文書の位置づけと対象
「容量市場業務マニュアル 実需給前に実施すべき業務(全般)編」は、電力広域的運営推進機関の業務規程第32条の5に基づく文書で、発行日は2024年9月18日(第1版)です。提示本文には2027年度を対象とする手続と、対象年度を特定していない手続の説明が混在しています。主な対象者は容量提供事業者、差替先電源等提供者および一部手続に関わる差替元電源等提供者です。抜粋には複数の章・範囲の説明が含まれるため、以下は記載された事項の要約であり、マニュアル全体の結論を示すものではありません。
市場退出とは、容量確保契約約款第12条に該当する場合に、電源の契約容量を全量解約するか、一部減少させることです。余力活用契約の未締結、必要書類の未提出や電源等情報の未登録、FIT・FIP電源であること、事業者の退出表明、給電申合書等の未締結などが市場退出事由として挙げられ、契約容量の全部または一部の退出や経済的ペナルティを伴う場合があります。発動指令電源の電源等リスト・実効性テストに関する詳細は別冊「実効性テスト編」を参照する扱いです。一定要件をすべて満たせば、実効性テストを省略できる場合があります。また、規程等への重大な違反を本機関が認めた場合、一定期間のオークション参加制限や期待容量の評価引き下げ等の参入ペナルティを科すことがあると記載されています。
2027年度を対象とする主な期限
- 余力活用契約の締結は2026年12月末まで、契約書写しの提出は2027年1月末までです。
- 電源等情報の追加登録と、FIT・FIP電源でないことを示す特定契約終了の証明書等の提出は2027年1月末までです。
- 事業者都合の市場退出表明は、実需給年度開始前の2026年12月末まで受け付けると記載されています。
- 給電申合書等の締結は2027年2月末まで、写しの提出は2027年3月9日までです。ただし、属地一般送配電事業者が締結不要と判断した場合は対象外です。
- 図1-1には実効性テスト結果の報告期限として2026年3月10日が示されています。
第2章:実需給前に行う手続
2.1 容量提供事業者の余力活用契約
対象は調整機能を有する電源等を提供する容量提供事業者です。バランシンググループの形態等により契約締結者が当該電源の容量提供事業者と異なる場合もありますが、その電源が契約対象と確認できる必要があります。一般送配電事業者の調整機能に関する事前審査に合格した電源等について、同事業者から締結依頼があり、容量提供事業者は上げ調整力と下げ調整力の両方を提供する契約を締結します。専用線や簡易指令システムの工事には時間を要するため、余裕をもった手続が案内されています。
2026年11月頃、本機関は締結状況を自主報告していない事業者に報告を依頼します。締結済みの場合、容量市場システムの「電源等情報変更申込画面」から契約書写しをPDFで提出します(4MB以下、別ファイルでも可)。契約対象電源を確認できる需給調整市場システムのMMS電源等詳細画面のコピーも添付します。仮申込で余力活用契約を「有」とし、変更理由に「余力活用に関する契約書の写しの提出」と記入した後、本申込で内容を確認して「申込完了」を行います。指定例のファイル名は「余力活用に関する契約書_事業者名_対象実需給年度_電源等識別番号.pdf」です。本機関の審査結果は合格または不合格で通知され、不合格の場合はコメントを確認し、締結期限内に必要に応じて再申込します。依頼を待たずに提出することもできます。
締結できず、やむを得ない理由がある場合は、調整機能を「無」に変更する申込を行い、変更理由欄に具体的な理由を記載します。根拠書類があれば添付できます。例として、必要な対応後も実需給年度内に復旧の見通しがない故障、一般送配電事業者の事前審査要件を満たさない場合、水力電源で調整機能の使用により河川法等に基づく公共の安全が保てない場合が示されています。理由の審査に合格すれば登録通知書を確認でき、不合格の場合は通知コメントに従って対応します。期限までに契約が締結されず、やむを得ない理由もない場合は全量市場退出となります。
2.2 差替先電源等提供者の余力活用契約
事前審査、締結依頼、契約締結、契約書写しの提出と本機関の審査は、原則として2.1の手続を参照します。締結状況の報告依頼は差替元電源等提供者に送られ、差替元が差替先へ連携します。差替先は契約書写しを提出するか、調整機能を「無」に変更してやむを得ない理由を申告します。
