2021年秋のスポット市場では、10月から11月下旬にかけて価格が上昇し、11月22日に日平均30.62円/kWh、同日10時台に年度最高の70.01円/kWhを記録した。12月中旬にかけて価格は低下し、12月には50円/kWh以上のコマはなかった。高値コマの分析では、11月22日の買い札は、グロスビディングと間接オークションを除くと80~200円/kWhに多く、その内訳は新電力65%、旧一電20%、旧一電の100%子会社15%であった。
10月以降、旧一電の買い入札価格も上昇し、12月前半の中央値は20~30円台/kWhであった。新電力はさらに高く、10月中旬以降の買い札中央値が継続して80円/kWhとなっており、事務局は、売り札切れ時などの価格高騰を招く大きな要因とみている。新電力は80円での入札をインバランス料金上限を踏まえた経済合理的行動と説明したが、今秋、速報値が80円に達したのは全2,880コマ中13コマ(0.5%)であり、資料はその合理性を論点として提示した。インバランス料金は主にスポット・時間前市場価格を基準に算定されるため、高値入札が市場価格を押し上げれば、料金も高くなる可能性がある。
報告徴収では、売り入札に占めるブロック入札の割合が事業者間で大きく異なり、約定率も0~99%に広がった。約定したブロックは10円/kWh未満に集中し、起動費を計上しないブロックでは、短い時間帯や小さい入札量ほど約定しやすい傾向がみられた。約定率の高い事業者には、時間帯や量を分割する工夫があった一方、低い事業者には、複数ユニットを一つのブロックにまとめる、大きく長いブロックを継続する例が確認された。ただし、電源構成やエリア価格などの条件が異なるため、事業者間の単純比較は難しい。
資料は、通常入札が可能な場合は、特段の合理的理由がない限り通常入札を行うことを旧一電に要請する案を提示した。ブロック入札が必要な場合は分割などで約定機会を高める考え方を示し、約定率の低い事業者を中心に入札方法の見直しを要請し、取組状況・入札割合・約定率を定期確認・公表する案も示した。さらに、ブロック入札の割合・約定率の公表や、起動費の重複計上や約定上のパラドックスを減らすJEPXのシステム改善を提案した。これらは会合での提案であり、確定した決定としては記載されていない。起動費計上ブロックと買いブロックの分析は今後実施予定である。
10月1日~11月26日に燃料制約が生じた5社を調査した。タンクの運用上下限には各社固有の根拠と事情があり、資料の総括は不適切な設定があったとは言えないか、また各社の緩和努力がベストエフォートであったかを確認論点としている。各社は燃料計画や制約量を日々見直し、追加調達・配船調整等を実施したが、タンク1基運用、船の受入設備、配船・輸送条件など対応余地には差があった。HJKSについては、対象となる制約の登録漏れはなく、決定後速やかに登録され、制約開始の少なくとも1日前に開示されていた。
一方、市場支配力を持つ事業者には、燃料制約を避ける調達努力が期待され、監視委は燃料調達と入札行動を引き続き注視するとした。追加調達の適正なインセンティブを確保するため、スポット市場への供出価格に追加調達価格を考慮する見直しは許容されると整理された。東北電力、JERA、関西電力が順次見直しを表明し、監視委の確認後、12月上旬から新価格を適用した。12月上旬の市場価格は11月より低位で、現時点で大きな価格影響は確認されていない。機会費用を考慮した限界費用を採用した事業者はいない。各社には算定方法の変更を事務局へ報告し、変更内容と開始時期を1週間前までに公表するよう求める運用となった。
予備率は市場に入札されない電源Ⅰを含むため、市場への供給余力と一致しない。資料は電源Ⅰを除いた「市場供出余力率」を試算し、2021年10月の高騰(30円/kWh以上)の70%超が同率10%以下のコマで発生したと報告した。一方、公表予備率が15%以上のコマでも高騰が半数近く発生していた。市場供出余力率は価格高騰の予見に有用と評価され、指標の作成・公表に向けた検討が提案された。
供給能力確保義務については、スポット市場に入札しても売り切れでインバランスが生じる場合、広域予備率が3%超で、ブロック売れ残り控除後の売残量がゼロ、スポット(2021年度に限る)・時間前市場で合理的に調達を試みても約定せず、事後にインバランス料金を支払うことなどを満たす場合に、正当な理由があると扱うセーフハーバー案が示された。条件外でも直ちに命令とはならず個別判断とする一方、需要家利益を阻害するおそれがある場合は措置命令の対象となり得る。資料はこの運用案の採用と、問題発生時の速やかな再検討を提案している。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「スポット市場価格の動向等について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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