動実績報告・期待容量変更(3.3)
2027年2月上旬頃、市場退出事業者を除く電源等リスト登録者へ報告依頼がメール送付されます。実効性テストまたは他の発動実績をまだ報告していない対象事業者は2027年3月10日までに報告します。依頼前の自主報告も可能です。報告しない場合、契約書締結済みの発動指令電源は全量市場退出となり、未締結の場合は調達オークション参加・差替契約締結ができません。2027年2月のテストで期限までに報告できない場合は本機関へ申し出ます。
報告は電源等リスト単位で発動実績算定諸元一覧(Excel、様式10)を作成します。実効性テスト結果、任意に選択した再テスト結果、または他の発動実績による代替報告が可能です。代替実績は実効性テスト実施年度に一般送配電事業者から受けた発動指令への対応実績で、例として対象年度2028年度の場合は2026年度の発動実績が対象です。代替利用には、リスト内全地点が同一期間の同一指令に応じた電源等であることが必要です。
一覧には事業者・リスト情報、発動日時、応札容量または期待容量、地点ごとの電源・需要抑制実績等を記載します。契約書がある場合はメインオークション応札容量、ない場合はシステム登録済みのリスト単位期待容量を記載し、調整係数反映後の契約容量は記載しません。4MB超または内訳10,000件超の場合はファイルを分割します。計量・仕訳区分に応じた記載方法があり、例えば需要抑制の分割供給は全量、自己託送地点は自己託送需要以外の電力量を記載します。地点番号が一般送配電事業者都合等で変更された場合は、テスト時点の番号を一覧に記載し、地点番号読替表と証憑を提出します。容量提供事業者が託送契約等を締結していない場合、契約締結事業者から計量値の提供を受けられる環境が必要です。
システムの「期待容量情報管理」から対象を選び、変更後期待容量、必要書類、変更理由、算定諸元一覧を登録します。テスト実績の場合はテスト後期待容量を入力し、実績種別・テスト時期・発動日時を記載します。他の発動実績の場合は、その実績から算出したリスト全体の期待容量(送電端換算値)を入力します。1,000kW未満でも変更後期待容量を入力します。仮申込の後、「期待容量情報審査管理」で内容を確認して「申込完了」を行うと申込完了となります。審査開始前に限り申込を取り下げられます。
テスト後期待容量がアセスメント対象容量を上回る場合は期待容量のみ変更され、下回る場合は容量確保契約容量と期待容量が変更されます。申告値と本機関の算定値が一致すれば、審査結果と変更登録完了が通知されます。不一致の場合は否認通知と審査コメントを確認し、報告を再実施します。不備が解消されない場合、契約済み電源は全量市場退出となる場合があり、未契約電源は調達オークション参加や差替ができません。
契約締結済み電源で、テスト後期待容量に調整係数を反映した値が1,000kW未満の場合は全量市場退出となります。1,000kWを上回るものの契約容量を下回る場合、差分が部分退出となります。契約未締結電源は調整係数反映後の値が1,000kW未満の場合、調達オークション参加および差替先としての電源等差替ができません。
適用条件・例外
同年度の需給調整市場リストと実効性テスト用リストはリソースを重複登録できますが、各市場の要件を満たす必要があります。FIT送配電買取(特例③)の電源は参加できませんが、FIT買取期間終了後に発電販売計画の策定主体が発電事業者等となる場合や、バイオマス混焼の非FIT相当分は参加可能です。2028年3月末までにFIT買取が終了する電源は2026年度テストに参加可能です。記録型計量器・自動検針が未対応の地点は、一般送配電事業者のプロファイリング計量値で評価するか、リストから削除するかを事業者が選択します。
新設で地点特定番号が未発番の場合は22桁の「9」を記入し、発番後速やかに変更します。新設電源でBGコード等が未確定の場合はテスト実施前までに記入します。バイオマス混焼等には計量・仕訳区分やバイオマス比率の記載条件があり、実需給期間中は予定バイオマス比率で実績評価しないため、実需給前までに申請した調達上限比率へ変更する旨が記載されています。
本抜粋はマニュアルの一部であり、本文に記載された範囲を超える手続き、期限、文書全体の結論は推測できません。