資料は、再エネ主力電源化に伴う系統安定性の課題を整理し、対応策と費用対効果の検討に着手することを委員会に提案するものである。決定事項ではなく、論点と進め方への議論を求めている。再エネ導入拡大に伴う系統制約や調整力不足には制度・運用面で対応してきたが、太陽光・風力など非同期電源が増え、火力など同期電源が減ると、周波数・電圧の維持や事故時の安定運転に必要な機能が不足し、再エネ導入の妨げや需要家への不利益につながる可能性がある、という問題意識である。
2020年度供給計画では、太陽光設備容量は2019年度の約5,535万kWから2029年度に約7,652万kWへ、風力は約433万kWから約1,272万kWへ増える見通しである。資料は、日本では再エネの主力が太陽光であり、同じ年間再エネ比率でも出力の時間変動により瞬間的な非同期電源比率が風力主力の国より大きくなりうると整理する。2019年度の再エネ比率最大日には、太陽光・風力の瞬間比率が最大約40%に達した実績が示されている。
課題は周波数(慣性力・調整力)、電圧(維持、フリッカ・高調波)、同期安定度、事故除去(短絡容量)に及ぶ。例えば慣性力が低下すると電源脱落時の周波数変化率(RoCoF)が大きくなり、再エネ等の解列が連鎖して停電に至る可能性がある。資料中の2030年度概算試算では、SNSP最大値は北海道約52%、東北・東京約44%、中西6エリア約46%、全国約40%である。東北・東京では同期電源200万kW脱落時のRoCoFを約0.34Hz/sと試算し、SNSPが約70%を超えると2.0Hz/s超過とインバータ電源一斉脱落の可能性を示す一方、中西6エリアの試算では240万kW脱落時にRoCoF 0.43Hz/s、周波数最低値59.3Hzで基準内との見通しである。これらは概算であり、今後詳細検討するとされる。
| 論点 | 検討対象 |
|---|---|
| 1 技術課題 | 供給計画の10年度目の需給・系統構成を基礎に、再エネ増加ケースも想定してシミュレーションし、課題を抽出する |
| 2 管理指標 | 日本の太陽光中心の出力特性を踏まえ、年間比率に加えてSIRやSNSP等を含む適切な指標を検討する |
| 3〜5 対応・調達・環境整備 | 設備・系統対策、必要量の調達方法、グリッドコード等の機能要件化を検討する |
| 6 費用対効果 | 対策費用と効果を評価し、費用低減策も検討する |
対応策は、同期発電機・同期調相機の維持や設置、再エネ・蓄電池の制御機能、調相設備、事故検出方法の見直しなどが例示される。具体策や必要量、調達方式は未決定であり、顕在化時期や海外事例を参考に検討する。調達・環境整備は需給調整市場検討小委員会、グリッドコード検討会との連携が想定されている。
検討は短期の第一次作業として、既存の供給計画データを活用し、詳細モデルではなく簡易的なシミュレーションで進める案である。2020年度内に技術課題と管理指標を整理し、設備・系統対策、費用算定・費用対効果、調達方法・環境整備を検討するスケジュールが示されている。資料は、費用負担のあり方は別途慎重な議論が必要とした過去の系統安定化費用試算にも触れ、モデルの仮定や定量化困難な費用により実費を下回る可能性があるとの留意点を示す。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「「再エネ主力電源化」に向けた技術的課題及びその対応策の検討について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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