電力・ガス取引監視委員会における議論報告
資料の概要
本資料は、令和3年2月25日に開催された電力・ガス取引監視委員会での、スポット市場価格の動向に関する議論をまとめたものである。経済産業省の資料に基づき、主に以下の内容について報告・分析が行われている。
議論の主要なポイント
1. 監視・分析状況の報告
- スポット市場価格の高騰について、旧一電(沖縄電力を除く9社)及びJERAからのデータを基に報告。
- 各社に販売入札および買い約定に関するデータの提出を求め、分析を実施。
2. ヒアリング予定項目
- 売り入札量の減少・買い約定量の増加の理由
- 自社需要想定の見積もりの合理性
- LNG・石油の燃料制約に関する実施時期や算定方法の妥当性
スポット市場価格の動向
卸市場価格状況
- 2020年12月中旬以降、特に以下のような最高価格が記録された。
- 2021年1月13日: 154.6円/kWh
- 2021年1月15日: 過去最高の251円/kWhを記録
システムプライスの長期推移
| 年度 | システムプライス平均値 (円/kWh) | システムプライス最高値 (円/kWh) |
|---|
| 2013年度 | 16.5 | 55.0 |
| 2014年度 | 14.7 | 44.6 |
| 2015年度 | 9.8 | 44.9 |
| 2016年度 | 8.5 | 40.0 |
| 2017年度 | 9.7 | 50.0 |
| 2018年度 | 9.8 | 75.0 |
| 2019年度 | 7.9 | 60.0 |
| 2020年度 | 11.7 | 251.0 |
価格の安定化措置
- 1月17日以降、インバランス料金単価の上限を200円/kWhに設定し、これにより1月下旬以降はスポット価格が沈静化した。
スポット市場の売買入札量・約定量
- 今冬のスポット価格の高騰は、売り入札の減少に伴う売り切れ状態が続き、買い入札価格が上昇したことが原因。
自社需要の見積もり
- 各社からの実績との差離は平均1%以下であり、大きな乖離が見られる日もあった。
重要な確認事項
各社のヒアリングで確認が必要な事項
- 自社需要の見積もりや、LNG・石油の燃料制約の算定方法についての具体的な確認が必要。
今後のスケジュール
- 各社からのデータ提出に基づき、ヒアリングを通じて各社の運用や見積もり方法に関する詳細を検証する予定である。
電力会社別データ分析
北海道電力
- 売り入札量、実質買い約定量、供給力のデータを示す。
売り入札量
| 日付 | 売り入札量 (a-b-c) | 売り入札総量 (a) | GB高値買い入札量 (b) | 間接オークション等売り入札量 (c) |
|---|
| 12/17 | 5.5 | 13.4 | 7.8 | 0.2 |
| 12/18 | 5.5 | 12.6 | 6.9 | 0.2 |
| 12/19 | 18.2 | 23.6 | 5.1 | 0.2 |
| ... | ... | ... | ... | ... |
実質買い約定量
| 日付 | 実質買い約定量 (a-b-c) | 買い約定量 (a) | GB買い約定量 (b) | 間接オークション買い約定量 (c) |
|---|
| 12/17 | 1.0 | 10.6 | 7.8 | 1.8 |
| 12/18 | 0.8 | 9.6 | 6.9 | 1.9 |
| 12/19 | 1.7 | 8.7 | 5.1 | 1.9 |
| ... | ... | ... | ... | ... |
東北電力
売り入札量と実質買い約定量
| 日付 | 売り入札量 (a-b-c) | 売り入札総量 (a) | GB高値買い入札量 (b) | 間接オークション等売り入札量 (c) |
|---|
| 12/17 | 0.0 | 40.6 | 14.4 | 26.2 |
| 12/18 | 0.0 | 41.7 | 14.4 | 27.3 |
| 12/19 | 0.0 | 33.1 | 14.4 | 18.7 |
| ... | ... | ... | ... | ... |
東京電力エナジーパートナーとJERA
- 売り入札量と自社需要の推移、LNG・石油燃料に関する制約等についてのデータが提示されている。
重要な数値・データ
- 売り入札量の最高値は41.8 GWh(北海道電力、12/20)。
- 供給力の最大値は130.4 GWh(北海道電力、12/20)。
- 実質買い約定量の最高値は4.9 GWh(北海道電力、12/20)。
今後の予定・課題
- 各電力会社の供給能力の維持や価格競争力が問われるほか、燃料制約や出力制約の影響をさらなる分析が必要である。
この資料は、スポット市場価格の高騰の背景や各社の行動、今後の議論の方向性などが示されており、今後の市場状況を把握するための基礎資料となる。