第21回グリッドコード検討会資料の説明
本資料は、第21回グリッドコード検討会における「出力(有効電力)変化速度の上限」に関する検討内容をまとめたものである。主に蓄電池の出力変化が系統運用に与える影響や、その対策について説明している。
1. 現在の対応状況と課題
現在の対応状況
- 電力品質確保に関するガイドラインにより、出力変動による他者への影響が懸念される場合、発電設備設置者に対策が求められている。
- 蓄電池を含む発電設備に対しては出力変動制限機能の具備が求められるが、具体的な規定は未整備である。
将来的に想定される課題
- 蓄電池の接続検討受付および契約申込が急速に拡大しており、2025年6月末時点で接続検討受付は約14,300万kW、契約申込は約1,800万kWである。
- 蓄電池の出力変化速度に制約がない場合、急峻な充放電によって系統周波数変動等に影響を及ぼす恐れがあり、分散型電源の普及が制約される懸念がある。
2. 蓄電池の出力変動に伴う影響評価
蓄電池が市場価格に応じ一斉に出力変化する場合、以下の影響が懸念される。これらについて系統への影響評価を実施した。
| 項目 | 懸念点 |
|---|
| 周波数 | 周波数変動による運用管理値超過リスク |
| 電圧 | 電圧変動による他の需要家への影響 |
| 保護リレー | 他電源の保護リレーによる不要動作危険 |
蓄電池の急峻な出力変化により、系統に対する支障が確認されている。
2.1 周波数変動
- 2030年代を想定したシミュレーションにより、蓄電池の出力変化速度が周波数に与える影響を評価した。具体的な条件は以下の通り。
| 項目 | 値 |
|---|
| 条件 | 軽負荷期昼間帯の実績値 |
| 蓄電池連系量全電圧階級 | 2035年度設備容量 |
| 出力変化速度上限の要件適用率 | 42% |
2.2 電圧変動
- 出力変化速度に制約を設けることで、蓄電池の急峻な出力変化による電圧変動の問題を対策できる可能性がある。
2.3 保護リレーの不要動作
- 蓄電池の急峻な出力変動により保護リレーが不要動作する場合があることが確認されており、特に出力変化速度が100%/5秒以上の場合にリスクが増加する。
3. 蓄電池側の対策案
蓄電池に対し、出力変化速度の上限設定機能を具備することが対策として考えられている。設定変更ができる範囲の柔軟性も求められている。
| 項目 | 規定値案 | 備考 |
|---|
| 設定変更範囲 | 1/分100/秒 | 詳細は今後検討 |
| 設定変更粒度 | 細かく設定 | 詳細は今後検討 |
4. 今後の検討の方向性
今後は、出力変化速度の上限の適用条件について、周波数変動防止や需給調整指令に対する除外条件についての検討を進める。各条件に対する技術的実現性も関係者と引き続き検討することとなる。
| 項目 | 2025 1Q | 2025 2Q | 2025 3Q | 2025 4Q | 2026 1Q | 2026 2Q | 2026 3Q | 2026 4Q |
|---|
| 出力有効電力の変化速度の上限の検討内容 | 技術的実現性など調整 | 出力変化速度の上限要件仕様整理 | | | | | | |
本資料に示された内容を基に、適切な対策を進め、電力系統の安定性を確保することが強く求められている。