検証Aでは、⓪基本ロジックと②週間運用ロジックの動作確認を終え、当初の検証項目は概ね完了した。基本ロジックは年間を通じ、現実的な時間内に実行可能解を得て、運用上妥当な電源構成・出力配分を算出できる一方、双対ギャップは目標精度に届かず、収束性の改善が課題として残る。
収束性向上策のうち、二段階最適化は一括最適化より計算時間を短縮したが、需給運用コストがわずかに増えるなど、最適解を取りこぼす可能性も確認された。したがって、一括最適化が困難な場合に適用を検討する手法と整理された。Gurobiのパラメータ調整では、双対単体法・内点法、ヒューリスティクス探索時間の増加、切除平面の追加増加で収束性が改善する傾向があった一方、最適化戦略との明確な関係は見られなかった。傾向は問題の前提やパラメータの組合せで変わるため、実装時の調整が必要である。高速計算環境では、MIP Gapの目標を0.01%としても同程度の時間で同様の最適化結果が得られた事例が報告された。
起動・停止中の出力カーブと、出力帯ごとの変化速度・キープタイムをSCUCロジックに組み込み、想定どおりの出力配分となることを確認した。起動停止カーブの考慮では計算時間が約2.5時間から約2.9~3.1時間に増えたが、収束性の大幅な悪化は見られなかった。
出力帯特性は変数・制約を増やすため、エリア単位の一括最適化では計算時間が長くなり、ノード単位では10時間の打ち切りまでに実行可能解を得られなかった。一方、起動状態を一部固定する二段階最適化ではノード単位でも解が得られ、実現可能性の目途が示された。二段階化は計算時間短縮に有効だが、計算精度や費用との兼ね合いがある。検証会では、調整力にもバンド制約を適用できる一方、計算時間が長くなることなどが確認・指摘された。
週間計画は7日間を対象とし、前半3日を30分単位、後半4日を3~4時間単位で扱う方向性に沿ってロジックを構築した。後半4日を4時間単位に縮約すると、エリア単位の計算時間は縮約なしの31.6時間から3.5時間に短縮し、ノード単位でも3.7時間から1.5時間に短縮した。出力配分・運用コストは縮約の有無で大きく変わらず、揚水の上池水位も概ね一致した。
ただし、後半の時間粒度を粗くするとピーク需要が平均化され、火力機の供給力が過少に評価される場合がある。日々のローリング計画による補正や、ピーク時間帯だけ粒度を細かくする方法などが議論された。週間の起動判断と揚水運用を保ちつつ計算負荷を下げる見通しは得られたが、供給力評価、粒度設定、再エネ変動と調整力必要量への影響は実装段階で検討を深める論点である。
検証会では、基本ロジックと週間運用ロジックについて検証Aとして完了との整理が示された。既存の検証項目も概ね議論を終えたが、起動費等を回収できる価格算定は技術的特徴の整理までであり、将来の導入要否は制度論として検討する。系統制約や時間前市場などにも、別作業会等で深掘りする事項が残る。
技術検証会は継続し、まず⑧自己計画電源等に一定の制約を課すロジック、⑨送電ロスを考慮したSCUCロジックを検証する方針である。⑧では、安定供給上の抑制・焚増が必要となる地点・時間をSCUCで特定するロジックを、混雑・非混雑系統の特定手法の高度化と合わせて検討する。⑨では、海外事例も参考に送電ロスを考慮する方法と挙動を検証する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「[電源起動・出力配分ロジックの技術検証(検証A) の進捗報告について]」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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