第36回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会 まとめ
資料の背景と目的
この資料は、第36回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会での議論をまとめたものであり、主に三次調整力の調達不足に関する要因と市場ルールの見直しに関する提案を含んでいる。
主要な検討内容
1. 調整力の調達・運用方法の変遷
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2020年度以前:
- 一般送配電事業者は、電源I・a・I・bを基に調整力を確保し、年間を通じて高需要時でも必要量を確保していた(最大7%)。
- 必要供給力・調整力は、電源Iと電源IIを組み合わせて需給調整を行っていた。しかし、GCの概念は存在しなかった。
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2021年度:
- 堅持された調達手法に基づき、H3需要に応じた需給調整を実施。
- 調達不足という新たな論点が浮上し、今後の市場活性化のための対策が求められている。
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2022年度以降:
- 調整力の調達方法が見直され、三次調整力を需給調整市場から毎週調達することとなった。
- 2024年度には全ての調整力を需給調整市場から調達する予定である。
2. 三次調整力調達不足の要因
- 第23回需給調整市場検討小委員会での議論を基に以下の要因が確認された:
- 市場取引に参加する取引会員が少ない(11社)ため、競争が活性化していない。
- 応札量が限定的であるため、市場活性化に向けた具体的な対策が求められている。
検討事項
1. 市場ルール見直し
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グループ調達における課題:
- 市場参加者が少ない現状では、調達不足を解消するための市場ルールの改善が必要である。
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市場活性化に向けた具体的項目:
| 分類 | 検討項目 | 具体的内容 |
|---|
| 応札量増加対策 | 商品ブロック時間の見直し | ブロックを細分化または短縮することで、応札量を増やす。 |
| 下げ代不足対応 | バランス停止機を応札することで調整。 | |
| 応動時間の見直し | 応動時間を延長。 | |
2. 取引会員からの主な意見
- アンケート結果において、以下の要望が寄せられた:
- 商品ブロック時間の見直し。
- 複数ブロック約定の導入。
- 募集量の減少。
今後のスケジュール
- ブロック時間の見直しや市場ルールの改善に向けたシステム改修が必要である。
- 2024年度のシステム対応完了に向けた調整が求められている。
下げ代不足への対応策
検討内容
- 需給調整市場検討小委員会では、太陽光出力が大きく残余需要が少ない時間帯において、下げ代不足によりBGバランスで停止するユニットが三次調整力に応札することを見送る場合があることが指摘された。
- JERAからGCまでの販売電力量減少に備え、下げ代のバッファを考慮する必要があるとされた。
提案された方法
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方法1: TSOによるユニット並解列
- 概要: BGバランスで停止予定のユニットが落札された場合、BGバランスに組み込まず運転を行う。最低出力分は、実需給の当日にTSOが調整力を抑制することで確保。
- メリット: 応札量の増加が期待でき、調達不足の改善に寄与。
- デメリット: 実務対応が必要となるため、データ連携や契約内容変更が求められる。
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方法2: 需給当日のユニット解列
- 概要: BGバランスで停止予定のユニットが落札される場合、実需給当日にBGバランスで余剰インバランスが見込まれる場合に解列を許容。
- メリット: 実務面の対応が少なく、TSOとの協議で進められる。
- デメリット: 応札量の増加期待は限定的。
| 実施方策 | 方法1: TSOによるユニット並解列 | 方法2: 需給当日のユニット解列 |
|---|
| メリット | 応札量の増加が期待できる | 必要な事務処理が少ない |
| デメリット | 実務対応が必要 | 有効性が限定的 |
| 応札量の増加見込み | 高い | 低い |
今後の方針
- 方法1は、2023年度の対応として検討し、BGとTSOの情報連携や費用清算方法を引き続き検討する。
- 方法2は、恒久的な対策として取り入れることも検討し、実務面の詳細やシステム対応要否を確認する。
課題・リスク
- 下げ代不足の状況が続く中、応札量の増加が見込まれるものの、実務面での調整やシステム対応が求められることに注意が必要である。
結論
この資料では、調整力に関する市場ルールの見直しが強調されており、今後の市場活性化に向けて具体的な方策が検討される必要がある。特に、取引会員の増加や応札量の拡大が重要な課題となる。