時間前市場の取引活性化に向け、現行のザラバ方式にシングルプライスオークション(SPA)を併設し、ブロック入札も可能にして火力電源の起動台数を市場取引で調整する案が示されている。これは検討の方向性であり、SPAの実施時刻・頻度や制度の最終決定は示されていない。FIP制度導入などにより、前日スポット市場後に発電・調達計画を変更する需要が拡大すると見込まれている。
SPAの時刻には、「早いほど火力の起動時間を確保できる」「遅いほど太陽光予測が実需給に近づき誤差が減る」というトレードオフがある。調査値は次のとおりである。
| 起動指令・予測の時点 | 当日12時までのガス・石油火力の起動可能割合 | 全国の太陽光最大予測誤差の改善率 |
|---|---|---|
| 前日17時(予測は15時) | 90% | 54% |
| 前日21時 | 79% | 66% |
| 当日3時 | 64% | 67% |
割合は調整力として期待されるガス・石油火力の容量に対する分析値である。太陽光の誤差改善率は、2020年度の予測誤差が大きかった上位5日間を対象とした全国値であり、年間全体の標準偏差では前日15時・21時・当日3時に、それぞれ前日6時比で18%・23%・36%減少した。起動時間の分析では、石油・ガス火力の平均で起動指令12時間後に71%、18時間後に88%が起動可能となる一方、石炭火力は遅く、水力・揚水は3時間後に全容量が起動可能との結果である。
調査時点で、ドイツ・英国・スペイン・フランスは時間前市場にSPAを導入し、ザラバと併設する例がある。2019年のスポット・時間前市場取引量に占める時間前市場の割合は、ドイツ19.2%、英国12.8%、スペイン12.5%である一方、日本は0.9%であった。フランスは当時SPA導入前のデータで6.4%、北欧はSPA未導入で約2%であり、この比較だけからSPA導入の効果を確定するものではない。
今後、分析結果を踏まえてSPAの実施時刻・頻度を具体化する。あわせて、時間前SPAより先に三次調整力②を調達する現行順序では、時間前市場の売り入札が不足する、または両市場で調達して火力の起動が過大になる懸念が示された。対応案として、三次調整力②の実施時刻をSPA後へ移すことや、確保済み調整力に余剰が生じた場合に時間前市場へ入札できるようにすることが挙げられている。後者では、一般送配電事業者が負担するΔkW調達費用の扱いも検討課題となる。発電・小売事業者の実務負担、スポット入札時刻、FIT特例①通知時刻も検討対象として提示されている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「時間前市場等のあり方について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。