文書の対象と範囲
本資料は、電力広域的運営推進機関が2023年8月2日に発行した「容量市場業務マニュアル メインオークションの参加登録・応札・容量確保契約書の締結編」の一部で、主な対象実需給年度は2027年度です。容量市場メインオークションに参加する事業者に向け、参加登録、電源等情報・期待容量の登録、応札、算定諸元一覧の提出、落札後の容量確保契約の締結・変更・解約の手続を説明しています。参加登録前に募集要綱を確認するよう案内されています。本文は抜粋であり、記載のない期限や手続の詳細は補えません。
参加登録の全体像と参考日程
参加登録は、事前手続き、事業者情報、電源等情報、期待容量の登録で構成されます。登録しても応札は必須ではありません。応札には対象実需給年度のメインオークション参加資格通知書が必要で、期待容量登録完了後、応札受付開始前に発行されます。落札事業者は容量確保契約の手続を行います。
2027年度向けの参考日程は、事業者情報の登録受付が2023年8月4~10日(審査は8月4~18日)、電源等情報が8月4~25日(審査は8月4日~9月6日)、期待容量が9月8~20日(審査は9月8日~10月4日)、応札が10月13~25日、応札容量算定に用いた期待容量等算定諸元一覧の提出が10月26日~11月1日、約定結果の公表が12月頃(予定)です。日程は不測の事態により変更される可能性があり、変更時は本機関のホームページまたは容量市場システムで周知されます。各登録後に審査が行われ、結果はシステムを通じて通知されます。
登録対象・条件と例外(1.2)
募集対象エリアは日本全国ですが、沖縄地域とその他地域の離島は除外されます。主な区分・条件は次のとおりです。
- 安定電源:供計ガイドラインに基づく期待容量が1,000kW以上。調整式・貯水式水力、発電可能時間3時間以上の揚水式水力、火力、原子力、再生可能エネルギー、放電可能時間3時間以上の蓄電池など。
- 変動電源(単独):安定的な供給力を提供できるものを除く水力・再生可能エネルギーで、期待容量1,000kW以上。
- 変動電源(アグリゲート):同一供給区域の期待容量1,000kW未満の対象水力・再生可能エネルギーを組み合わせ、合計1,000kW以上の供給力を提供するもの。
- 発動指令電源:安定供給が困難な事業用電気工作物、特定抑制依頼、または期待容量1,000kW未満の発電設備等により、1,000kW以上の供給力を提供するもの。複数電源等の組合せを含みますが、変動電源および変動電源のみの組合せは除外されます。
安定電源は、応札容量を供給したうえで需給ひっ迫時にそれを超える供給力を発動指令電源として提供できる場合、1計量単位を両区分に登録できます。需給ひっ迫時とは、前日以降の需給バランス評価で低予備率アセスメント対象コマに該当すると判断された場合です。
実需給年度とFIT買取期間が重なるFIT電源は原則登録できませんが、併設非FIT電源の差分計量等で計量できる非FIT相当分、混焼バイオマスの非FIT相当分、認定上のバイオマス比率を零に変更する石炭・バイオマス混焼電源の全量、ごみ焼却施設のバイオマス発電が新たに買取上限を設定する場合の非FIT相当分は、記載の条件に応じて登録可能です。バイオマス比率変更のFIT制度上の手続は実需給開始前に行い、参加登録時の提出書類は不要ですが、参加登録時から比率を変更する場合は本機関への申告が必要です。実需給年度と適用期間が重なるFIP電源はFIT電源に準拠して扱われます。
このほか、業務規程第33条に基づく電源入札で落札した電源、実需給年度中に供給力を提供できない電源、専ら自家消費・自己託送・特定供給・特定送配電事業者の利用に供される電源、実需給期間中に所定の発電量調整供給契約または接続供給契約がない電源等は原則登録不可です。ただし、自家消費等の必要容量を超えて供給可能な容量(逆潮流可能な場合を含む)は登録可能とされ、自己託送等では該当分を発電容量から差し引いて登録できる場合があります。運用・契約形態に応じて本機関への個別問い合わせが案内されています。実需給開始前に最終保障供給であっても、実需給期間中に所定の契約が締結されていれば登録可能です。
石炭主燃料の発電所について、設計効率がHHV・発電端で42%以上であることを申請する場合、建設時または設備改造時の設計効率を確認できる書類を提出します。証憑の準備が難しい場合は、登録受付期間前でも窓口へ早めに相談するよう記載されています。
システム利用の準備と事業者情報(1.3、第2章)
事業者情報・電源等情報の登録前に、事業者コード、クライアント証明書、該当する場合は系統コードを用意します。申込集中時は取得に最大3週間程度かかる可能性があります。事業者情報登録には事業者コードが必要で、自己託送用とそれ以外のコードがある場合は自己託送用でないコードを使用します。システムへのアクセスには事業者コードごとのクライアント証明書が必要です。期限切れ前にログインし、事業者情報変更から新証明書情報を登録します。期限の異なる証明書は複数登録できます。電源等リスト単位で参加する変動電源(アグリゲート)・発動指令電源にはリストごとの系統コードが必要で、計量器に未発番なら既取得の電源でも新規取得が必要です。FIT混焼バイオマスでFIT分・非FIT分のコードを分けている場合は非FIT分を登録します。
