2024年4月1日~7月10日の実績では、前日取引(三次調整力②)は6月に平均約定単価が各エリアで前月より低下し、募集量の縮小に伴って約定量・想定費用も低下した。7月1~10日は東京・中部の平均単価が上昇している。約定量の低下は余力活用電源の運用コストを上げる可能性があるとして、事務局は動向を注視する。
週間取引(一次~三次①)では、北海道・九州の平均単価が他エリアより高い状態が続いた。九州は約定量が関西より少ない一方、想定費用は9エリアで最も高い。東京・中部では一次調整力と二次調整力①の調達率が他エリアより著しく低く、応札量も少ない。中部は二次調整力②でも応札が極端に少なく、三次調整力①でも他エリアより少ない。
三次調整力②は募集量の見直し後、募集量に対する応札割合が上昇したが、北海道・北陸・関西を除くと応札量の推移自体に大きな変化はない。北海道では6月以降、二次調整力②・三次調整力①の調達率が改善した。計画停止電源の稼働に加え、三次調整力②の募集量減少で空いたリソースの一部が、二次調整力②・三次調整力①に応札した可能性があるとの推察である。
4月1日~7月12日の余力活用契約に基づく追加起動指令は、資料上、全エリア・各月で0回である。一方、起動費・最低出力費用は一部エリアで発生しており、速報値または概算値を含む。集計費用には、起動済み電源の余力を調整力として使ったコスト等が含まれず、余力活用電源の運用コスト全体を示すものではない。高需要期に入り余力減少が見込まれるため、費用動向を引き続き確認する。
起動費をΔkW価格に含めず事後精算する案について、案1は最低出力までの発電に係るマージンをΔkW価格に含め、案2はΔkW価格を一定額とし、起動指令時に起動費と最低出力分の費用を精算する設計である。資料上、案2は事業者の運用面で利点が大きいとされたが、詳細は未確定である。
| 課題 | 起動判断を一般送配電事業者が行う場合の問題 |
|---|---|
| アセスメント | BG計画に最低出力分を計上しにくく、並列必須商品では自動判定が不適合となる、または指令応動を適切に確認できない。システム改修には数年単位を要し、アセスメント免除にはモラルハザードの懸念がある。 |
| 広域調達 | 他エリアの電源に約定した一般送配電事業者は自ら起動指令できず、相手エリアの送配電事業者への依頼が必要となる。追加的な需給調整費用と複雑な事業者間精算が生じる。 |
| 案2の価格形成 | 起動供出札が一律0.33円に集中する可能性があり、募集量超過時は現行システム上、同価格札の落札がランダムとなる。メリットオーダーが働かず、低コスト電源を選べないおそれがある。 |
このため、案1・案2は応札を促す可能性がある一方、実務上の難題が大きく、対策案の精査が必要との整理である。現行の入札方法を維持し、起動費の取り過ぎ分に加えて取り漏れ分を事後精算する方向は、他の運用への影響を抑えて対応できる可能性があるとして、今後の検討案に挙げられた。価格規律の見直し自体は決定されていない。
広域機関のアンケートでは、調整力供出を妨げる要因として起動費取り漏れリスクの影響が最も大きく、次いで調整力発動リスクや水力の河川制約が挙げられた。東京・中部の対象事業者への聞き取りでは、発電事業者は小売との通告変更権により週間時点で余力が確定しないと説明し、小売事業者側も週間応札を前提とする具体的な合意や余力引き渡しの運用がないと回答した。他エリアの旧一般電気事業者は、需要予測の振れを見込みつつ週間時点の余力を応札する運用を行っているとの回答であった。
事務局の指摘を受け、東京・中部の発電・小売事業者は、契約協議や需給計画の見直しを進め、週間取引への供出拡大を目指すと回答した。小売側の予備力を確保した上で余力を引き渡す案や、2024年秋を目標に運用を開始する意向が示されたが、実施済みの決定ではない。事務局は今後の対応状況を確認し、これを踏まえて起動費取り漏れリスク等への価格規律見直し案を実務面から引き続き検討する方針である。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需給調整市場の運用等について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
本サービスで提供される審議会資料は、各府省庁が公開している情報を公共データ利用規約(PDL1.0)に基づいて利用しています。詳細はデータソースページをご確認ください。
Policy Scope
関連する審議会・政策資料を継続的に収集し、AI要約と一次資料をまとめて確認。重要な変更を事業判断と社内共有につなげられます。