本資料は、同時市場の電源起動・出力配分ロジックに関する技術検証Aの進捗報告であり、検証項目⑨「送電ロスを考慮したSCUCロジック」を扱う。小規模系統と2030年頃を想定した広域連系系統で、送電ロスの精緻化手法を比較した結果、広域モデルでは全送電線のロスを変数として扱う案の収束性が大きく低下した。一部の地域間連系線だけを精緻化する案②’では改善したが、送電ロスを精緻化した場合の発電コスト低減効果は限定的であった。方式の採用は決定しておらず、計画値同時同量制度や次期中給との整合も含め、システム詳細設計時に検討を続ける方針である。
| 方式 | ロスの更新・計画への反映 | 主な課題 |
|---|---|---|
| 案⓪(現行) | 年間一定率を用い、事業者が量で負担 | 現行運用を維持する方式であり、SCUC内での精緻化はしない |
| 案① | 週次等で実績ベースの率を更新し、入札前の事業者計画に反映 | 更新のたびに計画修正が必要。相対取引量の確定や契約見直しに影響し得る |
| 案② | SCUCごとにロスを更新し、事業者計画・市場調達に反映 | 事業者の予見できない計画変更や強制的な市場取引、精算用ロス率の設定が課題 |
| 案③ | SCUCごとに更新し、第三者の「ロス取扱者」が計画に反映 | ロス取扱者の役割、事業者の費用予見性、インバランス評価を制度化する必要がある |
上位2電圧の基幹系統を対象とするため、ローカル系統・配電系統の需要とロスはノード単位では扱えず、基幹系統相当の需要に集約する想定である。現行制度では小売が送電ロスを電力量で調達するが、北米では小売は需要量を調達し、ロス負担を主に市場価格等に反映する。この制度差のため、SCUC内でロス率を頻繁に更新する方式は、日本の計画・精算実務にそのまま適用できるとは整理されていない。
資料の調査では、北米のISOはUC・EDの最適化と潮流・セキュリティ計算を反復し、ロス係数を更新する構成を採る。日本の検証で用いた「SCUC内にブランチロスを直接精緻に組み込む」方法とは計算構成が異なる。ただし、各ISOの具体的なモデルや制約設定には確認できていない点が残るため、海外方式をそのまま日本へ適用できるとの結論ではない。次期中給の運用との役割の違いも踏まえ、制度と技術を合わせて検討する必要がある。
今後は、残る検証項目⑧「自己計画電源等に一定の制約を課すロジック」の進捗を報告する予定である。送電ロスの扱いは、現行制度を基礎とする案も選択肢に含め、SCUCの計算方式、計画値同時同量、費用負担、下位系統の扱いをシステム詳細設計時に引き続き検討する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電源起動・出力配分ロジックの技術検証(検証A)の進捗報告について」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/doji_shijo_kento/index.html)をもとに当社作成
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