既に事業者情報を登録済みなら新規登録は不要で、内容を確認し必要に応じて修正します。様式3の誓約書をシステムで提出済みの場合も再提出不要です。新規登録では必要項目を入力し、ウェブサイトから取得・記入・押印した誓約書をアップロードします(原本郵送不要)。審査合格時は登録完了と管理者ユーザ2件分のログイン情報がメールで届き、初回ログイン時にパスワード変更が必要です。仮パスワードは通知日を含め3日間有効です。不合格時は理由が通知され、再申込は登録手続を最初から行います。変更・取消は仮申込後に「審査申込状況一覧」等から申込完了操作が必要で、審査開始前に限り取下げ可能です。変更では理由を記入し、内容によって誓約書の提出を求められる場合があります。取消合格後はログインできなくなります。
電源等情報(第3章)
電源等情報は事業者情報登録完了後に登録します。区分ごとに事前準備、基本情報・詳細情報の入力、仮申込、申込完了の順で進み、変動電源(アグリゲート)は事前にExcelの小規模変動電源リストを作成します。2026年度向けに登録された情報は本機関が2027年度向けに登録しますが、取次により登録されたと思われる情報は引き継がれず、新規登録が必要です。引継ぎ情報も確認・修正します。実需給年度時点の想定情報であることを確認し、期待容量等算定諸元一覧または発動指令電源のビジネスプラン申請書の確認欄にチェックして提出します。チェックがなければ再提出を求められます。
登録情報は原則として実需給年度時点の想定内容とし、基本情報は1計量単位ごと、詳細情報は号機(ユニット)ごとに登録します。書類はシステム経由で提出し、写しで構いません。合理的理由により新設電源の既設電源向け書類が準備できない場合、準備できるまで期限延長が認められることがありますが、接続検討回答書または工事計画届出書は登録時に提出します。指定書類以外も、機関が登録項目を判断できる場合は代替可能で、必要に応じ追加書類を求められます。提出範囲は表紙と該当ページでよく、該当箇所に印を付けます。ファイル名は拡張子込み50文字以下です。
安定電源・変動電源(単独)では、名称、受電地点特定番号、系統コード、エリア、同時最大受電電力などを登録し、詳細情報は参加する号機について登録します。新設で未発番の場合、受電地点特定番号は22桁の「9999999999999999999999」、系統コードは「YYYYY」を入力します。複数エリア接続時は主な接続エリアを選びます。受電地点特定番号は22桁であることを確認します。所有者名が申請者名と異なる場合は取次合意を確認できる書類が必要です。電源種別・発電方式・設備容量等は所定の届出書類等で確認し、FIT認定を受けている場合は認定ID確認書類を提出します。2011年4月以降運転開始の電源は運開年月の書類が必要で、2011年3月末以前は原則不要です。太陽光の部分運開では全体の運開年月、風力では詳細ユニット単位で控除対象かを判断します。増出力した控除対象電源は増出力分も控除対象です。調整機能がある場合は実需給年度前に余力活用契約を締結し、契約書等を実需給年度前年の12月までに提出します。
変動電源(アグリゲート)のリストは実需給年度時点の情報を1計量単位ごとに記載します。4MB超または内訳10,000件超の場合は分割します。家庭用低圧連系で同時最大受電電力がない場合は書類不要で値を「99999999」とし、個別系統コードがない電源は低圧群コードを入力します。設備容量はリスト内で0.1kW単位(小数点第2位以下切捨て)、登録詳細情報では合計を1kW単位(小数点第1位以下切捨て)で入力します。提出書類は実需給年度の3年前の3月末日までで、2027年度の例は2024年3月末日です。合理的理由が認められれば延長の可能性があります。所有事業者が異なる電源を含める場合、登録前に所有事業者の合意を得ます。書類はシステムに登録せず、CD-R等で郵送し、前年度までに提出済みで変更のないものは再提出不要です。
登録・変更・取消は仮申込だけでは完了せず、審査画面で内容を確認して申込完了操作を行います。審査開始前に限り取下げ可能です。不合格時は理由を確認し、修正・書類追加のうえ再申込します。対象年度が異なる情報は別情報として扱われ、共通の変更でも年度ごとに申込が必要です。電源等情報を取消できない場合があり、その場合は容量確保契約の解約手続等が必要です。運開年月が2010年度以前の電源は経過年数に応じた控除対象ですが、画面・通知書の表示に関する注意があり、入札内容に応じた控除は入札結果によって判定されます。
期待容量(第4章)
期待容量はメインオークションで応札できる容量の最大値です。応札希望者は毎年、応札前に登録し、過去に登録済みでも2027年度向けは新規登録が必要です。算定は供計ガイドライン、本機関の考え方・調整係数、期待容量等算定諸元一覧等に基づきます。発動指令電源を除き、供給計画に計上見込みのある電源が対象ですが、所有者が発電事業者に該当しない場合等は除外されます。登録時は電源等情報が実需給年度時点の想定情報であることを確認し、所定の確認欄にチェックします。
