文書の対象・範囲
本文は、電力広域的運営推進機関が業務規程第32条の5に基づき作成した「容量市場業務マニュアル 実効性テスト編」の一部です。第1版の発行日は2025年1月30日で、主な対象実需給年度は2027年度です。対象者は発動指令電源を登録する事業者で、2027年度向けメインオークションで容量確保契約書を締結済みの事業者、メインオークション非落札で追加オークションに参加する事業者、追加オークションから参加する事業者を含みます。後二者は提供可能容量の評価のため2025年度の実効性テストに参加する必要があるとされています。追加オークションを開催するかは、2026年4月頃に需給状況を踏まえて判断される予定です。
本文は第2章「電源等リスト登録」と第3章「実効性テスト」等の手続を扱いますが、マニュアルの一部であり、全体の結論や本文にない要件は示していません。改定履歴は2025年1月30日の初版(新規作成)のみです。業務に影響しない誤字等は随時修正するとされています。
電源等リスト登録(2.1)
対象事業者は、容量市場システムから所定のExcel様式(様式9)を提出します。リストには2027年度時点で想定する発動指令電源の内訳を計量単位ごとに記載します。容量市場へ参加予定の事業者は、事前に事業者情報・電源等情報・期待容量の参加登録が必要です。提出依頼は2025年1月下旬から2月中旬に登録メールアドレスへ送付され、リストの提出期限は2025年2月末日です。審査不合格で修正が必要な場合の修正登録期限は2025年4月末日です。
登録は、電源等情報詳細画面で「電源等リスト登録」を選び、リストをアップロードして変更理由に「電源等リストの提出」と記入し、「確認」「実行」で仮申込をした後、審査タブの電源等情報審査管理から対象を確認して「申込完了」を実行します。完了メールは変更申込の受付を知らせるもので、審査結果は別途通知されます。不備がある場合は審査詳細画面の審査コメントを確認し、速やかに修正して再申込します。登録申込の合格通知は2025年4月末日まで、不合格通知は審査終了日の2025年4月末日の10営業日前までに通知されるとされています。重複を理由に不合格となった場合は、再申込時に契約期間を記載した合意済みエビデンス(様式自由)を提出し、電磁的記録媒体で本機関へ郵送します。期限までに不備が解消されない電源等はアグリゲートリソースとして認められず、リストから除外する扱いです。
リスト登録が完了しない場合、容量確保契約書締結済みの発動指令電源は市場退出(全量退出)となり、未締結の発動指令電源は実効性テスト、調達オークション参加、差替契約締結ができません。
提出ファイルが4MBを超えるか内訳が10,000件を超える場合は分割します。ファイル名にはエリア、事業者コード、対象実需給年度、電源等識別番号、必要に応じ枝番、改訂回数を含めます。電源は名称、受電地点特定番号、電源種別・発電方式、設備容量等を確認できる書類を添付します。新設電源で受電地点特定番号が未発番なら22桁の「9」を記入し、発番後速やかにリストを変更します。BGコード等、登録時に記入できない内容は、記入可能となった時点または実効性テスト前までに記入します。需要抑制は需要家名・供給地点特定番号を記載し、電気料金請求書・検針票等および需要家との合意書を提出します。地点特定番号が未発番の新設の場合も22桁の「9」を記入します。
提出書類は写しでよく、原則2025年2月末日までにCD-R等の電磁的記録媒体で郵送します。本機関が登録内容を確認できると判断すれば指定書類以外で代替でき、合理的理由を認めた場合は提出期限が延長されることがあります。必要に応じ追加書類を求められることがあります。
リスト変更(2.2)
実効性テスト前は、新設電源の地点特定番号・BGコード等が確定した場合、または既設電源の地点特定番号・BGコードが変更された場合にリストを更新します。期限は夏季テストなら2025年5月末日、冬季テストなら2025年10月末日です。更新されない地点は実効性テストで発動実績が評価されません。計量値が取得できない地点や容量市場に不参加となる地点は、発動実績を報告する前に速やかに削除します。
