第71回容量市場の在り方等に関する検討会まとめ
概要
本資料は、2026年1月30日に行われた第71回容量市場の在り方等に関する検討会での主要な内容を整理したものである。特に、指標価格(Net CONE)および上限価格の見直しに関する検討状況に焦点を当てている。
目次
- はじめに
- 指標価格(Net CONE)の検討状況
- 指標価格・上限価格の見直しの影響
- まとめ
- 海外における指標価格の状況
- 新設電源の参入についての検討内容
- 指標価格(Net CONE)の算定方法
- 今後の議論
1. はじめに
このセクションでは、以下のポイントが述べられている。
- 2025年12月に開催された第109回次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会、及び2026年1月の第110回制度検討作業部会に基づき、指標価格の論点を検討した。
- 2026年1月28日には供給信頼度評価に関する委員会でも議論が行われた。
- 本検討会の目的は、指標価格および上限価格の具体的なイメージを提示し、意見を求めることである。
2. 指標価格(Net CONE)の検討状況
指標価格(Net CONE)に関する容量市場の議論には以下の内容が含まれている。
- 第110回制度検討作業部会では、供給力確保の考え方とともに指標価格および上限価格の見直しが議論された。
3. 指標価格・上限価格の見直しの影響
背景
- 2026年夏頃の東京エリアの予備率は**0.9%**と厳しい状況である。電力需要の増加が見込まれる一方で、非効率な石炭火力の廃止が進んでいる。
- 供給力確保が重要な課題とされている。
現行制度に対する課題
指標価格(Net CONE)および上限価格の見直しが求められる背景には以下の理由がある。
- 2023年度以降、Net CONE超で応札した電源が増加しており、供給信頼度の約定処理結果による具体的な不足が生じている(東北・東京エリア)。
- 労働コストや電源の老朽化による運用コスト上昇が影響を与えている。
提案される方策
| 対策 | 内容 |
|---|
| 指標価格の見直し | Net CONEの考え方を再確認し、上限価格の見直しも検討 |
| 供給力確保策の強化 | 供給力不足回避のためのインセンティブを強化 |
4. まとめ
指標価格(Net CONE)および上限価格の見直しに関しては、次のステップが提示された。
- 具体的な制度設計に向けて、関係審議会や機関での検討を進める必要がある。
- 2030年代を見据えた電源の移行において、容量市場や追加供給力の確保に向けた柔軟な対応が求められる。
5. 海外における指標価格の状況
海外の容量市場の指標価格
- 海外では集中型/シングルプライス方式が採用されている。天然ガスを燃料とする発電方式がモデルプラントとして設定されている。
- 各国や地域のNet CONE価格は以下の通りである。
| 対象国地域 | Net CONE 価格(円/kW/年) |
|---|
| イギリス | 10,000 |
| アイルランド | 18,800 |
| アメリカ(PJM) | 16,300 |
| アメリカ(ISO-NE) | 13,300 |
日本の指標価格と必要性
- 日本では設備の経年化が進行しており、既設電源の延命や需給調整を行った場合でも目標調達量を確保できないことが予想されている。したがって、持続的な新設電源の確保が必要である。
6. 新設電源の参入についての検討内容
新設電源の参入の考え方
- 容量市場は既設電源を対象とする市場に整理される可能性がある。
- 長期脱炭素電源オークションが新設投資を支援しているため、規制の整合性を保つ必要がある。
重要な論点
- 指標価格(Net CONE)の利用理由: 需要地における指標価格は、容量市場の目標導入量に対する価格として考慮される。
- 脱炭素電源による供給力確保には継続的な新設電源が必要であることが強調されている。
7. 指標価格(Net CONE)の算定方法
- Net CONEの算定においては、実態を踏まえた電源投資に係る費用の算定が必要であり、中立性と専門性を確保しなければならない。
- 現在の指標価格(Net CONE)は2015年の発電コスト検証WGに基づいて算定され、以下の試算値が示されている。
| 項目 | 日本(試算値) |
|---|
| Gross CONE | 12,307円/kW・年 |
| Net CONE | 9,307円/kW・年 |
8. 今後の議論
今後、指標価格と上限価格の見直し案についての具体的なイメージや特徴を示したことを踏まえ、需要曲線に関する見直しや小売電気事業者への影響緩和措置について意見を収集し、さらに検討を進めることが期待される。この検討会の成果は、今後の電力需給の安定性を支える重要な要素となる。