JERA スポット価格高騰に関する対応資料
本資料は、JERAが2021年2月25日に発表したスポット価格高騰に関する対応をまとめたものである。主にLNG(液化天然ガス)の調達および供給に関する実績と課題について言及している。
資料の目的・背景
本資料は、各電力基地における在庫状況と発電制約に関する情報を整理し、需給の見通しに基づく運用戦略を検討するためのものである。
主要な検討内容
LNGの輸入と消費
- JERAは年間約3,200万トンのLNGを輸入しており、これは全国の約4割に該当する。
- 東京・中部エリアで電力を卸販売しており、全国の約25%がJERAのLNGから供給されている。
- LNGの調達は消費量に基づき計画されているが、タンク容量が小さいため、調達リードタイムは通常2ヶ月である。
発電実績
| エリア | 発電量 (%) |
|---|
| 東京・中部エリア | 48% |
| その他エリア | 52% |
| JERA LNG | 25% |
| JERA石炭他 | 6% |
| 他社 | 17% |
自社需要の増加
- 東京エリア: 11月の計画に対し、実績需要は計画比で**11%**増加した。
- 中部エリア: 実績需要は計画比で**6%**増加し、相対契約販売量の増加が主要な要因である。
在庫管理
- 在庫の合計値は発電抑制を検討する必要があるレベル以上に達していたが、需要が増加したことから2020年12月21日頃から在庫下限に達する見込みとなり、燃料不足に対する制約が掛かることとなった。
- 一部の基地では燃料制約が掛かり、1月29日に全基地の制約が解除された。
買い約定量と売入札量の関係
- 12月後半以降は顕著な買い約定量の増加は見られなかった。
- 売り入札量は以下の理由で減少した。
- 12月上旬: 東京エリアにおける相対契約の販売権が減少。
- 12月中旬: 中部エリアでの需要が増加。
- 12月下旬-1月下旬: 燃料制約による余力の減少。
各基地の状況
富津基地
- 制約設定の理由: エリア需要を踏まえ、継続的な制約が必要であり、入船遅延リスクを考慮して制約量を設定した。
- 在庫レベルと計画の見直し: 1/8までの消費可能レベルを15.1万tに引き下げ。
東扇島基地
- 制約設定の必要性: 週問計画更新により、1/5と1/11に発電抑制検討を開始する必要を認識した。
- 在庫情報: 1/11時点での消費量は8.2万tと設定。
袖ケ浦基地
- 制約設定: 計画-実績差により制約量を認識し、12/28時点での在庫レベルは11.5万tまで消費可能と設定した。
根岸基地
- 制約状況: 計画-実績差により制約を認識し、12/28時点の在庫は0.6万tと設定。
知多基地
- 制約設定: 12/25以降の制約量を設定し、1/5と1/8での低在庫ポイントを考慮。
スケジュール・今後の予定
各基地の需要に基づく在庫管理と制約判断は定期的に見直され、状況に応じて柔軟に調整される。発電の抑制や停止が必要になる可能性があるため、各基地ごとのデータを随時更新する必要がある。
各基地の主要データ
| 基地 | 発電抑制検討開始 | 一部発電停止 | 最低在庫設定 |
|---|
| 富津基地 | 18万t | 10万t | 1/8, 15.1万t |
| 東扇島基地 | 10万t | 6万t | 1/11, 8.2万t |
| 袖ケ浦基地 | 9万t | 7万t | 12/28, 11.5万t |
| 根岸基地 | 1万t | 0.5万t | 12/28, 0.6万t |
| 知多基地 | 6万t | 4万t | 1/8, 5.5万t |
決定事項・制度変更
燃料タンクの運用下限と算定根拠
以下の各タンクの運用下限今冬値や設定の根拠が明記されている。
| 燃種 | タンク名 | 運用下限今冬値(通常値) | 今冬において最も低い液位 | 下回った下限を引き下げた理由 |
|---|
| LNG | 富津基地 | 18万t | 13万t | 入船遅延による影響 |
| LNG | 東扇島基地 | 10万t | 7万t | 個別タンク在庫による判断 |
| LNG | 袖ケ浦基地 | 10万t | 6万t | タンク在庫確認による結果 |
| LNG | 根岸基地 | 1万t | 0.3万t | 個別タンク在庫確認による判断 |
結論
JERAは持続的なエネルギー供給のためにLNGの運用を厳格に管理し、需要の変動に対応するためのプランを策定している。しかし、需要変動や外的要因による制約が発生するため、これを考慮した柔軟な対応が求められる。