停電コストの確定値は示されていない。広域機関は、アデカシー評価や設備の故障影響度評価に使う停電コストを明らかにするため、複数年にわたり複数の推計手法とアンケートを組み合わせて検討する。本資料は2025年度の進め方とアンケート設計の報告である。
推計は、停電損失そのものを求める直接法と、需要家の行動・意向や生産への影響から近似する間接法を組み合わせる。今回扱うのは、ケーススタディ法、直接損害測定法、防止費用法、代替費用法、WTP法、単純GDPモデル、産業連関モデルである。WTA法と生産関数モデルは推計方法の全体像には含まれるが、今回実施する方法としては挙げられていない。
アンケートでは、WTP(停電回避のために支払ってもよい額)と停電損害額を調査する。WTPには回答負荷を抑える二段階二項選択方式を採用し、予備調査をもとに提示額を回答者ごとに振り分ける。回答額に加え、想定した停電状況や損害の背景も自由記述で聴取する。
| 対象 | 回収目標 | 主な調査内容・条件 |
|---|---|---|
| 大口事業所 | 3,000(発送約14,000) | WTP・損害額。夏・冬、計画停電・突発停電の各ケースを提示 |
| 中小事業所 | 1,800(発送約15,000) | 同上。売上損失、物理的損害、追加費用なども聴取 |
| 住宅(個人) | 1,800(発送約20,000) | 同上。家庭でのトラブルと損害、電力使用状況なども聴取 |
いずれも停電は2時間後に復旧する想定である。事業所・住宅の属性、電力使用量、停電経験、停電時に利用できる設備なども把握し、回答額の背景分析に用いる設計である。回収目標は計画値であり、調査結果ではない。
停電コストは、供給予備力の経済性評価、系統増強の便益評価、設備更新の故障影響度評価に使われる。アデカシー評価と系統増強評価では予告ありの停電、設備故障の影響度評価では予告なしの停電が対象となる。前回調査から10年以上が経過し、外部環境の変化を踏まえた見直しが必要とされる。
過去の委員会意見では、WTPとWTAの差やアンケートの質問方法、2時間停電だけで損害を捉えることの限界、アンケート一手法に依存することへの懸念が示された。これを受け、複数手法の併用とアンケート設計の改善を進める。資料は、各方法の検討を通じて停電コストの特性や傾向を把握する段階にあり、用途別の単価や最終的な評価方法は未確定である。
2025年度は文献調査・推計方法の分析、アンケートの設計・実施・結果分析、勉強会での検討を進める。2026年度に検討結果を集約して委員会へ報告し、その後も複数年度・複数回の調査を重ね、最終的に停電コストの見直しを審議する計画である。調査は一度で完結させず、顕示選好法なども組み合わせてデータの特性を確認する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「停電コストの検討について(報告)」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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