スポット市場価格および燃料制約に関する資料
資料の概要
本資料は、経済産業省の電力・ガス取引監視委員会が提出したスポット市場価格の動向及び燃料制約に関する調査結果をまとめたものである。特に、2021年10月から12月における市場の変動や価格の推移、入札状況が主なテーマとされている。
スポット市場価格の動向
市場価格の推移
- スポット市場システムプライスは、2021年10月から11月下旬にかけて上昇し、11月22日には1日の平均価格が30.62円/kWhに達した。
- その後、12月中旬までに価格が低下に転じた。
価格推移のデータ
| 日付 | 1日平均価格(円/kWh) | 最高価格(円/kWh) | 50円以上コマ数 |
|---|
| 2021/11/21 | 18.73 | 28.76 | 0 |
| 2021/11/22 | 30.62 | 70.01 | 9 |
| 2021/11/23 | 20.55 | 36.36 | 0 |
| 2021/11/24 | 21.55 | 36.36 | 0 |
| 2021/11/30 | 21.42 | 33.11 | 0 |
| 2021/12/21 | 18.28 | 35.45 | 0 |
高騰コマの発生状況
- 10月以降、1日1~9コマ程度の50円/kWh水準の価格が発生。
- 11月22日にシステムプライスが70.01円/kWhに達し、年度最高値を記録した。
- 12月には、50円/kWh以上の価格帯は発生していない。
入札価格の分析
旧一電と新電力による買い入札価格
- 旧一電の買い入札価格は、12月前半の中央値が20〜30円台/kWhであった。
- 新電力の買い入札価格は、10月中旬以降の中央値が80円/kWh以上となっている。
売り入札の状況
- 売り入札価格は上昇傾向にあるものの、買い入札に比べてその上昇幅は限定的である。
- 売り入札の95%が10~20円台/kWhから20~30円台/kWhまで上昇している。
インバランス料金について
- 今秋のインバランス料金(10月1日〜11月30日)の速報値は80円/kWhに達したのは13コマ(全体の0.5%)のみであった。
- 確報値ではインバランス料金の最大価格差が昨冬に比べて大幅に縮小している。
燃料制約について
燃料制約の状況
- 秋に需要が増加し、一部の発電所がトラブルで停止した影響で、旧一電の火力発電所のLNG・石油燃料在庫が減少した。
- これにより、発電容量には余力があっても発電電力量に制約が生じ、入札量が減少した。
エネルギー庁は、需給ひっ迫を防ぐための発電用燃料に関するガイドラインを策定している。
調査の対象と登録状況
- 調査期間は10月1日から11月26日まで、対象事業者は以下の5社である。
燃料制約登録状況
| 発電事業者 | 発電所 | ユニット | 燃種 | 登録日 | 認可出力 (kW) | 低下量 (kW) | 制約期間 |
|---|
| 北陸電力 | 富山新港 | 1号 | LNG | 11/10 | 424,700 | 246,000 | 11/13-11/15, 11/20-11/22 |
| 玉島 | 2号 | 石油 | 11/5 | 350,000 | 314,000 | 11/7-11/30 |
| 中国電力 | 下関 | 3号 | 石油 | 11/5 | 500,000 | 421,000 | 11/7-11/30 |
| 玉島 | 1号 | LNG | 11/5 | 350,000 | 334,000 | 11/7-11/30 |
| 四国電力 | 阿南 | 3号 | 石油 | 11/4 | 450,000 | 293,000 | 11/6-11/30 |
燃料ガイドラインに基づく調達努力
- 燃料制約を発生させないための調達努力が求められている。
- 高需要期においては、LNG受払計画の適切な更新と在庫量の確保が必要である。
各社の燃料タンク管理
- 各事業者は燃料タンクの運用に対し上下限を設定し、内部リスクを考慮している。
タンクの上下限設定の例
| 事業者 | 燃料種別 | タンク総量物理的上限 | 運用上限 | 物理的下限 | 運用下限 |
|---|
| 北陸電力 | LNG | 80,300 | 設定なし | 4,800 | 11,000 |
| 関西電力 | 石油 | 90,000 | 設定なし | 20,000 | 25,000 |
| 九州電力 | LNG | 212,000 | 179,000 | 25,000 | 45,000 |
結論
本資料から、スポット市場価格の動向、新電力の買い入札価格の上昇、燃料制約の状況が明らかとなった。特に新電力の買い入札価格の上昇が市場価格高騰の一因であることや、燃料在庫管理の重要性が強調されている。今後、これらのデータを基にさらなる議論と改善が期待される。