実効性テスト後の変更申込は、テスト後に発動実績を登録し、期待容量が評価済みの対象事業者が対象です。申込期間は2026年10月から2028年2月10日までで、2026年9月末日までは変更できません。実需給期間中は毎月10日締切で、前月11日から当月10日までに申し込みます。不備がなければ最短で翌月1日から変更済みリストが有効です。追加する電源・需要抑制には書類提出が必要ですが、削除には不要です。変更ファイル名には対象実需給年度、電源等識別番号、必要な枝番、改訂回数等を含めます。
オンライン機能・参加条件
オンライン機能(簡易指令システムまたは専用線オンライン)を具備し、通信対向試験後、属地一般送配電事業者とのオンライン指令による性能確認試験結果を容量市場システムへ提出します。期限は、発動指令電源提供者が2025年2月14日、容量市場へ参加予定の事業者が夏季テストなら2025年6月20日、冬季テストなら2025年11月20日です。既にオンライン機能を具備し、最新のエネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するサイバーセキュリティガイドラインへの準拠書類を提出した場合は、試験結果の提出が不要です。前年度までに提出済みで内容に変更がなければ再提出も不要ですが、ガイドライン改定時は最新ガイドラインへの準拠書類を改めて提出します。
通信対向試験でオンライン機能の設置未完了と本機関が判断した場合、または設置要請に応じない場合、登録した発動指令電源は全量退出となります。ただし、一般的に必要な工期を踏まえて適切な時期に設置を依頼していたものの工事が遅延している場合に限り、締切日後でも実効性テスト前までの通信対向試験完了が認められます。記録型計量器・自動検針が未対応の地点は、一般送配電事業者のプロファイリング計量値で評価するか、リストから削除するかを対象事業者が選択します。
リソースは同年度に登録する需給調整市場のリスト内リソースと重複登録できますが、各市場等の要件を満たす必要があります。調整力指令との重複があっても、実効性テストでは計量値に基づく実績で期待容量を評価します。FIT送配電買取(特例③)の電源は参加できません。FIT買取期間終了後に管理主体が発電事業者等へ移管された場合、およびバイオマス混焼の非FIT相当分は参加可能です。2027年3月末日までにFIT買取が終了する電源は2025年度のテストに参加できます。FIT電源はFIT認定ID等を記載し、バイオマス混焼は予定比率、FIT調達上限比率、計量・仕訳区分等を該当条件に応じて記載します。
実効性テスト前の調整・登録(3.1)
2025年4月10日までにリスト登録を申し込んだ発動指令電源の事業者には調整開始依頼がメールで送付されます。対象事業者は2025年4月末日までに属地一般送配電事業者へ希望季節(夏季または冬季)をメール連絡します。具体的な月日・時間帯は指定できません。調整結果は2025年6月10日までに通知され、通知後速やかに容量市場システムへ実施時期を登録します。実施時期の登録期限は2025年6月20日です。実績利用希望の登録は2025年4月末日までで、実施時期を期限までに登録できない場合は本機関へ申し出ます。
システムでは、実効性テスト以外の発動実績を利用する希望の有無を選びます。「無」の場合は夏季または冬季を選び、変更理由に「実効性テストの実施時期の登録」と記入します。「有」の場合は実施時期を空欄とし、「実効性テスト以外の発動実績を利用するため」と記入します。仮申込後に審査タブから「申込完了」を行います。この登録は審査がなく、完了と同時に反映されます。
テスト・発動実績算定(3.2)
