地内混雑発生時のkWh価格について、東京エリアを二つのゾーンに分けた検証用モデルで、価格算定案と市場外補填を比較した。結論は確定制度ではなく、今回の試算・考察に基づく整理である。資料は、系統制約を考慮した電源態勢からエリア価格を算定する「ケース2(LMP加重平均)」が、実態を反映し、価格シグナルとしても信頼性が高い合理的な案であると評価している。
| 比較項目 | ケース1:カナダIESO方式 | ケース2:LMP加重平均 |
|---|---|---|
| 価格算定 | 系統制約を無視した出力配分の価格でエリア単一価格を算定 | 系統制約を考慮したノード別LMPを需要で加重平均し、エリア価格を算定 |
| 混雑時の価格・取引額 | ケース2と多少差があるが、傾向に大差なし | ケース1と多少差があるが、傾向に大差なし |
| 市場外補填 | 焚増電源への補填が相対的に大きく、非混雑時にも発生 | 混雑時の非混雑系統側の焚増電源に発生し、非混雑時は発生せず |
年間8,760時間を対象とするモデルでは、地内混雑は168時間(約1.9%)発生し、冬季の高需要時、とくに夜間に多かった。ケース1とケース2の市場価格・取引額は混雑時だけでなく非混雑時にも差があり、ケース1では非混雑時にも両系統で焚増電源の増分費用の取り漏れが生じた。
要因は、SCUCが単一コマではなく連続48コマを最適化する点にある。混雑コマでの起動・停止を次のコマにも継続する方が最適な場合、系統制約の有無で価格算定用と実際の電源態勢が異なり、混雑のないコマでも価格差や補填が生じる。資料は、これを地内混雑時の補填として不自然な構造と整理している。
従来のUplift(起動費・最低出力費用の回収漏れへの補填)に加え、ケース1・2では、混雑対応で高費用電源を焚き増した際の費用補填が必要となり得る。今回のモデルでは新たな補填は従来のUpliftより相当小さいが、混雑時間や混雑箇所が増えれば増加し得る。また、試算ではΔkW収入を計上していないため、これを考慮すると補填額が変わる可能性がある。
検証モデルは東京を需要約8割の系統①と約2割の系統②に分けた設定であり、実際の系統データそのものではない。したがって結果はこのモデルの条件に基づく試算である。米国ISO方式のようにノード別LMPで発電側を精算する参考ケースでは、焚増電源への補填は発生せず、混雑値差による市場運営者の余剰が生じるとされた。
前日以降の時間前・実需給取引では混雑状況が変わり得るため、焚増電源への補填を各断面で都度精算せず、Upliftと同様に他市場(ΔkW等)や他コマの収入も踏まえて事後的に扱う案が示された。これは検討案であり、確定した精算ルールではない。今後は約定電源と約定価格の関係、調整力kWh・インバランス価格、ΔkWへの適切な対価などの検討を続ける方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「市場価格算定方法(検証B)に関する進捗報告について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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