2024年1月に応札、4月に公表された初回オークションでは、脱炭素電源の募集量400万kWに対し401.0万kW、LNG専焼火力の募集量600万kW(2023~2025年度の合計)に対し575.6万kWが約定した。脱炭素電源の約定総額は年2,336億円、LNG専焼火力は年1,766億円である。これらは異なる実需給年度の電源を含む集計であり、制度適用期間中に一定とは限らない。
| 観点 | 主な結果 |
|---|---|
| 全体 | 応札1,356.2万kW、落札976.6万kW(72%) |
| 脱炭素電源 | 約定401.0万kW(募集400万kW) |
| 蓄電池・揚水 | 約定166.9万kW。募集上限100万kWを超過 |
| 既設火力の改修 | 約定82.6万kW(募集上限100万kW未満) |
| LNG専焼火力 | 約定575.6万kW(募集600万kW) |
落札容量の91%は新設・リプレースであり、既設火力の改修は9%である。方式別では蓄電池の応札455.9万kWに対する落札率が24%、揚水は83.8万kWに対し69%だった一方、水素混焼への改修、アンモニア混焼への改修、バイオマス専焼新設、原子力新設、LNG専焼火力は応札分が全量落札となった。蓄電池・揚水等は募集上限を設けつつ、脱炭素電源の新設・リプレースだけで募集量に届かない場合には、空き枠を埋めるため上限を超えて落札できる扱いであった。
落札電源は原則20年間、固定費水準の容量収入を得る一方、他市場収益の約9割を事後還付する仕組みである。過去3年の市場価格等を使った推定では、還付控除後の年額は脱炭素電源706億円、LNG専焼火力はマイナス1,343億円となった。過去5年の価格を用いた試算では、それぞれマイナス43~1,560億円、マイナス3,163~1,062億円の幅となる。これらは過去の価格・可変費等に基づく試算で、実際の還付額・計算方法とは異なる。蓄電池・揚水は可変費・設備利用率の公表値がなく、還付試算に含まれていない。
実需給2027年度の容量拠出金試算では、長期オークション分は他市場収益の推定還付額控除後で、一般送配電事業者が計5.4億円、小売電気事業者が計61.5億円を負担する。メインオークション分はそれぞれ1,153.3億円、1兆1,986.3億円である。長期分の試算はメイン分と区分されており、両市場の契約容量・拠出金は同一年度に併存する。
第93回制度検討作業部会資料が示す基本的考え方では、次回入札ですぐに応札インセンティブを高めることはせず、そのあり方は継続課題とする案である。事業報酬率・還付率・上限価格の見直しは応札を促す一方、需要家負担の増加や初回参加者との公平性に関わる。蓄電池・揚水の応札が募集上限の5倍超だったことから、インセンティブが不足しているとは限らないとの整理も示された。また、蓄電池は応札条件を見直し、他リソースとの競争条件を可能な限り共通化する案が示されている。募集量・上限は、エネルギー基本計画の議論も見据えて、安定供給と脱炭素化の観点から判断する方針案である。
制度検討作業部会では、上流側の固定費と認められる合理的説明のある費用を応札価格に算入可能とする整理、新規制基準対応の既設原子力安全対策投資の対象追加、一般水力の3万kW以上10万kW未満の新設・リプレースの対象追加が示された。これらは次回入札に向けた検討・整理であり、次回募集要綱への反映が必要である。合成メタン・CCS付火力の上限価格や要件、蓄電池の最低入札容量・上限価格などは引き続き論点として挙げられている。
募集量(脱炭素電源・募集上限・LNG)、他市場収益の還付割合、蓄電池の応札条件などは本検討会で議論を求める事項として提示されている。募集要綱・約款案と業務マニュアルを2024年度に作成し、意見募集、公表、事業者説明を経て、2024年度下期から2025年度に参加登録・応札・約定処理へ進む想定である。具体的な日程は募集要綱で示す予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2023年度)および次回オークションに向けて」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou_kentoukai/)をもとに当社作成
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