テストは原則、希望季節に調整されます。夏季は7月1日から9月30日、冬季は12月1日から2月末日までに実施し、特定の6コマについて、属地一般送配電事業者がオンライン機能(簡易指令システムを含む)で3時間前までに指令します。指令設定は土日祝日を除く9時から20時で、2日連続となる場合があります。夏季テスト後は夏季・冬季各1回、計2回、冬季テスト後は冬季1回の再テストが可能です。代替実績を提出予定でテストを受けない場合は、速やかに同事業者へ連絡します。
事業者はリスト内の各リソースから供給力を提供し、発電販売計画または需要抑制計画に反映します。供給力の精算は基本的に属地一般送配電事業者とのインバランス精算です。ただし、余力活用契約を締結した1地点複数応札リソース、およびテスト時に需給調整市場と同時約定していた1地点複数応札リソースのOP等増出力分は調整力精算です。
算定では各地点の30分値6コマの発電量調整受電電力量・接続供給電力量と、ベースライン用の指令日前30日分の接続供給電力量を取得します。計量値が取れない地点は報告前にリストから削除します。電源のベースラインは0で、1地点複数応札の場合は当該安定電源のアセスメント対象容量です。需要抑制はDR実施日当日を除く直近5日から所定の除外日等を除いたhigh 4 of 5で仮ベースラインを算出し、実施時間の5~2時間前の6コマから当日調整値を算出して調整します。負のベースラインは0です。除外日、4日分に満たない場合の選定方法、経済DR実施日の扱い・申出方法は本文の注記に定められています。
発動実績算定諸元一覧(様式10)は電源等リスト単位で作成します。電源シートには受電地点特定番号、名称、BGコード、計量・仕訳区分等を記載し、発電量調整受電電力量は一般送配電事業者から受領する通知等を参照します。ベースライン欄は0固定のため入力不要です。需要抑制シートでは、託送供給等約款に基づく電圧区分ごとの損失率、需要家名、電圧区分、計量・仕訳区分、確定使用量等を記入します。部分供給は全量、自己託送地点は小売供給分を用います。所定の入力から発動実績等が自動算定されます。
本文には計量・仕訳区分ごとの記載条件もあります。バイオマス混焼の非FIT分は、同じFIT・非FITペアフラグの計量値をコマごとに合算し、(100-バイオマス比率)÷100を乗じます。FIT分の実績は零とし、実需給年度前にFIT買取終了またはバイオマス比率を零に変更予定の場合もその実績は非FIT分に含めます。端数は高圧・特高で小数第1位、低圧で小数第3位に四捨五入します。部分買取ではリストにない地点(BGコード)の実績は評価されません。容量提供事業者が託送契約等を結んでおらず一般送配電事業者から直接計量値を取得できない場合は、契約を結ぶ事業者から計量値の提供を受けられる環境を整える必要があります。
各地点・コマの発動実績を算定して合算し、達成率・未達成率からコマごとのリクワイアメント未達成量を求めます。6コマ分の合計を3で除した値が実効性テスト未達成量[kW]です。2日連続テストでは1日目、2日目、または2日間平均を選べます。テスト後の期待容量は、未達成量が0なら6コマの発動実績合計を3で除し、未達成量が正ならアセスメント対象容量(契約未締結の場合はテスト前の期待容量)から未達成量を差し引きます。端数処理は本文の指定に従います。
再テスト(3.2.3)
再テストを希望する場合、同時期ならテストの1週間後まで、別時期ならテスト(夏季再テストの場合は当該再テスト)の2か月後までに、属地一般送配電事業者へ希望時期を連絡し、その後速やかにシステムへ登録します。季節ごとに1回が上限です。希望登録は対象季節を「有」とし、変更理由に「再テスト希望の登録」と時期を記入します。取り下げは対象季節を「無」とし、「再テスト希望の取下げ」と記入します。仮申込後に申込完了操作が必要で、審査はなく完了と同時に反映されます。
発動実績報告(3.3)
