2024年4月から6月10日までの実績では、前日取引(三次②)は6月1日から募集量を調整した。多くのエリアで平均約定単価は5月に上昇し、6月は4月を下回った。募集量の調整により、多くのエリアで想定費用が減少した一方、東北・中部では4月と5月の約定量が同程度でも5月の費用が増えた。資料は、エリア内火力の応札減少により他エリアの高値電源が約定しやすくなったことを要因の一つとみている。
週間取引(一次~三次①)は募集量を調整していない。東北・関西の約定量が比較的多く、九州では約定量が増加傾向となる可能性が示された。想定費用は九州が月30億円程度、関西が月20億円程度で、東北は6月に約20億円となる見込みである。6月値は1~10日の実績を3倍した参考値であり、想定費用・約定量にはリソース差し替え前後の重複計上が一部ある。また、未使用の起動費はTSOに返還される。
東京・中部では一次調整力と二次調整力①の調達率が他エリアに比べ著しく低い。聞き取りでは、需要BGの契約上、市場供出できない場合がある一方、他の契約電源を使って入札する事業者も確認された。BGの最終通告期限をゲートクローズに近づける運用が、発電事業者・需要BG双方からのΔkW供出を抑え、前日取引の効率を損なっている可能性が示されたが、影響の検証が必要である。
事務局は、起動費をΔkW価格に算入せず、起動指令時に登録済みの起動費を事後精算する案を検討している。欧州では起動費を主に調整力kWh価格に織り込む例が紹介されたが、海外制度の紹介は日本での導入決定を意味しない。
| 論点 | 案1 | 案2 |
|---|---|---|
| ΔkW収益 | 限界費用の10%×最低出力+一定額 | 一定額 |
| 起動時の事後精算 | 起動費+限界費用×最低出力 | 起動費+限界費用の110%×最低出力 |
| 主な特徴 | 起動電源の価格競争力低下を通じ、競争環境への影響を抑えやすい。マージンの二重払い防止措置が必要 | 再登録が不要で、応札を促す可能性がある一方、競争環境への影響は案1より大きい |
資料では、発電事業者の運用を考えると案2の利点が大きいとするが、詳細は未検討である。事後精算方式には、起動指令の事前化に伴う商品要件・精算システムの変更が必要となる。また、ΔkWでは安価でもkWhでは高価な起動電源が多く落札される可能性があり、競争環境や調達構成への影響を検討する必要がある。起動費の負担をインバランス料金に移す案は、価格スパイクや制度・システムとの整合が課題であり、現時点では将来課題とする考えが示された。
事後精算が応札を増やすかは不明であり、BGとの契約が市場供出を抑えている可能性も含め、BGの直前調整が需給全体にもたらす効果と発電事業者への影響を検証した上で、ガイドライン見直しの要否を判断する。なお、起動費等をインバランス料金負担とする案や、起動費を全ブロックに認める案は決定事項ではない。
中部電力パワーグリッドは、週間商品の未達率が8割を超える状況を受け、ブラックスタート機能契約のある揚水機からΔkWを随意契約で調達する案を相談した。契約は2025年3月まで、容量は約50万~60万kW(電源Ⅰ確保量の3~4割程度)とし、BGの逸失利益や代替調達費用等を実績に基づき事後精算する想定である。
事務局は、需給調整市場で調達できない場合は公募が望ましいという原則を示しつつ、未達率が著しく高い中部で安定供給のために一部を随意調達することは合理性を欠くとは言い切れないとして、認める案を提示した。契約額の妥当性を相対交渉で確認し、監視等委員会が契約価格・交渉内容・事後精算額を事後監視する条件を付す。また、調達したΔkW量は市場募集量から控除する方向で、具体的方法は資源エネルギー庁・広域機関と協議する。これは事務局の提案であり、資料上、最終決定とはされていない。2025年度は公募調達の枠組みが整えば、必要量の一部を公募で確保することも検討する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需給調整市場の運用について」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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