2026年12月末までに契約を締結しない場合、本機関は差替掲示板の掲載を削除し、差替先にメールで通知します。調整機能を有する差替先が期限までに契約未締結で、やむを得ない理由もない場合、本機関は電源等差替を無効化します。無効化完了は差替元にメールで通知され、差替先への通知は差替元が行います。2.2には、差替掲示板からの掲載取下げ通知を受領する手続も記載されています。
2.3・2.4 電源等情報の追加登録
対象は容量提供事業者(2.3)と差替先電源等提供者(2.4)です。未提出書類や未入力項目がある電源等の登録事業者には、2026年12月頃に提出要請が送られ、要請前の自主提出も可能です。要請後も未提出等が続く場合、2027年1月上旬頃に再要請があります。提出・申込は容量市場システムの「電源等情報変更申込画面」で行い、仮申込後に審査画面から本申込を完了します。通常の書類は4MB以下のPDFで、ファイル名は「書類名_事業者名_対象実需給年度_電源等識別番号.pdf」、変更理由は「電源等情報の追加登録」とします。申込完了メールは受付通知であり、審査結果は別途通知されます。不合格の場合は審査コメントに従って速やかに対応します。
入力項目には電源区分による条件があります。安定電源は発電BGコード、需要BGコード・計画提出者コード、起動時間等を期限までに入力します。需要BGコード等がない場合や、相対契約上の計画変更締切時間が設定されていない場合は空欄で構いません。起動時間はパターンごとに記載し、バランス停止がない電源でも1パターン入力します。変動電源(単独)は発電BGコードを入力します。受電地点特定番号と系統コードは新設電源に限る項目で、受電地点特定番号に関しては「発電量調整供給契約に基づく受電地点明細表」の提出も記載されています。変動電源(アグリゲート)は所定欄から小規模変動電源リストを提出し、追加登録対象のリスト項目は受電地点特定番号、個々の電源の系統コード、発電BGコードです。設備容量が変わる場合、リスト提出の合格後に設備容量の変更申込を行います。受電地点特定番号と個々の系統コードは新設電源に限り期限までに入力します。基本情報・詳細情報の提出書類は、CD-R等の電磁的記録媒体で郵送する送付先も示されています。
2027年1月末までに登録されない場合、容量提供事業者は全量市場退出となる場合があります。差替先では、書類未提出かつ未入力項目がある場合に本機関が差替を無効化し、期限までに追加登録がない場合は差替掲示板への掲載が削除されます。掲載削除は差替先へ通知され、差替無効化完了は差替元へ通知されます。差替先に対する要請・申込・審査等の具体的手続は、本文上、容量提供事業者の手順を参照する構成です。
2.5 FIT・FIP電源に関する異議申立
対象実需給年度中にFITまたはFIP制度適用の電源を提供しているのに、容量市場システムにFIT認定ID(FIPも同様)や特定契約終了年月が申告されていない場合、本機関から問い合わせがあります。対象は容量提供事業者または差替元電源等提供者です。差替先電源が疑われる場合は差替元に照会され、差替元が差替先へ連携します。FIT・FIP電源ではないとして申し立てる場合、照会を受領した事業者はメール受領後5営業日以内に申立を行います。差替先の場合は差替元からのメール受領後5営業日以内です。期限までに申立がなければ、本機関はFIT・FIP電源として登録し、強制的に市場退出とします。
通常は「電源等情報変更申込画面」で仮申込後、本申込を完了します。根拠書類(特定契約終了の証明書等)は4MB以下のPDFで提出し、変更理由に「FIT電源またはFIP電源に係る異議申立」と記入します。書類がない場合などは、本文に記載された異議申立係のメールアドレスへの送付による申立も可能です。本文は、混焼バイオマスに非FIT相当分がある場合、石炭・バイオマス混焼FIT電源の認定上のバイオマス比率をゼロに変更する場合、ごみ焼却施設のバイオマス発電で新たに買取上限の設定を申請する場合を申立例として挙げ、条件に応じて非FIT相当分または全量を登録可能としています。異議が認められれば合格通知、不認定なら不合格通知が届きます。不合格結果に再度異議がある場合は通知受領後5営業日以内に申し立てます。再申立がなければFIT・FIP電源として登録され、強制退出と経済的ペナルティの対象になります。また、当該電源で契約した容量提供事業者が参入ペナルティの対象となる可能性があります。
2.6 退出表明に基づく市場退出
