資料は、変動性再エネを同時市場で扱う仕組みと入札・精算上の論点を整理した検討資料である。現行の市場外取引では、スポット市場で未約定となったFIP電源等が、優先給電ルールによる下げ調整や電源Ⅲの出力制御に先んじて抑制され、活用されない可能性がある。また、優先給電ルールの処理は時間と人手を要し、再エネ出力制御の指令日数も2023年度286日、2024年度381日と増加している。
資料が示す方向性は、前日以降のSCUCに調整電源・電源Ⅲを市場計画電源として組み込み、系統制約を踏まえて需給を最適化することである。これにより、FIP電源等の未活用や出力制御処理の負担を軽減し、三次調整力②の必要量や再エネ制御量を抑えられる可能性がある。ただし、制度変更の決定ではなく、入札・精算方法を含めた検討案である。
| 電源区分 | 入札・予測更新の案 | 主な論点 |
|---|---|---|
| FIT特例①(小売買取) | エリア単位で入札し、限界費用は最低価格、起動費・最低出力費用はゼロとする案。最新の計画配分に応じた入札・計画見直しは小売が担う想定。 | 小売に直接の更新インセンティブがなく、都度対応の負担が課題。 |
| FIT特例③(TSO買取) | FIT特例①と同様の入札方法を基本とし、TSOからの最新計画配分に応じて更新する案。 | TSOに三次②必要量低減や優先給電ルール対応の改善効果が見込まれる。 |
| FIP・非FIT等 | 事業者の予測更新に応じて発電量を更新。必要に応じ、起動費・最低出力費用を含むThree-Part情報やノード単位入札も選択肢とする。 | 事業者がインバランスリスクを負うため、自発的な入札が期待される。 |
エリア単位で入札する場合、SCUC内ではTSOが把握する分配係数によりノードへ配分する案が示されている。前日以降の予測上振れ・下振れは、発電量の更新によって電源の出力減・増と市場でマッチングさせる構想である。
FIT特例①・③は、買取義務者の収支を±0とする制度趣旨を維持する必要がある。資料の試算では、計画配分の更新に応じて入札・計画見直しを行う場合、回避可能費用を「前日および全時間前同時市場価格の加重平均」としてインバランス精算し、従来のインバランスリスク料を適用すれば、買取義務者の収支を±0にでき、TSOの精算影響分も補填できるとされる。これは試算に基づく方向性であり、制度として確定したものではない。
FIT特例①の小売に再々通知ごとの入札・計画見直しを求める場合、物理的に対応できるか、収支中立を保てるかが課題となる。FIT特例③はTSO側の便益がある一方、FIT特例①には小売への直接的なインセンティブがない。特例①の扱いは関連審議会の検討状況も踏まえて継続検討とされている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「同時市場における特殊なリソース(変動性再エネ)の取扱いについて」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
FIT制度は再生可能エネルギーで発電した電気を定められた価格で買い取る仕組み、FIP制度は市場で売った価格に補助額(プレミアム)を上乗せする仕組みです。いずれも再エネへの投資を支えつつ、FIPは電力市場への統合と国民負担の抑制を同時に目指す制度として設けられています[DOC:5719e283-a4f2-4216-89cf-a40a65c1ba13]。
ノンファーム型接続は「空き容量がない系統でも、混雑時の出力制御を受け入れる条件で接続を認める」仕組みで、基幹系統は2021年1月から受付が始まり[DOC:f4cfef4b-1831-4fbc-abe0-ac3acba0ddfb]、ローカル系統も2023年4月から順次拡大している[DOC:eae150b4-2d32-48d8-832c-562c3881a95b]。事業性の焦点は「接続可否」から「年間どれだけ制御されるか」に移り、系統用蓄電池では逆潮流だけでなく充電側(順潮流)の制約設計が収益を左右する。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。