第29回 料金審査専門会合 資料説明
はじめに
本資料は、経済産業省が提供した「第29回 料金審査専門会合」における事業者の取組状況をまとめたものである。各スライドの内容を要約し、効率化に資する取組を中心に説明する。
資料の構成
この資料は以下の項目から構成されている。
- 事業者説明資料に基づく各項目の取組状況
- 参考資料(第28回料金審査専門会合 資料3より抜粋)
- 事後評価の進め方、今後のスケジュール
- ヒアリング項目及び評価の視点について
代表的な効率化に資する取組の状況
1. 経営・業務効率化
事業者は経営・業務効率化に資する体制を構築している。各地域の組織体制と目的は次の表に示される。
| 地域 | 組織体制 | 目的 | 設置時期 |
|---|
| 北海道 | 経営基盤強化推進委員会 | 安定した利益を生み出せる経営体質の構築 | H29.1 |
| 東北 | 経営効率化推進会議 | 生産性向上 | H29.2 |
| 東京 | PGカイゼン担当会議 | 自律的な効率化の推進 | - |
| 中部 | 生産性向上検討会 | 厳しい収支状況に対処 | - |
| 北陸 | 経営基盤強化委員会 | - | - |
2. 人件費等の削減
人件費削減に向け、事業者は給与等の削減や業務の集中化を行っている。以下は主な取組の例である。
| 地域 | 給与等の削減 | 業務の集中化 |
|---|
| 北海道 | 給料手当の削減(▲18.9%/年) | 定型業務の一部集中化 |
| 東北 | 基準賃金引下げ(▲4.0%/年) | 支社組織統廃合の検討 |
| 東京 | 従業員の年収水準の低減(▲2.1%/年) | バックオフィス業務の集約化 |
| その他の地域 | - | - |
3. 調達の合理化
発注方法の効率化として、事業者は共同調達や一括発注に取り組んでいる。
| 地域 | 共同調達 | 一括発注 |
|---|
| 北海道 | 配スマートメーター(17.4/年) | 送変石狩火力幹線新設工事(19.2/年) |
| 東北 | 集約発注の実施による調達(36.3/年) | 送地中送電ケーブル工事(15程度/年) |
| 中部 | 連系設備増強における共同発注 | - |
| 北陸 | 仕様標準化による調達(13.2程度/年) | - |
| その他の地域 | - | - |
高経年化対策に資する取組
本資料では高経年化対策に関する具体的な取組を、設備ごとに整理して説明する。
1. 鉄塔の高経年化対策
- 状況: 法定耐用年数を超える鉄塔が約5割存在。
- 修繕・取替判断方法: 設備状態の把握は巡視・点検に基づく。
- 主要な修繕取組:
- 特定要因による取替え: 旧規格鉄塔(S40年以前)はH20から計画的に建替。
| 地域 | 設備量 | 法定耐用年数超過 |
|---|
| 関西 | 約31,618基 | 約21,870基 |
| 中国 | 約20,600基 | 約9,300基 |
| 四国 | 9,241基 | 4,222基 |
| 九州 | 約25,300基 | 約11,100基 |
| 沖縄 | 1,155基 | 379基 |
2. 架空送電線の高経年化対策
- 状況: 法定耐用年数を超える架空送電線が3~4割存在。
- 修繕・取替判断方法: 経年30年以上の電線は重点的に点検・診断。
| 地域 | 設備量 | 法定耐用年数超過 |
|---|
| 北海道 | 約7,000km | 約3,500km |
| 東北 | 約24,000km | 約8,000km |
| 東京 | 約28,000km | 約10,000km |
| 中部 | 20,224km | 約10,220km |
| 四国 | 5,449km | 約2,582km |
3. 送電ケーブルの高経年化対策
- 状況: 法定耐用年数を超える送電ケーブルが2~3割存在。
| 地域 | 設備量 | 法定耐用年数超過 |
|---|
| 関西 | 約3,728km | - |
| 中国 | 約284km | 約160km |
| 四国 | 154km | 約104km |
| 九州 | 約970km | 約400km |
| 沖縄 | 155km | 約39km |
4. 変圧器の高経年化対策
- 状況: 法定耐用年数を超える変圧器が6割程度存在。
| 地域 | 設備量 | 法定耐用年数超過 |
|---|
| 関西 | 約2,918台 | 約1,840台 |
| 中国 | 約940台 | 約610台 |
| 四国 | 581台 | 約339台 |
| 九州 | 約1,200台 | 約930台 |
| 沖縄 | 197台 | 約91台 |
5. 鉄筋コンクリート柱の高経年化対策
- 状況: 法定耐用年数を超える鉄筋コンクリート柱が1~3割存在。
| 地域 | 設備量 | 法定耐用年数超過 |
|---|
| 関西 | 約265万本 | 約34万本 |
| 中国 | 約157万本 | 約5万本 |
| 四国 | 71万本 | 約1.5万本 |
| 九州 | 約210万本 | 約10万本 |
| 沖縄 | 24.2万本 | 約0.04万本 |
調達の状況と競争発注比率
送配電部門における競争発注比率の推移
- 東京、北陸の送配電部門は、85%以上の高い競争発注比率を誇る。
託送収支の事後評価の進め方
評価プロセス
- 現状の把握
- 乖離要因の確認
- 好事例の展開促進
評価スケジュール
| 時期 | 概要 |
|---|
| 平成29年度10月 | 平成28年度事後評価の進め方を議論。 |
| 平成29年度1月下旬~3月 | 平成28年度事後評価を実施し、収支状況や経営効率化の取組を整理。 |
| 平成29年度4月以降 | 平成28年度事後評価の課題を基に制度設計専門会合で検討。 |
| 平成30年度秋以降 | 平成29年度事後評価の進め方を決定し、料金審査専門委員会で評価を実施。 |
ヒアリング項目と評価の視点
事後評価におけるヒアリング項目
| 項目 | 概要 | ヒアリングで確認する点 |
|---|
| A. 想定原価と実績費用の増減 | 認可された原価と実績費用の比較 | 増減額とその要因 |
| B. 効率化に資する取組 | 主な取組の実施状況 | 実施状況と体制 |
| C. 安定供給の状況 | 停電回数や時間の確認 | 取組内容 |
| D. 設備投資・高経年化対策 | 主要設備投資、高経年化対策 | - |
| E. 調達の状況 | 調達価格水準の確認 | 効率化の取組 |
効率化に資する取組の評価
| 評価項目 | 着目するポイント |
|---|
| 体制 | 効率化のための体制の確立 |
| 人件費削減 | アウトソーシング等による効果 |
| 調達の合理化 | 共同発注等による効率化 |
| その他 | 体制や人件費以外の効率化 |
結論
本資料では、電力・ガス業界における各事業者の効率化に資する取組が詳細に述べられている。事業者は経営効率化、コスト削減、調達の合理化など多角的なアプローチを通じて、競争力の向上を目指している。引き続き、各社の取り組みを評価し、改善点を議論していくことが求められる。