市場退出者を除く全ての電源等リスト登録者に、2026年2月上旬頃、発動実績報告依頼がメールで送付されます。実効性テストまたは他の発動実績を未報告の対象事業者は2026年3月10日までに報告します。依頼前の自主報告も可能です。2026年2月にテストを実施し期限までに報告できない場合は本機関へ申し出ます。期限までに未報告なら、契約締結済みの発動指令電源は全量退出となり、未締結の発動指令電源は調達オークション参加・差替契約締結ができません。実需給年度中の報告方法・期限は別マニュアルで案内されます。
報告には様式10の発動実績算定諸元一覧を用います。実効性テスト結果またはテスト実施年度に一般送配電事業者から受けた発動指令への対応実績を選べます。再テストをした場合、対象事業者が任意に選択した結果を含められます。他の発動実績を代替利用するには、リスト内の全地点が同一期間の同一指令に応じた電源等である必要があります。2027年度を対象とする例では、2025年度の発動実績が対象です。
ファイルが4MBを超えるか内訳が10,000件を超える場合は分割し、分割時は枝番を付けます。2日連続テストで2日間平均を選ぶ場合は、1日目・2日目の発動実績等も報告します。容量確保契約締結済みの場合、様式にはメインオークションの応札容量を記入し、契約容量は記載しません。ベースラインから除外した日付は年月日で記載し、対象例には過去のDR実施日、需給ひっ迫警報・注意報期間中の経済DR日、広域予備率低下に伴う供給力提供通知日に実施した経済DR日が含まれます。後二者の経済DR実施時には本機関への申出が必要です。
期待容量変更の申込・審査結果
発動実績の登録は、容量市場システムの「参加登録」から「期待容量情報管理」へ進み、対象情報を開いて「変更」を選び、必要事項・変更理由を入力し、様式10をアップロードして行います。実効性テスト実績の場合はテスト後の期待容量を入力し、「実効性テスト・発動実績値登録」を「完了」にします。1,000kW未満でも入力が必要です。変更理由には実績種別、テスト時期、発動年月日、開始・終了時刻等を記載します。他の発動実績の場合は、一般送配電事業者の発動指令対応実績から算出したリスト全体の期待容量(送電端換算値)を入力し、実績種別・発動年月日・開始・終了時刻を記載します。
「確認」「実行」で仮申込となり、申込完了には審査タブの「期待容量情報審査管理」で対象を確認して「申込完了」を押します。完了通知は登録メールアドレスに送付されます。審査開始前に限り、申込を取り下げられます。
テスト後の期待容量がアセスメント対象容量を上回る場合、容量確保契約容量は変わらず期待容量のみ変更されます。下回る場合は容量確保契約容量と期待容量が変更されます。メインオークション時の期待容量とも異なる場合は、テスト後の期待容量に変更されます。申告値と本機関の算定値が一致すれば審査結果と期待容量変更の完了通知が届き、本機関が評価した期待容量、算定諸元一覧、審査結果CSVがシステムに登録されます。登録完了メール受領後、内容を確認します。
契約締結済みの発動指令電源は、調整係数反映後の期待容量が1,000kW未満なら全量退出です。同値が1,000kWを上回り契約容量を下回る場合は差分が部分退出です。市場退出通知後は、本文が参照する2027年度「実需給前に実施すべき業務(全般)編」第2章2.6・第3章に従って速やかに手続きし、2026年4月10日までに手続きされなければ本機関が市場退出手続きを行います。契約未締結の場合、調整係数反映後の期待容量が1,000kW未満なら調達オークション参加および差替先としての電源等差替ができません。
算定値が一致しない場合は審査・期待容量変更登録が否認され、理由は審査詳細画面の審査コメントで確認します。報告内容を修正して再度報告します。不備が解消されない場合、契約締結済みの電源は全量退出となり、2026年4月10日までに解消されなければ本機関が退出手続きを行います。2026年2月のテストにより同期限までの解消ができない場合は本機関へ申し出ます。契約未締結の電源は調達オークション参加や電源等差替ができません。