2020年4~8月の電力需要と経済指標を検証した結果、送電端電力量は前年同月比で5月のマイナス8.6%を底に、8月にはマイナス3.2%まで回復した。第3次産業活動指数と鉱工業生産指数も8月は前月比でそれぞれ0.8%、1.7%上昇したが、前年水準には届いていない。
過去3年の月別需要比率から「感染症がなかった場合」の需要を推計し、実績との差をコロナ影響として試算した。家庭用は在宅時間の増加を反映してプラス、業務用・産業用はマイナスとなり、合計では5月のマイナス4,100GWh(マイナス6.7%)が最大の減少であった。合計の減少幅は6月に3,100GWh、7月に2,100GWhへ縮小し、5月を底に回復傾向との整理である。
| 月 | 家庭用 | 業務用 | 産業用 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 4月 | +1,700GWh(+6.9%) | −1,400GWh(−9.1%) | −800GWh(−3.2%) | −500GWh(−0.8%) |
| 5月 | +700GWh(+3.4%) | −2,100GWh(−14.7%) | −2,700GWh(−10.4%) | −4,100GWh(−6.7%) |
| 7月 | +500GWh(+2.2%) | −600GWh(−3.5%) | −1,900GWh(−6.6%) | −2,100GWh(−3.1%) |
業務用の減少は社会・経済活動の停滞、特に飲食・宿泊など生活娯楽関連サービスの低下と関連すると推測されている。産業用では4~5月の自動車生産減などが影響要因として挙げられ、両用途とも6月以降に回復の兆しが見られた。
冬季需要は、コロナ影響前の2020年度供給計画を標準ケースとして、下振れ2ケースと上振れケースを参考試算した。下振れ1は用途ごとに直近実績やGDP・鉱工業生産の見通し等から推計し、標準ケースより約3%低下する結果である。下振れ2は緊急事態宣言時相当の環境を想定し、5月の合計影響量4,100GWhを減算する。上振れは、緊急事態宣言時の巣ごもりが生じる想定で、家庭用の増加と一部業務用の減少を季節補正して標準ケースに加算する。
用途別には、家庭用は過去数年と同程度、業務用は過去数年比で約5%減、産業用は約7%減との参考試算である。これらは確定した需要見通しではなく、限られた実績データに基づく仮説的なケーススタディである。
試算は過去の月別比率を用いた簡易手法であり、実績には速報値を含む。資料は海外のロックダウンや緊急事態宣言の再発令など、経済・社会情勢の変化が需要に及ぼす影響を引き続き注視するとしている。また、リモート化・オンライン化、移住、通信・データセンター需要など中長期の構造変化は、当時の調査が主に4~6月の一断面に限られるため、継続把握が必要としている。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「電力需給検証:新型コロナウイルスによる電力需要への影響評価」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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