容量市場の需要曲線について、指標価格をNet CONEとし、下に凸の右肩下がりで目標調達量を下回ると急峻に立ち上がる形状を基本とする整理を前提に、価格上限・その調達量・価格ゼロ時の調達量を具体化する提案である。資料中の数値や設定方法は検討会への提案・試算であり、最終決定ではない。今後、国の制度検討作業部会で設定方法を定め、広域機関が次年度向け需要曲線原案を作成し、審議を経て具体値を決定する。
| 項目 | 提案・試算 | 根拠・留意点 |
|---|---|---|
| モデル電源 | CCGT | 新設・維持の実態を踏まえ、容量市場以外の収益が比較的少なくGross CONEを算定しやすい電源とする案 |
| コスト評価年数 | 40年 | 既設・新設を区別しない制度を踏まえ、運転期間を基準とする。40年運転に必要な経年修繕等も算入する案 |
| 割引率 | 税引前WACC、試算4.5% | 資本金1億円以上の企業の資本構成、機関投資家が求める株主資本コスト、長期貸出金利等を基に算定する提案。発電事業固有のリスクを追加反映するかは検討余地が示されている |
| 主なコスト項目 | 系統接続費、経年修繕費等、インフレーションを考慮 | 接続費は2015~2017年度の火力電源実績59件の平均1.56千円/kW。経年修繕等はヒアリングを基に約3万円/kW(20年後)と試算。期待インフレ率は2009~2017年平均0.18% |
| 容量市場外の収益 | 導入当初はGross CONEの2~3割を控除 | CCGTのkWh収益を40年間にわたり精度よく推計するのは困難として、今回の試算では3,000円/kW・年を控除。ΔkW収益は制度検討段階のため算入しない案。導入後は実績等を踏まえ見直す |
| 価格水準 | Gross CONE 12,307円、Net CONE 9,307円/kW・年 | 試算値であり、設定方法の議論を踏まえ、需要曲線の設定プロセスで具体値を決定する |
資料は、評価年数を40年とすることや割引率・収益控除の置き方について、投資回収期間、需要家負担、投資リスク、kW価値の二重取り防止などの論点があることも記録している。
価格上限はNet CONEの1.5倍とする案であり、試算値では13,961円/kW・年となる。諸外国の例と、電源新設インセンティブおよび国民負担への配慮を根拠とする。目標調達量に届かない場合の電源入札で想定する緊急設置電源は、固定費が低く燃料費が高いなどCCGTと特性が異なるが、その運転期間の置き方によるコスト幅にはこの水準も含まれ得るとの説明である。容量市場外の収益を大きく見積もる場合には、1.5倍では低稼働電源に不足する可能性があり、倍率引上げまたはGross CONEを上限に用いる方法が論点となる。
上限価格における調達量は、目標調達量とNet CONEを通る停電コストのトレードオフ曲線を基に設定する案である。Net CONEを9,307円/kW・年、目標調達量をH3需要の108%と置いた試算では、上限価格時の調達量は107.3%(目標の99.4%、約120万kW減)となった。停電コストは約3,200円/kWhで、資料に示す3,050~5,900円/kWhの範囲内である。目標調達量自体は調整力等委員会で決定する。
価格ゼロ時の調達量は、トレードオフ曲線だけでは定まらないため、供給計画や国の電力レジリエンスWGの議論を踏まえて設定する案である。供給計画に計上されない長期計画停止電源など、稼働を見込める電源の扱いも要検討であり、設定後にシミュレーションで価格・調達量の変動を確認する。
需要曲線モデルで、供給・需要の変動を模擬し、価格の分布・標準偏差と供給信頼度(EUE等)の分布を比較する。試算は目標調達量108%、PJMの供給曲線データ等を用い、価格上限と価格ゼロ時の調達量を変えたものである。
| 比較 | 価格・信頼度への主な影響(試算) |
|---|---|
| 上限1.5倍から2倍へ | 平均EUEは7.1から4.2百万kWへ減少し、平均調達量は107.8%から108.2%へ増加。価格標準偏差はNet CONE比38.1%から48.4%へ増加 |
| ゼロ価格時の調達量110%から115%へ | 平均EUEは7.1から5.7百万kWへ減少し、平均調達量は107.8%から108.4%へ増加。価格標準偏差は38.1%から31.0%へ減少 |
| 曲線全体を1%右へ移動 | 平均EUEは7.1から4.0百万kWへ減少し、平均調達量は107.8%から108.8%へ増加。目標108%を下回る頻度は45.8%から17.3%へ低下し、価格標準偏差はほぼ同水準 |
これらは設定変更による傾向を比較する試算であり、約定価格そのものの予測や最終的な需要曲線の決定を行うものではない。シミュレーション上は約定価格の期待値をNet CONEに一致させているため、価格水準の予測には使えない。供給曲線には簡便のためPJMデータが使われており、今後の制度設計と並行して前提や曲線形状を検討する必要がある。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需要曲線(Net CONE、上限価格等) の設定について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou_kentoukai/)をもとに当社作成
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