安定電源は様式15または16、変動電源(単独・アグリゲート)は様式15-3を用います。安定電源・変動電源(単独)は1計量単位ごと、アグリゲートはリスト単位で算定し、各区分の期待容量は1,000kW以上です。入力値は整数で、発電方式に応じた項目を入力します。安定電源では複数ユニットを原則ユニットごとに算定して合算しますが、発電方式区分が同じならまとめて算定することもできます。計画補修等による停止電力は差し引きません。発動指令電源は登録単位で1kW刻み、1,000kW以上で算定します。実需給の4年前のオークションでは実績と将来計画を踏まえ、実需給年度の2年前の実効性テスト結果に基づいて最終容量が確定します。夏季は7~9月、冬季は12~2月です。
通常申込はシステム入力、書類添付、仮申込、審査画面での申込完了の順です。不合格時は審査コメントに従い修正・再提出し、ファイル名末尾に改訂回数を付けます。期待容量変更は原則としてメインオークションの期待容量登録期間中に可能です。ただし応札期間終了後、発電設備更新等で期待容量を増加させる場合は変更後の値を入力します。変更理由を記入し、仮申込後に申込完了操作を行います。受付締切日は募集要綱を参照するよう記載されています。一般送配電事業者が調達するブラックスタート機能付き純揚水電源は、算定用運転継続時間からブラックスタートに必要な電力量相当分を除きます。
応札と算定諸元一覧の提出(第5章)
参加資格通知書は対象年度の期待容量登録完了後、応札期間前に発行され、システムで閲覧できます。発動指令電源は実効性テストで契約容量の供給力を確認するため、本章の応札容量算定は不要です。安定電源は期待容量登録時の一覧をダウンロードして必要項目を追記し、変動電源は様式17を用いて発電方式別に算定します。ファイル名は「エリア_応札容量_電源等識別番号.xlsx」です。応札では電源等ごとに応札容量と価格を登録し、容量は1,000kW以上かつ期待容量以下を1kW単位、価格は0円以上を1円単位で入力します。登録後は一覧で「応札済」を確認し、応札受付期間中は容量・価格の変更や取消が可能です。安定電源を発動指令電源としても登録する場合、双方で応札情報登録が必要です。
応札した事業者は、応札受付期間終了後5営業日以内に応札容量算定に用いた期待容量等算定諸元一覧を提出します。2023年の日程例は10月26日~11月1日です。発動指令電源は提出不要ですが、他区分は期待容量登録時に一覧を提出済みでも再提出が必要です。システム上で期待容量情報の変更申込としてアップロードし、変更理由に「応札容量を追記したため」と記入します。期待容量欄は変更せず、仮申込後に申込完了操作を行います。不備の通知があり、期限までに適切に提出しない場合は市場退出とみなされる場合があります。
約定処理は受付終了後に行われ、結果決定まで約2か月かかるとされています。落札・非落札ともメール通知され、システムで確認できます。2027年度を対象とする調達オークションには、メインオークションに応札しなかった電源等は原則参加できませんが、期待容量登録時点で供給力として確定していないものは除かれます。例外条件は調達オークション募集要綱で公表されます。
容量確保契約(第6章)
契約書は本紙、システムで確認する別紙、ホームページ掲載の約款で構成されます。応札情報の登録完了を契約申込みとみなし、約定結果公表日に公表内容に従って契約が成立し、効力発生日・締結日も同日です。落札事業者はメール通知後に本紙・別紙を確認し、修正不要なら「無」、必要なら「有」と依頼日を含む100文字以内の依頼事項を入力します。本機関の承認後、郵送された契約書2部の甲欄に記名・押印し、押印日を記入して1部を返送し、1部を保管します。収入印紙は不要です。
契約変更の主な事由は、権利義務・地位の譲渡、事業者名の変更、発動指令電源の実効性テスト最終結果が契約容量を下回る場合、調達オークション落札、リリースオークションによる容量売却、電源等差替、市場退出などです。別紙変更でアセスメント対象容量の再算定が必要な場合、本機関が一覧提出を依頼します。変更後の容量と契約容量等を確認し、更新一覧を提出して審査を受けます。ファイル名は「エリア_契約変更_電源等識別番号_変更回数.xlsx」(1回目はR1)です。
解約事由に応じ、解約合意書または解約通知書が送付されます。事業者が締結する全電源等の全量が市場退出する場合は解約合意書、それ以外の列挙事由(監督官庁の業務停止等、支払不能、信用状況悪化、倒産手続、解散、市場支配力行使等)は解約通知書とされています。本機関が解約該当と判断する場合も手続が必要です。合意書はシステムで確認・修正依頼を行い、承認後に2部が郵送されます。記名・押印して1部を返送し、1部を保管します。解約通知書の場合は、本機関指定の日付で契約が解約されます。
改定履歴・照会先
変更履歴は2023年8月2日の初版(新規作成)のみで、業務に影響しない誤字等は随時修正するとされています。不明点は容量市場問合せ窓口へ問い合わせできますが、審査状況等への回答はできないとされています。