広域予備率に基づく需給運用では、2024年度当初に週間予備率の低下や追加供給力対策の頻発が課題となった。冬季に向けて予備率算定、調整力不足時の揚水活用、追加供給力対策の実施基準を暫定的に見直した結果、資料は2025年度以降も当面これらを継続し、夏季の重負荷期などの実績を見て必要に応じて見直す案を示している。これは今後の運用方針としての提案であり、恒久対策は引き続き検討する。
| 暫定対策 | 運用・実績の要点 |
|---|---|
| 予備率算定 | 週間・翌々日計画で調整力必要量の供給力計上を実施。対象ブロックの予備率は東北で平均1.0ポイント、中部で2.0ポイント上昇した。3月4日の最大需要時は、対策後も8%未満であった。 |
| 調整力不足時の揚水活用 | 余力活用電源を追加起動しても調整力が不足する場合、翌日計画で一時的なTSO運用を認める仕組みを導入。対象159コマのうち78コマで不足が解消し、81コマは未充足のままであった。 |
| 追加供給力対策 | 揚水の運用切替と余力活用電源の追加起動を予備率8%未満、オーバーパワー運転等を5%未満で実施する基準に変更。冬季期間は多くのエリアで揚水切替が中心となり、発動指令電源の発動はなかった。 |
揚水切替による調整力確保の効果には地域差があり、対象コマで不足が解消したのは東京64/79、北陸14/50、中国0/30であった。広域予備率への影響は東京ブロックで平均2.5ポイント、北陸で0.1ポイント、中国では効果なし。東京・北陸のエリア予備率はそれぞれ平均4.5ポイント、1.2ポイント上昇した。
事務局は、暫定対策①②について、ΔkW不足を主因として広域予備率が8%未満となった実績はなく、予備率上昇への効果を確認したとしている。対策④では発動指令電源の発動が増加しなかった。これらを踏まえ、現時点で速やかな追加見直しが必要な課題は顕在化していないとの整理である。
暫定対策の継続と並行して、国と連携し、制度変更や運用実績を踏まえた恒久対応を検討する。主な論点は、広域予備率の算定方法と示すシグナルのあり方、揚水・蓄電池の余力範囲や調整力への供出、供給力提供通知の実効性、追加供給力対策の実施順位である。インバランス料金制度や需給調整市場の取引変更に関する議論も考慮する。
需給調整市場は2026年度から一部商品が週間取引から前日取引へ移行予定である。前日取引後では当日までに起動が間に合わない電源があり得るため、資料の参考議論では、調整力不足・供給力不足の双方に対応するTSOによる余力の特別対応をロング機起動のバックアップとする考え方が示されている。また、揚水等の余力の制度的な供出義務化も別途検討中であり、恒久的な制度設計は確定していない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「2025年度以降の広域予備率に基づく需給運用について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/chousei_jukyu/)をもとに当社作成
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