容量提供事業者は、事業者都合の退出を容量市場システムの「ペナルティ要素情報登録画面」で登録します。全量・部分退出と電源等差替の実施有無で書類・手続が異なります。全量退出では期待容量等算定諸元一覧は不要で、差替実施済みなら容量確保契約容量全量が解約されるため差替取消手続を行います。部分退出では期待容量等算定諸元一覧が必要です。差替実施済みの場合は、必要に応じ差替容量等算定諸元一覧と差替変更手続も必要ですが、発動指令電源では同一覧は不要です。
登録後、本機関から市場退出表明書等が送付されるため、経緯・理由を記載して提出します。本機関は退出可否を判断し、追加資料を求める場合があります。部分退出では、発動指令電源を除き、電源等区分ごとに期待容量等算定諸元一覧を作成し、「エリア_部分退出_電源等識別番号.xlsx」の形式で提出します。容量市場システムの期待容量情報詳細画面から変更申込を行い、変更後期待容量と理由「部分退出したため」を入力して所定欄にアップロードします。過去に提出した一覧は削除しません。審査開始前に限り申込を取り下げられます。退出登録や表明書に不備があれば通知され、再表明や再提出を求められる場合があります。退出と判断された場合は第3章の手続に進み、請求金額も並行して確認します。退出判断または請求金額への異議は、本機関からのメールに返信して申し立てます。
2.7 給電申合書等の写しの提出
供給指示に関する給電申合書等を締結している場合、写しを4MB以下のPDFにして電源等情報変更申込画面から提出します。ファイル名は「給電申合書等_事業者名_対象実需給年度_電源等識別番号.pdf」です。仮申込で「提出書類(追加)」欄にアップロードし、変更理由に「給電申合書等の写しの提出」と記載した後、本申込で内容を確認して「申込完了」を行います。仮申込だけでは提出完了になりません。審査結果は別途メールで通知され、合格時は電源等情報登録通知書を確認・ダウンロードできます。不合格の場合は理由を確認して締結期限内に必要に応じ再申込し、写しを速やかに再提出します。
第3章:実需給前のペナルティ対応
3.1・3.2 算定額・返金額の確認
経済的ペナルティ通知を受けた容量提供事業者は、容量市場システムで実需給年度とペナルティ要素管理番号を検索し、詳細情報とPDFのペナルティ通知書を確認します。通知書には算定額、契約・電源情報、退出区分・容量、係数・算定根拠等が記載されます。発行通知受領日から5営業日以内にメールで異議申立が可能です。返金対象者にはペナルティ返金額通知書がメール送付され、返金額、返金区分、オークション約定価格、退出容量等を確認します。返金区分として、調達オークション非開催、調達オークション約定価格がメインオークションを下回る場合、両価格の差がメインオークション約定価格の5%未満の場合が示されています。返金通知への異議も受領日から5営業日以内にメールで申し立てられます。いずれも再検討結果はメールで通知され、通知書が再発行される場合があります。
3.3・3.4 請求内容と支払通知書
請求内容はメールで送付され、変更契約書または解約合意書に記載されます。事業者は内容を確認し、契約書等の締結とペナルティ支払を行います。支払通知書では事業者情報、支払額・期日、対象年度・月、電源別明細と合計等を確認します。保有する全電源の明細があること、算定結果通知書・容量確保契約金額通知書と一致することを確認します。経済的ペナルティ額および各月の容量確保契約金額は、電源等識別番号単位で1円未満を切り捨てます。支払通知書への異議は受領日から5営業日以内にメールで申し立てられ、再検討結果はメールで通知され、通知書が再発行される場合があります。
3.5~3.7 支払、督促、返金入金
事業者は請求に基づき、支払期限日までに指定口座へ振り込みます。支払期日を過ぎると本機関から電話連絡があり、事業者は振込状況を確認して指定メールアドレスへ報告します。電話後も未払いの場合は督促状、さらに未払いの場合は内容証明郵便が送付され、それぞれ内容を確認して対応策を策定し、メールで報告します。返金時は、事前に送付された支払通知書の返金額と実際の入金額を照合します。入金額への異議は入金日から5営業日以内にメールで申し立てられ、検討結果がメールで通知されます。
図表の業務手順全体図では、3.4の支払通知書確認、3.5の振込と入金確認、3.6の電話・督促状・内容証明郵便への対応、3.7の返金額確認と異議申立の流れも示されています。ただし、これらの図の範囲では個別の期限や支払条件の詳細は示されていません。
改定履歴
提示された変更履歴は2024年9月18日の初版(新規作成)のみです。業務内容に影響しない誤字等は随時修正すると記載されています。