本資料は、蓄電池以外の長時間エネルギー貯蔵システム(LDES)の技術・コスト・用途と、事業者ヒアリングで把握した課題を整理した政策検討用の参考資料である。導入の決定や制度改正案を示すものではなく、導入・実証・技術支援や制度整理が期待される論点を提示している。調査対象は機械式、蓄熱式、化学式であり、LIBなどの電気化学式は比較基準として扱う。
LDESの必要性として、変動性再エネの拡大に伴う系統安定化、災害時の長時間電力供給、LIBの希少資源に伴う調達リスクの低減を挙げる。技術によっては数日・週・季節単位の貯蔵が可能であり、長時間のタイムシフト、離島の安定供給、重要セクターへの電力供給、慣性力提供などが用途として期待されている。
| 比較軸 | 資料が示す傾向 | 留意点 |
|---|---|---|
| 長時間貯蔵のCAPEX | 放電時間が長くなるほど、kWh当たりCAPEXはLDESで低下しやすい。2030年度も、長時間ではLDESの方がLIBより低い傾向が見込まれる。 | 代表的な諸元に基づく試算であり、技術・設備条件に左右される。 |
| 2030年度のLIB | 100MW・10時間率のデータでは、LIBのCAPEXは2023年度の5.0万円/kWhから3.9万円/kWhに低下する見込みである。 | 将来見通しであり、確定実績ではない。 |
| 性能・寿命 | LDESは一般にLIBより長寿命で、火災リスクや資源制約が小さく、慣性力を提供できる傾向がある。 | 応動時間が遅く、充放電効率は概して低い。技術によって立地制約もある。 |
| 技術成熟度 | 揚水・CAESは商用化済み。重力蓄電、LAES、CO₂バッテリー、蓄熱式、PtGtPなどは実証段階を含み、商用化時期は技術ごとに異なる。 | 実証事例や商用化見込みは資料作成時点の情報である。 |
技術ごとの特性も異なる。機械式は長時間の電力供給や慣性力提供に向く一方、応動の遅さ、kW単価、立地が課題となる。蓄熱式は熱供給が可能だが成熟度と電力への変換効率に課題があり、PtGtPは生成水素を他用途に使える一方、電力への往復効率が低い。
英国・米国では実証支援、豪州・スペインでは導入助成、カナダでは定置型蓄電設備等への税額控除が設けられている。支援対象や条件は国ごとに異なり、世界的に導入・実証支援が広がっているという整理である。国内外では実証や建設中の案件が複数あり、資料は商用化が2020年代後半以降となる技術が多いと見込む一方、CAESは商用稼働例がある。
事業者ヒアリングでは、国内にも容量市場に落札し、需給調整市場や卸電力市場での取引を予定する事業があるとされた。海外にはトーリング契約の事例もある。ただし現状は技術開発費が大きく、効率の低さに伴う損失分の託送料金・賦課金負担も課題である。また、蓄電池・揚水と同様に容量拠出金相当額の支払いが課題として挙げられた。
事業者からは、導入支援に加え、技術開発・実証への支援拡充、蓄電所としての機能を踏まえた特別措置法の適用検討、容量拠出金相当額の支払い見直しが要望された。さらに、長期脱炭素電源オークションで10時間以上などの長時間率に応札枠を設けることや、慣性力提供を評価する仕組みが提案されている。これらは事業者の要望・検討論点であり、制度変更が決定したことを示すものではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「蓄電池以外のエネルギー貯蔵システム(LDES)の技術動向・課題整理」(経済産業省)(https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/index.html)をもとに当社作成
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