発動指令電源に関する検討資料の説明
目的・背景
本資料は、需給調整市場における発動指令電源の機能及びアセスメント・kWh精算の方法について検討した内容をまとめたものである。電力広域的運営推進機構(OCCTO)により提供され、発動指令電源についての理解を深めることを目的としている。
主要な検討内容・論点
発動指令電源とは
- 単体の期待容量が1MW未満の電源を指す。
- 自家発や需要応答(DR)を組み合わせて、1MW以上の供給力を提供可能である。
需給調整市場への応札
- 発動指令電源は需給調整市場に応札可能で、他の指令を受けていない場合でも応札は任意である。
アセスメント・kWh精算の方法
アセスメント I
- 供出可能な状態であるか確認。
- 確認の際、ΔkW落札量を上回る供出可能量が維持されていることが求められる。
アセスメント II
- 一般送配電事業者からの指令に基づいて調整力の応動を確認し、ケースによって手法が異なる。
kWh精算
- 発動指令を受けた場合でも、需給調整市場に約定している限り、アセスメント及びkWh精算は実施される。
今後の予定
- 2020年度の容量市場オークション後に発動指令電源の確保状況を振り返り、運用の信頼度確保方法を検討する予定である。
課題・リスク
- 発動指令電源が需給調整市場に参加する際、発動指令と調整力指令を同時に受信することがあり、これに対する対策が求められる。
- 運用の信頼度確保が重要な課題である。
発動指令と調整力指令の同時受信時の対応
発動指令電源の要件
- 発動指令電源は需給調整市場と容量市場の両方の要件を満たす必要がある。
- 調整力指令はメリットオーダーに基づき実施されるため、発動指令を満たさない可能性がある。
ケーススタディ
ケース 1: 調整力指令に応じた場合
- 発電可能上限: ΔkW
- 需給調整市場のリクワイアメント: 達成
- 容量市場のリクワイアメント: 未達成
- ペナルティ: 容量市場で発生。
ケース 2: 発動指令に応じた場合
- 発電可能上限: ΔkW
- 需給調整市場のリクワイアメント: 未達成
- 容量市場のリクワイアメント: 達成
- ペナルティ: 需給調整市場で発生。
調整コスト最小化及びペナルティ金額の比較
発動指令電源が調整力指令に応じることで調整コストを最小化することが望ましい。以下の表はペナルティ金額を示す。
| 市場 | ペナルティ金額 |
|---|
| 容量市場 | 約438,029円 |
| 需給調整市場 | 約18,600円 |
発動指令電源の精算に関する検討
発動指令電源の精算単価の見直し
発動指令電源の精算単価にインバランス料金を用いることで、調整力の精算とインバランス精算は同じ意味を持つとされる。
※インバランスはBG単位で精算され、必要に応じて事業者間で発動量を精算。
発動指令電源の供給力提供
需給ひっ迫時において未約定となる事例は限定的であると考えられる。
未約定による影響
未約定の場合でも、需給ひっ迫時には不適切な余剰インバランスを発生させることはないとされる。また、容量市場の契約容量を供給することがリクワイアメントとなる。
今後の提案
発動指令電源の未約定分をインバランスとして扱うことが提案されている。
供給信頼度低下の懸念について
懸念の要因
供給信頼度低下の懸念は、発動指令電源の需給調整市場への選択制採用によるものではない。
対策および考察
需給ひっ迫の際には市場応札が必要であるため、供給信頼度の低下は大きくない。
容量市場のリクワイアメントに関する考え
発動指令の時間帯に需給調整市場に約定している容量と発動指令容量が重複する場合でも、容量市場のリクワイアメントを満たすとは考えられる。
※故意に応動しない場合はこの限りではない。
まとめ
発動指令電源が需給調整市場に応札・約定した場合のアセスメント・kWh精算の方法が明示され、発動指令と調整力指令の同時受けに関する方向性が検討されている。供給信頼度の低下については大きな問題ではないと判断されている。今後も詳細な検討が続けられる必要がある。