今冬の需給状況について
資料の目的・背景
この資料は、2021年2月25日付で北海道電力株式会社が作成したもので、今冬における電力需給状況を詳しく分析し説明することを目的としている。
主な検討内容
資料には以下の項目についての説明が含まれている。
- 売入札量の減少理由
- 買い約定量の増加理由
- 自社需要の増加理由
- 自社需要の想定方法および実績との乖離理由
- 燃料制約の算定方法
- 市場への影響を考慮した燃料制約量の設定
- グロスビディングにおける考え方
- 燃料タンク下限値とその算定根拠
需給状況の概要
- 冬季の最大電力: 北海道エリアでは暖房機器の高稼働により、冬季に最大電力が発生する。
- 供給能力の確保: 地震によるリスクを踏まえ、予備力を確保する必要がある。
- LNG火力の燃料制約: 今冬はLNG火力についての燃料制約は発生しておらず、石油火力の一部に燃料制約が生じた。
売入札量の減少理由
- 売入札量の減少は、需要および卸電力取引市場での販売電力量の増加に起因し、石油火力の燃料在庫が想定より減少したためである。
需要および卸電力取引市場の状況
| 項目 | 12月 | 1月 | 前年度差 (百万円kWh) |
|---|
| 需要 | +17 | +93 | |
| 卸電力取引市場 | +97 | +232 | |
| 合計 | +114 | +325 | |
自社需要増加の理由
自社需要の増加は、気温の低下に伴う暖房需要の増加によるものである。
北海道(札幌)の気温状況
| 日平気温 | 12月上 | 12月中 | 12月下 | 1月上 | 1月中 | 1月下 |
|---|
| 平年 | +0.7 | -1.6 | -1.9 | -2.9 | -3.7 | -4.2 |
| 今冬 | +1.5 | -3.1 | -3.0 | -7.1 | -3.8 | -2.4 |
| 差 | +0.8 | -1.5 | -1.1 | -4.5 | -0.1 | +3.5 |
自社需要の想定方法と実績値との乖離
自社需要の想定方法は、天候予測に基づいて午後の需要を想定し、過去の類似気象の日の需要実績を参照する。
自社需要の実績と想定との比較
| 天候 | 予測 | 実績 | 最低気温 (°C) | 最大電力 (万kW) |
|---|
| 12/28 | 雲一時雪 | 雲 | -6 | 400 |
| 1/4 | 雲のち雪 | 雲 | -9 | 407 |
| 1/14 | 雲時々雪 | 雲 | -1 | 410 |
| 1/15 | 雲のち雪 | 晴 | -6 | 416 |
| 1/25 | 晴 | 快晴 | -8 | 411 |
燃料制約とその影響
燃料制約の算定方法
最大ユニットの出力や相対的な供給能力を考慮して、燃料在庫を確保する。今冬は需給ひっ迫を考慮し、供給能力不足回避のため、生データの見直しが行われた。
市場への影響考慮
燃料制約を設定する際には、市場の流動性を重視しており、売り入札および買い入札は限界費用相当で実施されている。ピーク時間帯の供出量を増やす運用は行われていない。
グロスビディングの考え方
売り入札量は販売電力量の30%程度を目標としており、段階的に買い入札価格が見直されている。市場価格の高騰により、通常通りグロスビディングが実施されている。
燃料タンク下限値と算定根拠
通常時のガイドライン
| 燃種 | タンク名 | ユニット名 | 物理的下限 | 値の根拠 | 運用下限 | 設定の根拠 |
|---|
| LNG | No.3タンク No.4タンク | 石狩湾新港1号 | 18,000 t | 払出ポンプ運転に必要な液位 | 52,000 t | 電源脱落リスク |
| 石油 | No.1タンク No.2タンク | 伊達1号 伊達2号 | 17,920 kl | デッドストック値 | | 火力ユニットの増出力分 |
今冬特有の状況
| 燃種 | タンク名 | 運用下限 今冬値 | 今冬において最も低い液位 | 下回った理由 |
|---|
| LNG | No.3タンク No.4タンク | 52,000 t | 68,898 t | |
| 石油 | 伊達1号 No.1タンク | 18,293 kl | 2021年1月7日 | 需給ひっ迫による関係各所からの要請 |
参考資料
- 石狩LNG基地の燃料受払計画や、各発電所の燃料在庫推移等のデータは、詳細に検証されており、必要に応じて今後の供給計画に寄与する重要な情報である。
以上のように、今冬の需給状況に関する資料には、多岐にわたる検討内容が含まれており、安定した電力供給を確保するための取り組みが詳細に説明されている。