プラン3.0案の軸
「福島新エネ社会構想 加速化プラン3.0(案)」は、第7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョン等を踏まえ、国・県・自治体・企業が連携して福島の再生可能エネルギーと水素の導入、産業集積、研究開発を加速する計画案である。国による財政措置や重点支援を継続し、福島発の技術・モデルを国内外へ発信する。各施策は実績と今後の取組を併記しており、本資料は新たな個別事業の一括決定ではなく、既存施策を更新・推進する方針を示す。
再生可能エネルギーの導入と地域産業
- 送電網・導入量:総延長約86kmの共用送電線は2024年7月に完成し、2025年8月までに太陽光11事業(約23.5万kW)と風力7事業(約21万kW)が運転開始。2027年度までに約17万kWの追加連系を見込む。県内風力を2020年度比約3倍の約56万kWとする計画に向け、支援と送電線の有効活用策の検討を続ける。
- 産業・人材:2016~2024年に実証研究56件を支援し、21件が事業化。企業支援では2017~2024年度に265件の成約を実現した。O&M人材の育成やFREAの設備・研究機能を活用し、県内企業の参入、技術移転、サプライチェーン形成を進める。
- 技術・地域資源:2025年3月、県内公共施設等3か所にペロブスカイト太陽電池を合計10kW以上設置。太陽光パネルのリサイクルでは、廃ガラスを断熱材原料に試験利用する取組が始まった。小水力・バイオマス・地熱等の導入支援や、洋上風力の調査・検討も継続する。
- 分散型利用:大熊町では地域新電力が公共施設へ供給し、2025年4月から町役場に再エネ100%電力を供給。自治体・事業者の計画策定や設備導入、RE100工業団地、再エネ電力の県内供給を支援する。県の目標は、2040年頃までに県内エネルギー需要量の100%以上に相当するエネルギーを再エネで生み出すことである。
水素の供給網・需要づくり
- 供給・技術:FH2Rを活用した水素製造・供給実証を2025年度まで実施し、2026年度以降の地域サプライチェーン構築に向け、需要・供給双方のコスト課題を関係省庁で検討する。水電解装置の性能評価基盤や貯蔵・輸送技術の研究も進める。
- モビリティ:県内では定置式水素ステーション5か所・6基が開所し、燃料電池車464台などが導入済み。県は2030年度までに20基整備する目標を掲げ、2025年2月に燃料電池トラック普及・水素ステーション整備方針を策定。2025年5月には福島県を中核とする東北重点地域が選定され、希望する県内ステーションには商用車への充填量に応じた追加支援が決定した。
- 地域利用・産業:公共施設、介護・宿泊施設、港湾、工場などで水素利用を進める。小名浜港と相馬港は港湾脱炭素化推進計画を作成・公表済みであり、水素・アンモニア拠点形成を目指す。設備導入・水素配送費の支援、規制合理化の検討、企業誘致や人材育成を通じて利用先を広げる。
- 広域連携:東京都と福島県は2025年2月に連携協定を締結し、幹線物流での燃料電池大型トラック、グリーン水素利用、水素関連産業の振興に協力する。浪江町産水素は都内の水素ステーションでも活用されている。
研究開発と進捗管理
FREAは再エネ関連の企業支援を2013~2024年度に延べ200課題以上実施し、65件が事業化した。F-REIは2029年度まで、再エネ・水素の面的活用、バイオ統合型グリーンケミカル、ネガティブエミッション関連技術などの研究開発を進め、地元企業・研究機関との連携や人材育成を図る。本プランの施策は関係者間で連携して進め、進捗を適時フォローアップし、必要に応じて実現会議等へ報告する。