発電実績の公開は、卸電力市場の透明性と予見性を高めるための制度整備である。対象はHJKS登録対象の認可出力10万kW以上の発電ユニットで、ユニット別・30分コマ別の発電量と電源種別・発電方式を、実需給後5日以内に公表する案である。個々のユニットに合理的な理由がある場合は、非公開または公開粒度の引下げを検討する。
発電事業者が情報を提供し、エリアの一般送配電事業者が集積・加工し、広域機関が一覧で一般公開する仕組みである。発電所から一般送配電事業者へは既設通信網で秒単位の計測値を送り、同社が積算した電力量を広域機関へ日次程度で連携する構想である。広域機関は公表システムを整備し、CSV出力にも対応する。
「適正な電力取引についての指針」では、発電事業者による公開を「望ましい行為」と位置づける。公開しないことだけで直ちに不公正取引が推認されるわけではないが、合理的理由なく公開しない場合は、HJKSに登録したインサイダー情報の公表履行に疑義を生じさせる一要素となる。インサイダー情報を故意に不正確に公表した場合や公表すべき情報を公表しない場合は、電気事業法上の命令・勧告の対象となり得る。
一方、一般送配電事業者9社は専用サーバーを持たず、親会社サーバーを使って広域機関へ情報を渡す想定である。非公開情報を扱うシステムには、アクセス者・情報内容・取得日時の記録保存などの要件があるため、資料は、親会社サーバー利用前に一般送配電事業者の自社サイトでも情報を公開する案を示す。また、自社サイトでの公表と広域機関への連携は、託送業務で知った情報の目的外利用・提供に当たる可能性があるものの、公平・透明な一般公開は規制趣旨に反しないとの整理である。この運用を対象外情報として施行規則に追加する省令改正を提案している。
令和4年3月・10月、中国電力は出力低下情報を公表せず、燃料消費を抑える目的でスポット市場に高値買い入札を継続し、自社ユニットの出力を抑制した。委員会は適時公表が求められる情報を公表せず関連取引を行ったとして、令和5年3月31日に業務改善勧告を行った。この事案を受け、資料は発電実績公開を早期に始める必要性を示す。
併せて、FAQ改定案では、燃料消費抑制のため限界費用より高い価格で差し替え買い入札を行う場合、日常的運用を逸脱した「出力低下」として扱う。約定が相当程度確実な価格で入札を決定し、出力低下が継続する24時間以内に240万kWh以上と合理的に見込まれる場合は公表対象であり、入札前にHJKSへ速やかに登録する必要があるとする。
資料は、①施行規則改正、②発電事業者への公開意向確認と対象ユニット確定、③システム準備が整い次第、全エリアで公開開始、の順で早期導入を進める案を示す。従来の目標は2023年度のできるだけ早い時期での公開である。公開時期の遅延やエラーは小売事業者間の競争に影響するおそれがあるため、一般送配電事業者には中立性・公平性と情報管理に配慮した準備・運用が求められる。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「発電実績の公開について:第85回 制度設計専門会合 事務局提出資料」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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