2021年度から始まる需給調整市場では、連系線の混雑や地域ごとの供給者の限られ方により競争が弱まる場面が見込まれる。このため、電気事業法に基づく業務改善命令等の事後措置に加え、市場支配力を持つ可能性が高い事業者に価格規律の遵守を要請する事前措置を設ける案である。これは「とりまとめ(案)」であり、制度開始後の状況を踏まえた見直しも予定する。
| 措置 | 内容と適用 |
|---|---|
| 事後措置 | 市場相場を動かす目的で重大な影響をもたらす取引(実行・不実行)や、需給・価格を誤認させる情報の流布を、業務改善命令等の対象となり得る行為として適正取引ガイドラインに明記する。 |
| 事前措置 | 競争的な市場で合理的な価格登録を「望ましい行為」とし、対象事業者に遵守を要請する。規律内の価格は相場変動目的ではないとみなすセーフハーバーとなる。規律を超えただけで直ちに命令等の対象とはならず、重大な影響をもたらす取引かを判断する。 |
価格規律は、燃料費等の限界費用だけでなく、固定費の未回収分や機会費用を反映させる設計である。揚水・水力・DR等は、代替電源の稼働費用や逸失利益を含む機会費用を限界費用として扱い、監視時に根拠資料を確認する。
| 対象・取引 | 登録価格の要請内容 |
|---|---|
| 予約電源のkWh価格(全事業者) | 当面、限界費用または時間前市場の約定価格平均値を参照する市場価格以下。ΔkW契約で明確化する。 |
| 予約電源以外のkWh価格(対象事業者) | 上げ調整は限界費用+一定額以下、下げ調整は限界費用-一定額以上。一定額は固定費回収の合理的額とし、固定費回収済みの電源等は限界費用の10%程度を上乗せ幅とする。 |
| ΔkW価格(対象事業者) | 逸失利益(機会費用)+一定額以下。一定額は固定費回収の合理的額とし、回収済みの場合は、限界費用・約定量・稼働率(電源Ⅰ平均5%)・3時間ブロックを用いる上乗せ額を設定する。 |
| 電源Ⅰ公募 | 旧一般電気事業者に、従来と同じく「固定費+事業報酬相当額」を基準とした入札を要請する。 |
2021年度の対象は、地理的範囲ごとに2020年度の電源Ⅰ・Ⅱの発電容量シェアが20%以上の事業者とする。範囲は6~9月が北海道・東日本(東京、東北)・西日本、10~5月がこれらに九州単独を加えた区分である。2022年度以降は取引や広域需給調整システム(KJC)の運用実績を踏まえて再検討する。
実需給20分前までに予測したインバランスは、原則として9エリアの調整力をkWh価格順に広域運用する。その後に判明した誤差や時間内変動はエリア内で対応する。エリア内運用で新たに市場支配力が生じる可能性はあるが、当面は事前規律の対象とせず、事後監視で対応する。エリア内で稼働した調整力価格は、2022年度以降のインバランス料金算定に引用されないことも理由である。
予約電源のkWh価格規律や固定費回収額は監視で確認し、不自然な価格には根拠聴取・修正要請を行う。市場開始後に措置の機能をモニタリングし、必要に応じて制度設計専門会合で見直す。kWh市場の精算方式は当面pay as bidだが、インバランス料金との整合性からpay as clearedが適当との考えも示され、取引・料金運用の状況を見て中長期的に検討する。
※AI生成。詳細は原文PDFをご確認ください。
出典:
「需給調整市場において適正な取引を確保するための措置について(とりまとめ)(案)」(電力・ガス取引監視等委員会)(https://www.egc.meti.go.jp/activity/index_system.html)をもとに当社作成
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