第36回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会の議論内容
本資料は、第36回調整力の細分化及び広域調達の技術的検討に関する作業会での議論を整理したものであり、主に複合約定ロジックとその評価に関する事項に焦点を当てる。
議論の基本目的
本日の議論の中心は次の2点である:
- 複合約定ロジックの評価
- 複数の商品に対して単一のリソースが入札可能な場合の運用方法と市場への影響。
- 調達量の低減とコスト削減
- 複合約定ロジックが調達量およびコストの低減に寄与する可能性。
主な検討内容
複合約定ロジックの評価
評価対象は以下のポイントである:
- 複合契約導入による必要量の低減効果。
- 複数商品を同時に落札したリソースが需給調整に与える影響。
不等時性を考慮した調達
- 不等時性の影響: 各商品毎の最大必要量が同時に発生することは少ないため、単一リソースが複数商品に入札できることで調達量の合計が低減可能である。
- 調達コストの低減: この調達量の低減は、調達コストの削減にも寄与すると考えられる。
統計的分析
- 複合約定の導入により、必要量は年間平均で11~16%から6~9%に減少し、約4割の低減が確認されている。
必要量の算定方法
必要量は以下の算定式に基づく。
- 一次調整力: 残余需要元データ − 元データの10分周期成分の3σ相当値
- 二次調整力: 残余需要予測誤差の3σ相当値による評価
- 三次調整力: 残余需要予測誤差の連続量と系統容量抵分値
不等時性を考慮した必要量の算定
- 複合契約時における必要量は、残余需要元データから再生可能エネルギーの予測値を引いた3σ相当値を用いる。
二次調整の重複量の算定結果
概要
エリアごとの二次調整の重複量は1%未満であり、エリア間でばらつきが見られる。この結果は、複合約定時の必要量が6~9%であったことから、EDCの動作領域に不足が生じる可能性を示唆している。
重複量の具体数値
| エリア | 重複量 [%] |
|---|
| 北海道 | 0.6 |
| 東北 | 0.3 |
| 東京 | 0.1 |
| 中部 | 0.3 |
| 北陸 | 0.6 |
| 関西 | 0.2 |
| 中国 | 0.3 |
| 四国 | 0.1 |
| 九州 | 0.5 |
| 9エリア平均 | 0.3 |
注: 上記データは2020年度供給計画第1年度に基づいている。
EDC動作量不足時の対応
EDCの動作領域に制限を設けても、需給バランス調整に対する支障は直ちに発生しないと考えられる。主な理由は以下の通りである:
- 他エリアからのEDC調整力の融通が期待できる(広域需給調整システム KJCの利用)。
- EDC動作量が不足した場合、LFCによる出力調整が行われる。
2024年度から開始される全商品の市場取引においては、複合契約を導入し、実運用の中で需給バランス調整に影響を及ぼす事象が見られた場合、EDC領域の必要量を見直すことが提案されている。
広域需給調整システムの融通効果
融通実績
広域需給調整システム(KJC)により、他エリアから融通されたEDC調整力の実績(2021年度4〜7月)は、9エリア平均で**0.6%**となっている。この実績は、EDC動作領域に制限を設けた運用においてもEDC調整力が融通されることを示唆している。
再掲: EDC発動制約
| エリア | 発動制約 [%] |
|---|
| 北海道 | 0.6 |
| 東北 | 0.3 |
| 東京 | 0.1 |
| 中部 | 0.3 |
| 北陸 | 0.6 |
| 関西 | 0.2 |
| 中国 | 0.3 |
| 四国 | 0.1 |
| 九州 | 0.5 |
| 9エリア平均 | 0.3 |
まとめ
- 複合約定ロジックの導入は、調整力の調達量を低減し、調達コストの削減にも寄与する可能性が高い。
- 2024年度における需給調整市場の全商品の取引開始に伴い、複合契約の運用方法が需給調整市場に与える影響について継続的に確認する必要がある。
- EDC動作量の不足はLFCによってカバーされると期待され、直ちに需給バランスに影響を及ぼすわけではないと考えられている。今後の実運用で問題が見受けられた場合には、EDC領域の必要量の見直しを検討することが提案されている。