先物がスポットの7割に達した日──電力ヘッジの主戦場はどこか
2026年度向けの卸売では、四国エリアを除くすべての評価対象エリアで常時バックアップの休止が決まった(決定済み)。同時に、電力先物の四半期約定量は2025年10〜12月期に471.1億kWhへ達し、同期のスポット市場約定量680億kWhの約7割の規模になっている。中長期の価格リスクをどこで処理するか、という問いの答えが実務上すでに移動している。
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蓄電池、FIP、容量市場、GX、系統混雑。「誰の、どの判断に効くのか」まで整理したナレッジです。
2026年度向けの卸売では、四国エリアを除くすべての評価対象エリアで常時バックアップの休止が決まった(決定済み)。同時に、電力先物の四半期約定量は2025年10〜12月期に471.1億kWhへ達し、同期のスポット市場約定量680億kWhの約7割の規模になっている。中長期の価格リスクをどこで処理するか、という問いの答えが実務上すでに移動している。
長期脱炭素電源オークションは2023年度に初回が実施され、2026年5月には第3回(応札年度2025年度)の約定結果が公表された(開始済み)。制度が3回転したことで、「20年間の固定収入」という設計思想が実務上どう機能するのか、そして誰がそのコストをいつ負担するのかが、数字として見えてきた段階にある。
2026年度メインオークションの需要曲線原案では、指標価格(Net CONE)が20,911円/kW、上限価格が31,366.5円/kWと算定された。前年度(2025年度メインオークション)はNet CONE 10,075円/kW、上限価格 15,112.5円/kW であり、需要曲線の価格軸が実質的に倍になった。
日本の電力需要は全国合計では年0.4%程度の緩やかな増加見通しにとどまる一方で、特定エリア・特定地点では接続そのものが成立しない状況が生じている。審議会の議論の重心は「増える需要に系統を合わせる」から「系統の制約に需要の立地を合わせる」方向へ動きつつあり、これは立地選定とスケジュール前提の置き方を根本から変える論点である。
再生可能エネルギーの系統接続に伴う送電線の増強費用は、最終的に誰かが負担しなければならない。その「誰が」を決める費用負担ルールが、2019年から2024年にかけて大きく組み替えられた。系統増強のコストは単なる工事代金ではなく、発電事業者・需要家・国民が複層的に分かち合う仕組みへと転換しており、この構造を理解しないまま事業計画を立てると、接続費用の見積もりに重大な齟齬が生じうる。 系統増強とは、発電設備の連系要請や広域的な電力融通の拡大に対応するため、送電線・変電所・連系設備などの流通設備を新設・増強することを指す。