一般送配電事業者は、9エリアの中給システムを共有化し、仕様統一から全国共通の需給運用基盤へ発展させる計画である。2025年11月に基本設計を完了し、詳細設計へ移行した。運用開始は2032年度を目指すが、試験での課題や制度変更による大幅な仕様変更があれば変更される可能性がある。運用開始前には既存システムからの切替と運用評価が必要であり、切替方法や既存システムとの並行運用は今後検討する。
| 構成 | 主な役割・範囲 |
|---|---|
| メインシステム | 全国の需給機能を一元処理し、需給状況と連系線・エリア内基幹系統の潮流制約を考慮。災害対策として複数地点に分散配置する。 |
| エリアシステム | 各エリアで系統監視・制御、系統事故対応、系統切替指令などを担う。これらの機能の将来の扱いは未決定である。 |
次期中給ではSCUC(起動停止計画)・SCED(需給制御)を実装し、地域間連系線と各エリアの地内基幹系統の混雑を同時に考慮した全国メリットオーダーを目指す。現行は全国の需給調整を行うKJCでもエリア内混雑を考慮せず、混雑時の持替えは主にエリア内で行う。次期中給では、再エネ抑制や混雑処理に必要な情報をリアルタイムで集約し、実需給に近い時点まで全国融通を含む最適化を行うことで、調整費用や燃料費、再エネ抑制量の低減を見込む。混雑処理対象は運開時点では原則として各エリアの上位2電圧の基幹系統等であり、ローカル系統の混雑はエリア側で扱う。
運開時は演算負荷を軽減するため、事前の混雑計算を前提とする。運開後は、再給電ルールを踏まえ、混雑処理と需給一致を同時に最適化する機能の実現を目指す。地内混雑を理由とする制御かどうかは事後的に特定し、エリア余剰による出力制御機会の事業者間公平性を担保する。SCUC・SCEDの具体仕様は検討中であり、日本固有の制度・設備制約を踏まえたシミュレーション等を継続する。
基本設計では、全国共通プラットフォーム、全国メリットオーダー、分散配置によるレジリエンスと共有化によるコスト低減、将来改修への拡張性・柔軟性という4つのコンセプトについて、達成に向けた見通しを得た。システムと人材・知見を集約することで、個別仕様の蓄積による複雑化を抑え、機能改修や人材育成、知見の活用を効率化することも期待される。
実装予定の主な機能は、全国一括の状態推定(1分周期)、需要・再エネ予測、需給計画・系統構成計画、SCUC/SCED、系統制約確認(SFT)、LFCなどである。予測には、従来の換算係数等によるモデルに加え、過去実績・予測や足元実績を使う機械学習モデルを採用する予定であり、精度向上と出力制御量低減を期待する。ネットワーク評価は運開時、DC潮流による制約確認(SFT)とAC潮流による電圧確認(AC-OPF)の二段階とし、将来的にはSFTをAC潮流計算とすることを目指す。
海外パッケージでは、日本の優先給電ルール、直流連系設備、揚水発電所などの制度・設備条件を十分に扱えず、カスタマイズが必要となった。この厳密な模擬への対応もあり、運用開始目標は当初の「2020年代後半」から2032年度へ変更された。全設備制約の完全なモデル化は現実的でなく、演算時間・性能への影響もあるため、今後、海外ベンダの知見も踏まえて優先順位を見極める。
次期中給は混雑制約を考慮する点で同時市場と共通する機能を持つが、入札受付・精算等の市場基盤を持たず、調整力調達コストを含む最適化や価格弾力性を前提としないなど、機能・前提が異なる。開発で得られる日本固有の制度制約に関する知見は同時市場設計にも資するとの位置づけである。今後は詳細設計、製作、試験へ順次進み、開発状況を審議会等で適時報告する予定である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「次期中給システム開発に関する検討状況」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/jukyuchousei/)をもとに当社作成
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