容量市場の2025年度包括的検証では、制度導入の効果、現行ルールの機能、市場運営の効率を3つの観点から検証する。今回は関連データと海外事例を情報提供し、関係者から将来の制度に向けた意見を募る「Call for evidence」の準備を進める段階である。10月頃の実施を予定し、9月頃の検討会では英国の取り組みや募集のイメージを共有する予定である。
容量市場の導入目的は、卸市場収入だけでは発電投資の予見性が低下し、電源の退出や投資停滞を通じて中長期の供給力不足につながる懸念に対応することである。市場では4年前にメインオークションを行い、目標調達量は2020年度実施の1億7,747万kWから2025年度実施(2029年度対象)の1億8,997万kWへ増加している。追加オークションは2024・2025年度に開催された。
2024年度夏季の全国最大需要は1億6,095万kW、予備率は12.6%であり、各エリアの最大需要時も安定供給を確保した。一方、供給力提供通知の発生コマは全国平均212コマ(106時間)であったが、需要がH1計画を超えた回数も過去3年平均の19回に対し51回と多く、資料は2024年度を高需要の特異な状況と捉え、Z時間設定では同年度実績を参照しつつ補正を加える考え方を示している。2025年度以降も通知状況を確認する。
供給信頼度評価の見直しでは、必要調達量を増やす試算が複数示された。稀頻度リスク・厳気象対応等の見直しによる2026年度の増加試算は約602万kW、偶発的需給変動・厳気象対応の最新データ反映による2027年度の試算は、当初のメインオークション値比で216万kW増である。一方、連系線運用容量の扱いを見直した試算では2028年度の目標調達量は1万kW未満の変化にとどまった。6月の厳気象対応は、2022年の高需要を踏まえた暫定対応で32万kW増の試算となり、この方法で必要量を定める提案が示された。他月への適用や恒久対策は今後の検討事項である。
電源計画では、2025年度中に火力602万kWが休廃止となる見込みで、うち266万kWは同年度計画で新規計上された分である。事業者計画上、2034年までに新エネルギー等の設備容量は増加する一方、火力の新増設と休廃止の差し引きは減少する。調整能力は今後10年間、2024年度実績と同水準を維持する見通しである。JEPXスポット価格は2023年以降低下傾向だが、燃料価格や需給など複数要因が関わるため、資料は長期推移での確認を続けるとしている。
発動指令電源は、実効性テスト後に契約容量が確定し、実需給期間には指令に応じて供給する仕組みである。退出割合は2024年度対象で24.8%、2025年度対象で34.9%と、安定・変動電源の2.1%、2.9%より高かった。2024年度の発動実績は、契約容量に対する平均で約80%のリクワイアメント達成、メインオークション約定容量に対しては全エリア平均で約60%であり、事業者・リソース・エリア間のばらつきがあるため継続確認とされている。2024年度の経済的ペナルティ割合は速報値で安定・変動電源が約2~3%、発動指令電源が約13%である。
| 論点 | 資料が示す状況・扱い |
|---|---|
| 海外制度の類型 | 集中型・分散型の容量市場、戦略的予備力、容量支払がある。欧州では集中型への移行を検討する国が増えている。 |
| EUの原則 | 2024年改訂で、容量メカニズムを最終手段・10年上限の時限措置とする従来要件が緩和・削除された。 |
| 英国の検証 | DESNZは制度目的、Ofgemはルール・手続きを評価する。5年・10年レビューで制度継続を妥当とし、手続き簡素化などを課題としている。 |
| 調整力への対応 | 英国は優遇策を検討中だが未導入、EUは支援策を設計中、PJMでは優遇措置を確認できない。 |
英国の10年レビューでは、10年ごとの再認証義務と制度の暫定性を示す法令上の記述を撤廃し、5年ごとのレビューは維持した。制度継続はレビュー結果として示されたものであり、日本の制度変更を決定するものではない。
運営面では、発動指令電源の登録リソース数の増加が発動実績データの突合作業における不一致を増やし、関係者の作業負担につながる可能性が示された。特に2026年度以降、低圧の需要抑制リソースが増えている。容量確保契約は紙面・郵送を伴う締結や変更手続きに業務負荷があり、効率化のアイデアを募る論点とされている。2024年度分の容量拠出金は、一部調整中を除きほぼ支払い済みだが、年間取引額の確定に向けた確認は継続中である。
9月頃に制度・運営情報と「Call for evidence」のイメージを共有し、10月頃に意見募集を実施する予定である。提示されたデータや海外例は検証に向けた参考情報であり、この資料で具体的な制度変更が決定されたわけではない。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「容量市場の2025年度包括的検証について」(電力広域的運営推進委員会)(https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou_kentoukai/)をもとに当社作成
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JEPX(日本卸電力取引所)は、電気を売りたい事業者と買いたい事業者が集まって取引する日本で唯一の卸電力取引所です。2003年に設立され2005年に取引を開始し、電力自由化の下で発電事業者と小売電気事業者が公平に電気を売買できる場を提供しています[DOC:583b350c-f52d-4d57-8025-9c594f6b1bd0]。
日本の卸電力価格は、2022年度の全国平均20.4円/kWhというピークを経て、直近では10〜12円台に落ち着いている[DOC:e3a9e6dc-f089-461e-9316-5dbf87db34c0][DOC:f3b43584-e8a0-490e-9b80-d77889eebb36]。しかし「平均価格が落ち着いた」ことは「価格リスクが縮小した」ことを意味しない。価格形成の主変数が燃料費から**連系線の分断構造と供出規律の運用**へ移っており、実務が直面するコスト変動の性格そのものが変わりつつある。
容量市場は、電力量(kWh)ではなく将来の供給力(kW)を取引する市場です[DOC:7742c61f-d92c-471d-95f4-e2b258650bdb]。発電所などの供給力を金銭的に評価して支払うことで、電源投資が適切な時期に行われるよう促し、中長期の供給力確保と卸電力市場価格の安定化を図る仕組みです[DOC:223b6d64-370a-4541-bb09-512b29366434]。
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